高木仁三郎市民科学基金 助成研究の概要 (2006年度実施分) |
グループ名:たまあじさいの会 代表者氏名:濱田 光一さん 研究テーマ:日の出町エコセメント製造工場の 環境への影響調査
助成金額: 70万円研究の概要:2005年12月の助成申込書から 途中経過:2006年10月の中間報告から 結果・成果:2007年4月の完了報告から |
調査の様子 |
研究の概要 : 2005年12月の助成申込書から |
東京都三多摩地区380万人の巨大なゴミ最終処分場を二つ抱える日の出町、それに隣接する青梅市は、処分場からの汚染が現実化している。「多摩あじさいの会」ではこの汚染の実態調査活動に取り組んでいる。活動の基本的な方針としては、
第一次の活動として1998年〜2002年に「処分場からの焼却灰の飛散」の実態解明に取り組んだ。
第二次の活動として2003年〜「エコセメント製造工場の周辺地域への環境汚染の実態調査」に、取り組んでいる。
私達は、現在の汚染の事態解明と共に未来世代へ希望を託しつなげる思いをもち活動に取り組んでいる。 |
途中経過:2006年10月の中間報告から |
日の出町ゴミ最終処分場内には、東京都三多摩地区390万人の日々の生活から排出される、ゴミの焼却灰を主原料とするエコセメント製造工場が建設され、7月より稼動しました。私たちは、有害な重金属や化学物質を含んだ施設からの排気、膨大なエネルギー使用による放熱などによる、周辺環境の汚染と住民の健康や命への影響を懸念しています。 「たまあじさいの会」は、1998年の発足以来、2002年の三年間は、<処分場からのゴミ焼却灰飛散の実態調査>に取り組みました。ほぼ、飛散の実態を究明し、地域住民や関係機関に公表・報告しました。調査活動は、焼却灰飛散の抑止効果を果たしました。 2003年3月より、エコセメント製造工場を発生源とする環境調査に取り組んでいます。2006年6月までは、<製造施設稼動前の周辺環境の実態調査>に下記の内容で継続的に取り組み、現在は、稼動前の実態調査のデータのまとめと報告書の作成に取り組んでいます。
7月より、製造施設稼動後の周辺環境の調査活動を開始しました。
私達は、現在の汚染の事態解明と共に未来世代へ希望を託しつなげる思いをもち活動に取り組んでいる。 |
結果・成果:2007年4月の完了報告から | |||||
2006年9月の東京地裁八王子支部での「日の出処分場操業差し止め訴訟」の判決では、全体としては住民の敗訴であったが、処分場からの周辺環境への汚染として地下水の汚染と埋め立て時のゴミ焼却灰の飛散を認めざるを得ない内容が含まれていた。第一次のたまあじさいの会が取り組んできた「焼却灰の飛散」の実態が採り入れられていた。 しかし、日の出町の処分場内には、2006年7月巨大な「エコセメント」製造工場が建設され本格稼動が開始された。今後、20年間に亘り、年間310日、24時間操業され、毎月平均約7,000tの焼却灰を処理して約10,000tのエコセメントを出荷する予定とされている。
私たちは、工場からの排気ガスなどによる累積的な周辺環境や人々への影響を懸念している。 調査活動としては、工場周辺の植物、野鳥、水生昆虫、土壌、気象などの継続的調査に取り組んでいる。現在は、工場稼動前の調査データのまとめと報告書作成にも取り組んでいる。 広報・学習・交流活動としては、地域の方々と共に市民環境問題講演会やエコセメント工場説明会の開催、各地のゴミ処分場問題を考える住民との交流、大学の環境ゼミなどのフィールドワークとしての活用、専門家や研究者との学習などに取り組んでいる。
「たまあじさいの会」の調査活動は、下記のような方針と目標で取り組んでいる。
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