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伝統的な知識とウラン鉱山開発:開発エリアに住む人々の経験と知恵に関する調査



グループ名
代表者氏名 【インド】シュリプラカッシュ さん
URL
助成金額 30万円

ウラン鉱山の岩石が投棄された村で見られる種の変異

「われわれの土地、文化、環境を、欲や原子力礼賛のために破壊するな」

研究の概要


 現代科学では、ウラン採掘による環境や人間への影響に関する定説はなく、体制側とそうでない科学者の意見は一致していない。本調査を通じて、ウラン鉱山採掘周辺に住む先住民族や住民の伝統的知識をオーラル・ヒストリーとして収集し、映像化することによって、生態系や人への放射能の影響を証明した既存の科学的な証拠の補完とすることを目指す。すでに実施したインドに加えて、今回、米国、カナダで調査を行い、各地のストーリーをリンクさせ、分析することによって、伝統的知識の共通点や普遍性を見出したい。  米国のナバホ・ネーション(自治政府)ではウラン採掘を禁止する法律を制定している。ウラン鉱山採掘による影響およびコミュニティの環境と人々を守るための知恵に焦点をあてた本調査の成果を広く配布することによって、問題への認識を高め、インド国内でのウラン採掘禁止法の制定や国連への働きかけなどの動きにつなげたい。調査実施期間は2011年5月〜12月。

中間報告


結果・成果


科学と伝統的知識は対立するものではなく、人類が生き残るために非常に重要なテーマとして、世界中の先住民の伝統的知識を確立し、提示していくことが急務であり、この目的のために、私たちは「ウラン採掘」の影響について映像化に取り組みました。第一エピソードでは、地域の全体像を描いたもので、環境影響を緩和させ、ウラン採掘前の状態に戻すことはほとんど不可能であることを提示しました。ウラン採掘が行われた地域の中には、放射線量が高く、人間が住めないような危険な環境を作りだしていることを示しています。この他にも、ウラン採掘がもたらす人間への健康影響、環境破壊を示す映像や資料を多数収録・収集しました。インド南西部では、30年以上前にウラン採掘が停止されたため、若い世代はすでにその影響を忘れつつありますが、その一方で、新しい採掘プロジェクトも持ち上がっています。 私たちは、この非常に重要なテーマについて、映像として記録することができたことを誇りに思っています。気候変動が重大な局面を迎えている今、脱炭素を掲げ、原子力ロビーは貧しい国々に自分たちの原発技術を売り込もうと必死になっていますが、この核取引ビジネスにおいては、最も影響を受け苦しむだろう人々、つまり先住民族のコミュニティーの声に耳を傾ける人は誰もいないのです。 また、科学技術は、企業や富裕層、研究費を支払う既得権益者のためだけでなく、人々のためになるものでなければならない、という理解も深まりました。同時に、何世代にもわたって培われてきた伝統的な知識や知恵は尊重されるべきであり、それができてはじめて、地球上で自然と調和して生きていくことができるのだと考えています。

その他/備考


*シュリプラカッシュさんは個人として助成を受けております。

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