高木仁三郎市民科学基金は、第6回(2007年度)助成先を決定しました。

2007年3月15日

高木仁三郎市民科学基金事務局長
高木久仁子

第6回(2007年度)助成は、これまでと同じく国内向け800万円、アジア向け200万円合計1,000万円の予算枠で募集を行ない、全体で40件、4,376万円分の応募がありました。これに対し、去る1月22日の選考委員会で書類選考の後、2月18日の公開プレゼンテーションを経て、会場からのご意見なども勘案のうえ、今般、理事会で2007年度助成先を決定いたしました。

(応募・助成件数などは下記 まとめ を、具体的な助成先の明細は、別途 一覧表 をご覧ください。)

今回も核・原子力、エネルギー、開発、大気汚染、災害、廃棄物、環境破壊、自然保護、健康、福祉、食の問題などと幅広い分野からの応募がありました。意欲的な若い人々からの応募も目をひき、今回の助成をバネに市民科学者としての成長が期待されます。  

また、高木仁三郎市民科学基金では、特定プロジェクト向けの寄付をおねがいし、上記の一般公募の助成とは別枠で、委託研究をすすめて来ました。2007年度も、2006年5月からスタートした「核燃料サイクル政策への市民科学アプローチ」を引き続き実施します。昨第5回助成の「六ヶ所再処理工場からの放出放射能に関する調査研究」は、ひき続き来年度の「核燃料サイクル政策」研究の一環として、助成金100万円の枠で、従来のプロジェクトと連携をとりつつモニタリング調査を続けることになりました(詳しくはこちら)。また、今年活動を開始した「地震と原発」プロジェクトも150万円の助成枠で委託研究として来年度も続行します。こちらへのご支援も続いてどうぞよろしくお願いします。

高木仁三郎市民科学基金は、平和で持続可能な世界の実現をめざし、未来に希望を創りだしたいと調査研究、研修を行う意欲ある人々へ、限られた予算ではありますが、資金面から応援することを目的とした組織です。市民社会が直面するさまざまな問題に、具体的で堅実なプランを提示、展望を示し、こうしていきたい、という意欲ある応募者を求めています。調査研究・研修の結果は、報告書提出で完了というのではなく、その成果をいかに市民社会へ還元できるか、社会にインパクトを与えることができるかに着目して、選考はおこなわれます。アカデミックな論文作成のための調査研究や、他の助成団体への応募が相応しいと思われるものには助成しません。 助成研究の成果が市民社会に寄与することが、期待されるところです。

昨年、高木仁三郎市民科学基金は認定NPO法人となり、寄付金控除の対象となりました。その効果もあり、喜ばしいことに今年度は助成金額を大きく上回る会費・寄付が寄せられています。基金を支えてくださる会員をはじめ関係各位の皆様の篤いご支援・ご協力に深く感謝申し上げます。

理事会、選考委員会、会員そして助成を受ける皆さんと互いに協力しながら、市民一人一人の視点から安全、人権、環境、経済、平和にかかわる問題に取り組む市民科学者を一人でも多く生み出し、地球の未来をとりもどすための活動の一翼をこれからも担いつづけていきたいと思います。今後ともご支援をよろしくお願いいたします。


【第6回助成 応募・選考のまとめ】

・助成予算国内 向け 800万円 アジア向け 200万円
(予算上は2006年度に計上しています。)
・募集期間
国内向け調査研究助成  2006年11月1日〜12月10日
国内向け研修奨励・アジア向け調査研究助成・研修奨励 
                     2006年4月より随時
・応募件数
国内から          36件  応募総額 3,919万円
 内  調査研究    34件       3,755万円
    研修奨励      2件        164万円
アジアから     4件       457万円
・書類選考2007年1月22日、選考委員会にて書類選考を実施。
・最終選考2007年2月18日、文京区民センター会議室にて公開プレゼン
テーションを開催。その後の理事会で助成先を決定。
・初年度からの累計
国内向け調査研究助成   66件  4,235万円
国内向け研修奨励        11件    680万円
アジア向け調査研究助成  10件    590万円
アジア向け研修奨励    1件    50万円
合計           88件  5,555万円

※ 国内枠研修奨励およびアジア枠については、一年を通じて助成申し込みを受け付けているため、年度末までに助成先が増える可能性もあります。



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