高木仁三郎市民科学基金 助成研究の概要 (2005年度実施分)


グループ名:内モンゴル沙漠化防止植林の会
代表者氏名:ボリジギン・セルゲレンさん
研究テーマ:内モンゴル沙漠化防止に取り組む
日本の植林団体に関する調査研究
 助成金額: 40万円

研究の概要:2004年12月の助成申込書から
 途中経過:2005年10月の中間報告から

<参考>
助成先のウェブサイト:http://www2.neweb.ne.jp/wd/sergelen/desert.html
これまでの助成研究:2004年度実施分

研究の概要 : 2004年12月の助成申込書から

内モンゴル自治区で植林を実施する日本の植林団体(NGO、NPO)を対象に、聞き取り張を実施する。日本国内において、団体の事務所を訪ね、植林実施の背景、方法、規模などを伺う。そして、団体が実施する現地へ赴き、現地住民、関係者などからも団体の植樹について聞き取り調査を行う。

二箇所での聞き取り調査に基づいて、下記のような問題点に注目し、検証する。
1. 日本の植林団体が実施する植林事業を現地住民、関係者はどのように受け止めているか?
2. 現地の人々は砂漠化防止植林に対して、どのような考えを持っているのか?
3. 日本の団体が実施する事業に現地の人々の考えは反映されているのか?
4. 日本の団体が掲げる信念、実施ビジョンは、現地で理解され、実施されているのか?

砂漠化防止植林、無償支援は現地住民や政府が願ってもない有益な事業である。しかし、実施方法や苗の選択などによって、現地の生態圏を変え、逆に悪影響を生じさせ、地下水位の低下、土地のアルカリ化などの問題が決してないとは言い切れません。

今回の調査研究を通じて、植林実施団体に長期的な目で科学的に計画を立て、植林が影響与えるであろう、あらゆる関連を精査して行動する、自己点検のきっかけを作れるようになればと思うのである。

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途中経過:2005年12月の中間報告から

昨年に続き今年はこの調査研究で主に、日本の植林NGOの現地協力者としての現地住民へお聞き取り調査に焦点を当てた。と言うのは今まで、農作物の手入れ時期などに重なり、または協力者の特定が出来ないまま十分な調査が出来なかったからである。

今回の調査研究において、二回現地に聞き取り調査を実施し、延べ60人を対象に聞き取りを実施した。

・NGOの方々はどの程度あなたたちの実情を知っていると思いますか?
・NGOスタッフが現地駐在の際、この地域で聞き取り調査を実施しましたか?
・駐在員の駐在時間と活動範囲は?
・あなたはNGOの活動趣旨を理解していますか?
・何故NGOはここで活動していると思いますか?
  ・・・・・・

一連の質問の回答をまとめると、多くのNGOは沙漠化防止のための緑化という環境保全を目的とする活動そのもの方向性は理に沿った活動であることは疑う余地もないが、事業のパッケージとしてNGO側から予め用意された決め細かい計画は現地住民が望むものとかけ離れている傾向が多いことがわかった。ここで、現地住民の望む環境保全と大義名分の環境保存との関連性について、詳細に述べなければならないが、当調査研究では当分現地住民を主体とする環境保全、人を第一にした支援を正当なものと見なす。と言うのは、いくら第三者的に環境保全を行っても、現地住民の支持、支援なしには活動の機能が十分発揮出来ないということと、人を第一にした環境保存こそが根本的な環境保存に繋がると見るからである。双方は矛盾するものではない。

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