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事務局長交代のごあいさつ


                                                  2016年2月 
事務局長交代のごあいさつ
                                                 高木久仁子 

 日頃より高木仁三郎市民科学基金(高木基金)へのご支援ありがとうございます。

 高木基金の設立以来15年を迎えますが、基金では、この14年間に合計294の市民科学を志す日本国内及びアジアの個人・グループへ総額1億5千万円を越える助成を行うことが出来ました。また2013年度からは、特別事業として、原子力市民委員会の支援に取り組んでいます。これもみなさまのご支援ご協力のたまものと厚くお礼申し上げます。

 亡夫 高木仁三郎は、

 「反原発に生きることは、苦しいこともありましたが、全国、全世界に真摯に生きる人々と共にあることと、歴史の大道に沿って歩んでいることの確信から来る喜びは、小さな困難などをはるかに超えるものとして、いつも私を前に向かって進めてくれました。…残念ながら、原子力最後の日は見ることができず、私の方が先に逝かねばならなくなりましたが、せめて『プルトニウムの最後の日』くらいは、目にしたかったです。でもそれはもう時間の問題でしょう。すでにあらゆる事実が、私たちの主張が正しかったことを示しています。なお、楽観できないのは、この末期症状の中で、巨大な事故や不正が原子力の世界を襲う危険でしょう。…原子力時代の末期症状による大事故の危険と結局は放射性廃棄物が垂れ流しになっていくのではないかということに対する危惧の念は、今、先に逝ってしまう人間の心を最も悩ますものです。後に残る人々が、歴史を見通す透徹した知力と、大胆に現実に立ち向かう活発な行動力をもって、一刻も早く原子力の時代にピリオドをつけ、その賢明な結局に英知を結集されることを願ってやみません」

と最後のメッセージを残し、2000年10月、がんで死去しました。仁三郎死去に際しては、

 「私が社会的活動が不可能になる時点、及び死亡する時点以降も、私の意向が持続するために、市民の科学をめざす研究者個人及びNPO(NGO)の資金面での奨励と育成、アジアの若手研究者の育成を行う基金を、自分の遺産等を原資とし広く会員を募り設立してほしい」

と遺言を残しました。

 2000年12月に日比谷公会堂で開催された「高木仁三郎さんを偲ぶ会」で、高木基金設立委員会を代表し、河合弘之さんが会場に駆けつけた3000人余の人々に、高木基金設立の呼びかけをおこないました。基金の経験などまったくない私は五里霧中、多くの方々のご協力を得、試行錯誤を経て2001年度には第1回助成を行うまでにこぎつけることができました。2002年より理事・事務局長としてまいりましたが、事務局にも新しいスタッフが加わるなど体制も徐々に整ってきた今、原発事故の長きにわたる今後の困難な状況に備えても、事務局長の世代交代の必要を考え、2002年より事務局スタッフとして活動してきた菅波完さんへ今年の1月、事務局長を交代することにいたしました。

 私は理事として今後も活動を続ける所存ですが、新事務局長のお引き立てどうぞよろしくお願い申し上げるとともに、これまでにも増して高木仁三郎市民科学基金へのご支援をよろしくお願い申し上げます。




事務局長拝命にあたって
                                                  菅波 完 

 私は、高木基金が第一回の助成先を決定し、最初の助成が本格的に動き出してから半年後の2002年9月から事務局を担当して参りました。当初は、高木基金としての助成募集、選考、成果発表、それらを支えるための資金集め、NPOとしての組織運営など、すべてが試行錯誤の連続でしたが、多くの方のご支援、ご協力をいただき、これまでに14年にわたって助成事業を行い、高木基金としての組織基盤も、徐々に拡大してきました。

 事務局として、高木基金の助成はどうあるべきか、どのような調査研究を支援するべきかを常に考え、また、助成金を支給するだけでなく、人的な交流の促進など、高木基金としてできることは何かということにも知恵を絞ってきましたが、それはすなわち、現代の科学技術や社会が抱える問題にどのように向き合い、市民社会がどうあるべきか、私たち自身がどのように関わっていくことができるのかを考えるプロセスに他ならず、私自身にとっても学ぶことが多く、貴重な経験となっております。

 この度、高木久仁子さんから事務局長交代のお話をいただき、謹んでお引き受けいたしました。高木仁三郎さんが示された高木基金の使命や、多くの支援者のみなさまが寄せて下さる高木基金へのご期待を思うと、自分自身、まだまだ経験も勉強も不十分であることを痛感しております。

 一方、現実の社会では、福島原発事故の現実から目を背け、事故の原因究明も責任追及も放置したまま、原発再稼働を強行する動きが加速しています。原発に限らず、現代の科学技術が市民社会への脅威となっているような課題も山積しており、高木基金の役割は、ますます重要になっていると考えています。

 従来からの助成事業においても、その他の事業や組織運営についても、高木基金として改善していかなければならない点も数多くありますが、着実に運営基盤を強化し、「市民科学」を支える市民ファンドとして、高木基金がこれまで以上の役割を果たしていけるよう、全力で取り組んで参りますので、みなさまには、引き続き、ご指導、ご鞭撻の程、どうぞよろしくお願い申し上げます。



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