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彩の国資源循環工場による環境汚染調査



グループ名 彩の国資源循環工場と環境を考えるひろば 2009年度完了報告[pdf9kb]
2009年度完了報告[pdf9kb]
代表者氏名 加藤 晶子 さん
URL http://www.ecohiroba.net/
助成金額 30万円

研究の概要

2008年12月の助成申込書から
 「彩の国資源循環工場」は、埼玉県という行政が全面的に関わる8社からなる産業廃棄物リサイクル工場群です。その敷地は約90haで、ここは約20年前から現在まで、県立の廃棄物埋立て処分場(環境整備センター)もあります。つまり、ゴミの一大総合処理施設です。  行政が関わっていることから地元からも信頼されている一方、周辺住宅地での悪臭の観測、1年前にはクローズドシステムだから絶対出ないとされていた排水から、鉛・ホウ素・ダイオキシン類が排出されていたことが明るみになりました。  そこで、2008年は今まで重視していなかった水質調査を、高木基金の助成を受け、行うことにしました。  地質・疫学をはじめあらゆる廃棄物処理とその影響等について幅広い知識を有する専門家として、関口鉄夫氏の助言をあおぎながら、まずは周辺の地質について調べ、水系図を作り、周辺河川・井戸水・湧水測定を開始しました。  同時に、昨年度から「グリーンアクションさいたま」と共に行っている水生昆虫調査については、今年「たまあじさいの会」での調査方法を採用し、精度が向上しました。  これらのことから、周辺の土地の特徴や河川の現状、新たに環境整備センターからの排水の汚染の可能性が見えてきました。  これを証明するために、さらに綿密な測定が必要なこと、また、水系図の充実、敷地周辺でのさらなる湧水調査が必要なことも、関口氏のアドバイスからわかってきました。  2008度中は、この水質調査の継続と新たな湧水調査をし、水系図の充実をはかります。  2009度には問題点を公表できるように、2008の調査結果から測定箇所等のポイントを絞り、精度の高い測定を目指します。また、廃棄物処理により環境影響を与える項目のうち、人体特に発達過程の子どもに悪影響を与える重金属類と環境ホルモンを加えこれらの影響が当施設群からによるものであることを明らかにしていきたいと考えています。 【 この助成先は、2009年度にも同様のテーマで助成を受けています → 2009年度の助成事例 】

中間報告


(下記の完了報告にまとめて記載されています)

結果・成果

2010年5月の完了報告から
 彩の国資源循環工場は、埼玉県の所有地を借りた9社からなる産業廃棄物処理施設群で、埼玉県環境整備センターという埼玉県の一般ゴミの埋立て最終処分場(約90ha)の敷地内にあり、こちらの影響も考えられることが見えて来た。ここは三ヶ山(みかやま)という三方を山で囲まれた台地であり、周囲からは山で遮られた高台にある。塩沢川という荒川の支流の最上流に位置する。このため、いったん汚染があると、直接的には塩沢川を通じて荒川へ流れ、埼玉県南部と東京都民の水道水の取水地から、人々への影響が考えられる。実際、2006年には、この中のガス化溶融炉(オリックス資源循環)から鉛、ホウ素の汚染漏れがあったことが、翌年に発覚し、ダイオキシン値が基準値を超えた。  三方を山で囲まれているため、ここの地下水、塩沢川の水源はこれらの地山が溜め込んだ雨水であり、多少は地質の影響を受けているものである。  その他、三ヶ山の外側で廃棄物埋立てと産廃工場群からの影響が考えられる川は、吉野川、五の坪川(深沢川)、兜川(小川町)。  そこで、周辺の河川と地下水の現在の特徴を知るためにオクタダイアグラムを作成し、専門家から講評していただいた。  また、電気伝導度は簡易ではあるが信頼のおける精度の計器で、pHはパックテストより精度の高い比色計で、その他の項目はパックテストで、毎月1回のペースで測った。  これらの結果から、一般廃棄物埋立てまたは産廃工場群のある三ヶ山は、河川や地下水が汚染されているようである。その汚染の原因について、事業者である埼玉県に説明責任がある。  埼玉県でも水質に関しては、一般廃棄物埋立てについて、各環境調査を行っているが、特に環境影響が出ているというインフォメーションはない。

その他/備考


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