高木仁三郎市民科学基金 助成研究の概要 (2007-08年度実施分)


グループ名:北限のジュゴンを見守る会
代表者氏名:鈴木 雅子さん
研究テーマ:市民による沖縄のジュゴン保護の
ための野外調査、文化調査と
それに基づく保護ロードマップの
提案
 助成金額:50万円

研究の概要:2007年12月の助成申込書から
 途中経過:2008年 9月の中間報告から
<参考>
助成先のウェブサイト: http://sea-dugong.org/
これまでの助成研究:2007年度実施分

研究の概要 : 2007年12月の助成申込書から

世界の分布の中で最も北に生息する沖縄のジュゴンはその数わずか数十頭と言われ、国の天然記念物としてまた絶滅危惧種として厳正に保護されなければならないが、米軍再編に関わる日米安保体制の中で、その最も重要な生息地に新たな米軍基地の建設という脅威に曝されている。この沖縄のジュゴンの保護のためには、すでに再発見されてから10年かけても有効な保護策の打てない国に任せるのではなく、地元市民が主体となって保護策を講じなければ近い将来絶滅するのは明らかである。そのためにはまず、莫大な予算をかけて調査した国の調査を検証し、世界のジュゴンの研究の中から生息条件や生態の上で類似する東南アジアの保護策から学びつつ地域に適した保護方策を模索し、市民自身が担って行くことである。本申請研究では、現地でこそ実現可能なジュゴン保護のためのロードマップを描くために必要な各種データを収集することを目的として以下の活動および調査を行なう。

1)保護活動の先行事例と地域文化について文献調査。

2)ジュゴンの生息環境についての野外調査によるモニタリング手法の改良。

3)持続的な調査への協力を得、また有効な保護方策の受容を可能にするために必要な地域住民の啓発活動。

4)ガイドブックの再編集:日常的にできる調査・保護活動の方法及びトレーニング方法などについては2007年度末にまとめるが、未だ課題も多く更なる知見を蓄積し、最終的には地元住民とジュゴンとの共存可能な社会へのロードマップを提案する。

ジュゴンの食み跡


辺野古漁港沖1.5kmで沈没、
油を流出した水陸両用車
(2005.June)



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 途中経過:2008年9月の中間報告から

日常的にできる調査・保護活動の方法を手引きとして小冊子(食跡調査ハンドブック)にまとめたが、未だ課題も多く、更なる知見を蓄積し、最終的には地元住民とジュゴンとの共存可能な社会へのロードマップを提案する。

また、地元市民だけではなく、「本土」からもジュゴン保護に関心のある市民の調査への参加を積極的に評価し、下半期は、海底マップを元に的確なデータの収集とその解析、および聞き取り・文献調査を進めて行く。漁民、市民からの意見収集による知見を活かし、ガイドブックをさらに的確なジュゴン保護に向けたツールとして、より多くの市民がジュゴン保護活動に参加できる仕組みを構築する。

ジュゴンクイズ


夏の観察会


食跡調査

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