高木仁三郎市民科学基金 助成研究の概要 (2005年度実施分) |
グループ名:大入島自然史研究会 代表者氏名:山下 博由さん 研究テーマ:大分県佐伯市大入島石間浦の自然史・文化の研究
−不条理な埋立問題に関する科学的データの収集と分析−
助成金額: 80万円研究の概要:2004年12月の助成申込書から 研究の成果:2006年4月の完了報告から |
研究の概要 : 2004年12月の助成申込書から | ||||
大入島自然史研究会は、2005年から2006年にかけて、大入島石間浦の調査を行なった。生物相の調査は、海洋無脊椎動物(marine invertebrate)・魚類・海藻について行った。石間浦の海域には、多様な軟体動物(mollusca)・刺胞動物(cnidaria)・棘皮動物(enchinodermata)・魚類・海藻が生息していることが明らかになった。いくつかの種は、九州や大分県の新記録種であった。 「磯草の権利」と呼ばれる慣習について調査し、「磯草」の利用の実態を明らかにした。約13種の海藻が食用や生活用品として利用されており、約30種の貝類が食用として利用されていることが分かった。「磯草の権利」は地域の自然に根差した、実態のあるものであることが確認された。 豊かな自然と、それを利用する住民が存在することは、現代の社会において大きな意味を持っている。持続可能な社会のあり方を考証するための良き見本に石間浦はなると考えられる。 そのため、現在計画されている石間浦の埋立計画(大分県の事業)は、回避されるべきであると考えられる。 大入島自然史研究会は研究成果の報告書を出版し、自然や文化の写真を集めたCDやパンフレットを作ることによって、石間浦の素晴らしさを社会に広く伝えていく予定である。 | ||||
研究の成果:2006年4月の完了報告から | ||||
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