高木仁三郎市民科学基金 助成研究の概要 (2004年度実施分)


グループ名:原子力資料情報室
代表者氏名:伴 英幸さん
研究テーマ:維持基準の原発安全性への影響に関する研究
 助成金額: 90万円

研究の概要:2003年12月の助成申込書から
研究の成果:2005年4月の完了報告から

<参考>
助成先のウェブサイト:http://cnic.jp
これまでの助成研究:2003年度実施分
 その後の助成研究:2005年度実施分

研究の概要 : 2003年12月の助成申込書から

【背景】 東電の損傷隠し事件を契機として、維持基準が導入され、今後、原発の運転継続に必要な健全性が、この基準で評価されることとなったが、当室は、維持基準による健全性評価は原発の安全余裕を切り詰めるものだと指摘してきた。

【経過・成果】 柏崎刈羽原発設置許可取り消し訴訟において、共同研究者の井野博満が応力腐植割れの問題で証言した(8/31主尋問、10/12反対尋問、訴訟は2005年2月に結審)。美浜原発3号炉の事故に際しては、事故現場の検証を行い、国側の事故調査委員会などの情報を収集・分析し、公開研究会で報告するとともに、当局とのやりとりの経過を原子力資料情報室通信やwebサイトで随時発信した。また、一般向けのブックレット『老朽化する原発−技術を問う』を発行した。

【今後の展望】 @ブックレットでとりあげた個々のテーマについてのさらなる調査・分析。昨年は、柏崎刈羽原発の裁判の準備として、沸騰水型炉のシュラウドと再循環系配管のひび割れ(ステンレス鋼製の機器・配管の応力腐食割れ)に精力的にとり組んだが、これに続くテーマとして原子炉の中性子照射による脆性破壊の問題を研究している。原発運転の長期化によって、照射脆化がすすんでいくことが予想されているが、それを監視するための手段すら確立されているとは言えないのが現状で、脆性遷移関連温度などのデータの分析、原子炉破壊事故がおきうるシナリオについての解析などを行なう。 Aブックレットの内容をより多くの人に知ってもらうための「出前講座」の準備。 B浜岡原発運転差し止め訴訟への協力。現在、裁判所による「検証」の準備がすすめられており、検証すべき場所・機器・事柄についての示唆・検討を行なっている。

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研究の成果:2005年4月の完了報告から
◆ 完了報告書PDF 521KB ◆ 会計報告 PDF 50KB


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