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有明海再生を目指した諫早湾の保全生態学的研究



グループ名 2009年度完了報告[pdf17kb]
2009年度完了報告[pdf17kb]
代表者氏名 上杉 誠 さん
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助成金額 20万円

乾燥した諫早湾の泥干潟で見られたハイガイの死殻(1997年8月・佐藤慎一撮影)

有明海における採泥調査風景(2009年6月・時津良治氏撮影)

研究の概要

2008年12月の助成申込書から
 有明海では、諫早湾干拓事業による生態・環境への悪影響が、干拓調整池内はもちろん、堤防外側の広範囲の海域にも及んでいる。  申請者は、諫早湾干拓問題に対して市民科学者として取り組むため、長年に渡りこの問題に科学者として研究・普及活動を続けておられる東幹夫・長崎大学名誉教授に教えを請い、有明海採泥・採水調査のノウハウや、底生生物の高次分類群ソーティング作業のスキルを譲り受ける。  そして、東先生の研究グループが潮止め後11年間も続けてきた有明海採泥・採水調査を、今後も途切れることなく継続できるように、調査体制の基盤整備をはかる。  本研究では、2009年6月にも潮受け堤防の内側と外側の海域約80定点を対象にして、採泥・採水調査を実施する予定である。  同様の調査は、潮受け堤防締め切り前の1997年3月から11年間で計30回以上も行われており、蓄積された科学的データを基に、有明海再生に対して具体的な政策提言を行い、農水省などに対して中長期開門調査の実施をせまる。  本研究により得られた成果は、水門開放後に行われる調査に対して、同様の精度で比較できる開放以前の基礎データを供給できるという点で、本研究は非常に重要である。  申請者は、これら東先生の実績をも受け継ぐことで、市民科学者として諫早湾干拓問題に真剣に取り組んでゆきたい。

中間報告

2009年10月の中間報告から
 有明海では、諫早湾干拓事業による生態・環境への悪影響が、干拓調整池内はもちろん、堤防外側の広範囲の海域にも及んでおり、大きな社会問題となっている。しかし、政府は今まで干拓工事の影響を否定してきており、有明海異変への根本的な対策については議論すら行われていなかったのが現状である。  今回の研修は、この干拓事業問題に関して長年研究活動を続けておられる東幹夫・長崎大学名誉教授に教えを請い、有明海採泥調査・採水調査のノウハウや、底生生物の高次分類群ソーティング作業のスキルを譲り受けることを目的としている。そして、東先生らの研究グループが潮止め後12年間続けてきた採泥・採水調査の継続調査を行い、過去30回以上の調査で蓄積された科学的データを基に、有明海再生に対して具体的な政策提言を行い、農水省などに対して中長期開門調査の実施をせまる。  既に申請者は諫早湾干拓事業による生態・環境への影響の調査を行うため、6月14日〜16日の3日間、有明海にて採泥・採水調査を行った。初日は小型漁船を借りて干拓調整池内にて20定点、残り2日間は中型漁船を借りて、有明海奥部〜中部にかけての50定点調査を行った。調査日程中、地元NPOの方々とお話しする機会があり、現在の漁業関係者の状況や、係争中の裁判の話などを伺うことができた。  現在は、東北大学にて底生生物のソーティング作業を継続的に行っている。月1回のペースで東先生に岩手県雫石町より5日間程度、東北大にお越しいただいていて、ソーティング作業のノウハウを教えていただいている。

結果・成果

2010年5月の完了報告から
 有明海では、諫早湾干拓事業による生態・環境への悪影響が、干拓調整池内はもちろん、堤防外側の広範囲の海域にも及んでおり、大きな社会問題となっている。しかし、政府は今まで干拓工事の影響を否定してきており、有明海異変への根本的な対策については議論すら行われていなかったのが現状である。  今回の研修は、この干拓事業問題に関して長年研究活動を続けておられる東幹夫・長崎大学名誉教授に教えを請い、有明海採泥調査・採水調査のノウハウや、底生生物の高次分類群ソーティング作業のスキルを譲り受けることを目的としている。そして、東先生らの研究グループが、潮止め後12年間続けてきた採泥・採水調査の継続調査を行い、過去30回以上の調査で蓄積された科学的データを基に、有明海再生に対して具体的な政策提言を行い、農水省などに対して中長期開門調査の実施をせまる。  申請者らは、諫早湾干拓事業による生態・環境への影響の調査を行うため、2009年6月14日〜16日の3日間、有明海にて採泥・採水調査を行った。初日は小型漁船を借りて干拓調整池内にて20定点、残り2日間は中型漁船を借りて、有明海奥部〜中部にかけての50定点調査を行った。調査日程中、地元NPOの方々とお話しする機会があり、現在の漁業関係者の状況や、係争中の裁判の話などを伺うことができた。  その後、東北大学にて底生生物のソーティング作業を継続的に行った。月1回のペースで東先生に岩手県雫石町より5日間程度、東北大にお越しいただいていて、ソーティング作業のノウハウを教えていただくことで、高次分類群レベルでの同定をマスターした。そして、卒業研究では潮止めから10年後(2007年6月)における有明海全域107定点の水質・底質・底生生物の分布パターンを調べて、過去10年間に見られた環境・生物相の急激な変化を明らかにした。

その他/備考


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