高木仁三郎市民科学基金は、第4回(2005年度)助成先を決定しました


2004年11月の募集開始以来、書類選考、2月の公開プレゼンテーションを経て、高木基金は第4回の助成先を決定しました。会員の皆様を始め、関係各位の厚いご支援・ご協力に感謝し申し上げます。2005年度の助成先は別掲の一覧表をご覧下さい。

今回は、国内枠の助成へ38件、応募総額は4,193万円(うち研修助成 3件、300万円)の応募があり、選考の結果 14件 計765万円(うち研修助成 1件 60万円)の助成を決定しました。

また、アジア枠の助成には12件の応募がありましたが、このうち2件 計90万円の助成を決定し、国内・アジアを合わせた今年度の助成総額は、855万円となりました。

2001年の助成開始以来の累計では、国内枠が、のべ52件3,490万円、アジア枠が、のべ8件 490万円で、合計金額は3,980万円となりました。

今回の応募には、環境保全、生態系調査、健康、教育、核・原子力をめぐる問題など多岐にわたるテーマが寄せられました。平和で持続可能な世界を子や孫の世代に伝えるために、国家や産業・企業利益の視点からではなく、国境を越えた地球市民の視点から現代社会が直面する危機的状況を的確に分析し展望を見いだしていく作業が求められています。

肩書き社会の日本では、職業研究者ではない一市民が調査研究をしようとしても助成財団から資金を得るのは容易ではありません。ましてや国策や企業活動に鋭いメスを入れるテーマに助成金を出す財団を見つけるのは非常に困難です。

高木基金では、他財団からは助成を得にくい、このような市民社会への脅威となる問題に積極的に取り組み、展望を切り拓こうとする意欲的な人々を広く発掘し助成したいと願っています。高木基金の助成金の原資は会費・寄付であり、いわば市民資本を基盤としているため、一般の助成財団のように潤沢な基金があるわけではありません。年間1000万円規模の助成を続けることを目標に高木基金自身が、市民のための社会を創造する活動の一環として助成活動を展開しています。

選考にあたっては、選考委員会で書類選考し、選ばれた助成候補者のうち応募金額50万円以上の方を公開プレゼンテーションに招き各テーマについて発表してもらい、会場から質問や意見をうけて討論をおこない、その議論を踏まえて高木基金理事会で助成者を最終決定します。助成研究については次年度に成果報告会をひらきますが、成果をどのようは方法で市民社会に還元するかが重視されるところです。助成する側とされる側が相互に交流をはかりつつ、よりよい助成をめざしたいとおもいます。

今回も様々の応募がありましたが、テーマ自体は重要なものでも残念ながら高木基金の助成目的には添わないもの、他の財団等への応募が適切と思われるものも少なくありませんでした。応募の際には、ぜひ事前に事務局にご相談ください。また高木基金について関心、ご意見をお持ちの方も、どうぞ事務局へご連絡ください。

市民一人一人の視点で安全、人権、環境、経済、平和にかかわる問題に鋭く切り込む市民科学者を一人でも多く生み出し育て支援するために、今後ともご意見ご支援をよろしくお願いいたします。

高木仁三郎市民科学基金事務局長
高木久仁子

【第4回助成 応募・選考のまとめ】

・助成予算2004年度 国内 向け 800万円 アジア向け 200万円
・募集期間
国内向け調査研究助成 2004年11月1日〜12月10日
国内向け研修奨励    2004年11月1日より随時
アジア向け調査研究助成・研修奨励 2004年4月より随時
・応募件数
国内から38件  応募総額 4,193万円
 内  調査研究    35件 3,893万円
     研修奨励      3件  300万円
アジアから12件 (問い合わせのみのものを含む)
・書類選考2005年2月1日、選考委員会にて書類選考を実施。
・最終選考2005年2月27日、東京南部労政会館会議室にて公開プレゼンテーション
を開催。その後の理事会で、助成先を決定。
・初年度から
の累計
国内向け調査研究助成  43件 2,925万円
国内向け研修奨励       9件   565万円
アジア向け調査研究助成 7件   440万円
アジア向け研修奨励   1件   50万円

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