高木仁三郎市民科学基金 助成研究の概要 (2006年度実施分) |
グループ名:六ケ所再処理工場放出放射能測定プロジェクト 代表者氏名:古川 路明さん 研究テーマ:六ケ所再処理工場からの放射能放出に関する調査研究 助成金額:120万円 研究の概要:2005年12月の助成申込書から 途中経過:2006年10月の中間報告から 結果・成果:2007年4月の完了報告から <参考> これまでの助成研究:2004年度実施分 その後の助成研究:2008年度実施分 |
研究の概要 : 2005年12月の助成申込書から |
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途中経過:2006年10月の中間報告から |
六ヶ所再処理工場は、2006年3月31日に実際の使用済み燃料を使ったアクティブ試験を開始しました。海洋へ、大気中へと放射能の放出が始まっています。全体で5つの段階のある試験は現在第1ステップを終了し、第2ステップに進んでいます。試験全体では工場フル操業時の半分の約430トンの試料済み燃料が再処理される予定になっています。 放出放射能には日本原燃の管理目標値が設定されていますが、英仏の再処理工場の稼働実態から、今後六ヶ所再処理工場周辺の放射能汚染問題の深刻化が予想されます。稼働前の工場周辺の環境放射能を測定したデータがなくては、汚染状況の実態を科学的に証明することも難しくなると考えられます。 私たちの研究の目的は、稼働前の放射能データを取り基礎データとして、今後も工場周辺の環境放射能を市民の手で測定・評価することです。そのため2005年産(2006年産は入手中)の米、松葉を六ヶ所村内で採取しました。一方対照データ取得のために、千葉県三里塚の米(2005年産、2006年産),新潟県の米(2005年産)も採取した。これらの試料で炭素14を測定中です。 ガンマ線核種については、六ヶ所村内の松葉、海岸の砂について測定が別途行なわれており、これらの測定データも合わせて総合的に評価・検討する予定です。 米の試料入手、測定データの公表については、様々な問題のあることを痛感しています。当然測定データの公表を前提に各農家の方々に協力いただいていますが、測定値の評価、公表の方法等、慎重に検討・実施する必要があると考えています。 |
結果・成果:2007年4月の完了報告から | |||||
・ 本研究は、六ヶ所再処理工場の日常運転によって放出される放射能が、工場の周辺環境にどのような影響を与えるのか、その実態を把握することにある。今年度は工場のアクティブ試験前のデータ採取を目的とし、海水中のトリチウム、米、松葉の炭素14を中心に試料測定を行った。 ・ 測定結果は、アクティブ試験開始前のデータであるので、バックグラウンドに対して有意な値を示すものはない。 ・ この測定によって、アクティブ試験試験開始前のトリチウム、炭素14についての基礎データを得た。今後の測定データと合わせて検討する予定である。
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