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市民が行う松葉のダイオキシン調査



グループ名 松葉のダイオキシン調査2010.3実行委員会 研究成果発表会配布資料[pdf]
研究成果発表会配布資料[pdf]
代表者氏名 岡本 京子 さん
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助成金額 20万円

クロマツの針葉

今回の調査で採取した松葉のポイントは、277箇所。環境総合研究所で、枯れ葉などを除去し、検体として有効な松葉をエリアごとに整理したもの。

松葉を採取したサンプリングポイント

6月24日に行った報告集会の様子

4月17・18日のアースデイ東京で「プラスティック焼却大丈夫?」というアンケートを行いました。

研究の概要

2009年12月の助成申込書から
 ダイオキシンが重大な社会問題となった1999年度末、全国の生活クラブ生協で地域の焼却炉の実態調査を行い、市民のカンパを集め、市民の手で検体サンプルとなる松葉を採集し、ダイオキシン調査を行った。ごみと健康、環境という暮らしに直接かかわる問題を認識する契機となった。その後も市民活動として3Rの優先順位を考え、焼却にたよるごみ処理の課題などを、行政、事業者に偏ることなく、市民自らの責任も考えて問題提起を行い、市民から始めるさまざまなごみ減量、リユース、リサイクルの取り組みを呼びかける活動を続けている。  2008年度からの東京23区でのプラスチックごみ焼却本格実施を受け、2006年度に実行委員会を立ち上げて、2007年3月現状把握のために再び松葉のダイオキシン調査を行った。1999年当時からは大きく改善されていたが、清掃工場の集中するエリアの課題も見えた。調査後、プラスチック焼却を考える会として、プラスチックの性質の学習やリサイクルの可能性追求、しくみづくりなどの活動を行い、地域に発信してきた。  プラスチック焼却実施後の環境への影響を比較するために、2010年3月に再調査を行うことを目指して、今年度、新たに実行委員会を形成して活動を開始した。調査活動の意味、目的を再確認する学習会を始めとして、地域の祭りや環境関連イベントへの参加などを通して、広く調査活動の意味を伝え、カンパや松葉情報の提供などを呼び掛けている。

中間報告

2010年10月の中間報告から
 東京23区内において、平成20年度(2008年)から廃プラスチック混合焼却が導入されることになりました。私たちは、廃プラスチックの混合焼却が本格実施される前2007年3月に本格実施後の調査との比較ができるよう「松葉のダイオキシン調査」を9検体実施しました。この調査活動は、すべて市民のカンパで行いました。  この間、市民の努力と働きかけにより、容器包装プラスチックの分別回収をすることになった行政区はありますが、23区南生活クラブエリア内では、世田谷区、大田区が一部の限られた容器包装プラスチック以外は混合回収、混合焼却をしています。東京二十三区清掃一部事務組合によると以前5%程度だったプラスチック混入率は本格実施後15〜20%になっていることが実証確認により明らかになっています。  前回の調査から、ちょうど3年後、2010年3月に松葉の調査をすることを目指して、2009年6月にスタート集会を行い、調査への協力とカンパを呼びかける活動をしました。  本格実施後の2010年3月、松葉のダイオキシン調査を9検体実施しました。今回の調査は、ダイオキシンのほかに12種類の重金属類についても全検体で上乗せして調査をすることができました。

結果・成果


 東京23区内においては、2008年度から順次、廃プラスチックが混合焼却されることになりました。  松葉のダイオキシン汚染について、2007年3月、2010年3月と混合焼却実施前後の調査を比較することで、廃プラスチック混合焼却が環境へ与える影響を実証しました。  行政および清掃一部事務組合の発表では、ダイオキシンは減少しているとのことでしたが、今回の調査から分かったことは、全体として「空気中のダイオキシンの濃度は僅かながらも上昇傾向にある」という事でした。また、その内訳からすると都市型の傾向を現しており、依然として焼却炉由来の特徴を示していることが分かりました。前回と比較して濃度が上昇したのは、目黒区全域、大田区東部、品川区全域でした。  また、今回の調査では、同時に12種類の金属類の調査も行いました。今回の調査によって、松葉には大気中に排出された金属類が気化して気孔から取り込まれている可能性が分かりました。

その他/備考


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