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汚泥堆肥化施設周辺の落下菌調査



グループ名 三浦の自然と大村湾の環境を守る会 研究成果発表会配布資料[pdf]
研究成果発表会配布資料[pdf]
代表者氏名 野田 智子 さん
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助成金額 10万円

落下菌調査の様子

研究の概要

2009年12月の助成申込書から
 大村市西部町(三浦地域)は山頂を涵養域とした湧水と河川水に依存し農業を営んできた。閉鎖性海域である大村湾に注ぐ江川の河口では代々漁業を営む集落もある。  しかし、平成17年末に山頂に産廃のリサイクル施設(下水汚泥の堆肥化)ができ、大気や水を介して周囲の環境に多大な悪影響を被ることが予想されるため、住民はいずれ生活ができなくなるとして激しく反対し、操業開始前に操業差し止めの訴訟を起こした。  平成18年12月に業者は操業を開始、その後一審は住民敗訴であった。現在、福岡高裁で二審係属2年目である。  住民は同事業者が全国展開する他府県の同型施設を調査するなどし、当地で予想される汚染被害を法廷で主張してきたが、操業が本格的になるにつれ、果たして汚染は予想のとおりとなり、予想外の影響も出てきている。  平成20年度、貴基金の支援を得、悪臭、水質、風況など訴訟の進行上求められる様々な調査を行い、専門家によるアドバイスもいただいた。  各調査は現在も継続しており、今後も継続していくが、来年度の調査活動の一つとして、堆肥化施設から漏れ出る気体や粉塵などに伴い飛散する菌の採取によって、周辺環境への影響を調べる「落下菌調査」を実施する。 【 この助成先は、2008年度にも同様のテーマで助成を受けています → 2008年度の助成事例 】

中間報告

2010年10月の中間報告から
 当地区山頂の下水汚泥堆肥化施設(産廃施設)は、高温菌を用いて下水汚泥を堆肥化するもので「密閉型で周囲に汚染物質の漏洩・飛散は無い」との計画で操業を開始したが、実際には汚物の漏洩・飛散が明らかであり、周辺住民は悪臭被害で大変苦しんでいる。  堆肥化施設から漏れ出る気体や粉塵などに伴い飛散する菌(落下菌)の採取を行い、周辺環境への影響を調べた。調査の実施には培地づくりの基礎から佐賀大学農学部の染谷孝准教授に指導をいただいた。  2009年に数回行った同様の調査で、明らかな結果を得るための実施条件がかなり絞られてきた。 1)バックグラウンドに浮遊する自然界の菌がほとんどいない真冬の実施が望ましい。 2)降雨が少しでもあると調査不可。風速4m/s以上は調査不可。 3)採取ポイントは、上部が開放であり車輌の走行による巻き上げなどの影響を受けない場所。地表面から1m程度離す。  1)2)の条件があるため、実施は1月と2月の2回、天候を慎重に選んで実施した。  採取ポイントは施設を中心に半径2km(悪臭が届いている範囲)を目安に約30か所設定し、1か所あたり(1)一般細菌用にNA培地2個、(2)高温菌採取用にNA培地2個、(3)大腸菌・大腸菌群採取用にCA培地2個の計6個のシャーレを15分間開放して落下菌を採取した。シャーレ開放時の風向・風力も記録した。採取後のシャーレは速やかに梱包し(結露防止のため逆さにした)クール宅急便で10℃以下を保って佐賀大学に発送。染谷研究室にて培養した後、細菌・放線菌・糸状菌・大腸菌・大腸菌群の各コロニーをカウントして施設との関連を調べた。

結果・成果


 当地区(長崎県大村市三浦)山頂の下水汚泥堆肥化施設(産廃施設)は、高温菌を用いて下水汚泥を堆肥化するもので「密閉型で周囲に汚染物質の漏洩・飛散は無い」との計画で操業を開始しましたが、実際には汚物の漏洩・飛散が明らかであり、周辺住民は悪臭被害で大変苦しんでいます。  堆肥化施設から漏れ出る気体や粉塵などに伴い飛散する菌(落下菌)の採取を行い、周辺環境への影響を調べました。調査の実施には培地づくりの基礎から佐賀大学農学部の染谷孝准教授に指導をいただきました。  2009年に数回行った同様の調査で、明らかな結果を得るための実施条件がかなり絞られてきました。 1)バックグラウンドに浮遊する自然界の菌がほとんどいない真冬の実施が望ましい。 2)降雨が少しでもあると調査不可。風速4m/s以上は調査不可。 3)採取ポイントは、上部が開放であり車輌の走行による巻き上げなどの影響を受けない場所。地表面から1m程度離す。  1)、2)の条件があるため、実施は1月と2月の2回、天候を慎重に選んで実施しました。  採取ポイントは施設を中心に半径2km(悪臭が届いている範囲)を目安に約30か所設定し、1か所あたり(1)一般細菌用にNA培地2個、(2)高温菌採取用にNA培地2個、(3)大腸菌・大腸菌群採取用にCA培地2個の計6個のシャーレを15分間開放して落下菌を採取しました。シャーレ開放時の風向・風力も記録しました。採取後のシャーレは速やかに梱包し(結露防止のため逆さにした)クール宅急便で10℃以下を保って佐賀大学に発送。染谷研究室にて培養した後、細菌・放線菌・糸状菌・大腸菌・大腸菌群の各コロニーをカウントして施設との関連を調べました。  2回とも、いくつかのポイントで細菌・放線菌・糸状菌・高温菌・大腸菌・大腸菌群のコロニーが認められましたが、この調査では、施設との関連は明らかになりませんでした。

その他/備考


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