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六ヶ所再処理工場からの放射能放出に関する調査研究



グループ名 六ヶ所再処理工場放出放射能測定プロジェクト 研究成果発表会配布資料[pdf]
代表者氏名 古川 路明 さん
URL
助成金額 80万円

研究の概要

2009年12月の助成申込書から
 六ヶ所再処理工場の事業許可文書では、住民の被ばく量が計算され、年間約22マイクロシーベルトとされている。この値は、被曝モデルと係数等を使った計算値でしかない。さらに問題は、国や日本原燃が、放出放射能の環境への蓄積を一切考慮していないことだ。現実に運転される再処理工場からは、日常的に放射能が放出され、環境に蓄積し、環境や人間を汚染してゆく。このような事実を明らかにするためには、環境試料を実際に測る必要がある。  しかし放射能の測定には高価な測定機が必要とされ、市民が直接測定活動を行うことは大変難しい。六ヶ所再処理工場放出放射能測定プロジェクでは、環境試料の採取、測定を、市民と共同研究者の協力によって実現する試みである。一部測定方法が限定される放射能については、委託測定を実施する。測定対象核種は、β線(海砂、松葉)、トリチウム(大気中、海水)、炭素14(米、松葉)である。

中間報告

2010年10月の中間報告から
 六ヶ所再処理工場のアクティブ試験は、09年1月以来ガラス固化建屋の高レベル廃液漏えい事故により停止中です。そのため使用済み燃料のせん断は行われていないので、主排気塔からの希ガス、トリチウム、ヨウ素等の大量の放出は行われていません。一方再処理工場としての運転機能は維持する必要があるので、各種廃棄物の処理等が気体廃棄物処理建屋、液体廃棄物処理建屋、固体廃棄物処理建屋で実施されていて、小さいほうの2本の排気塔と海洋放出管から放射能の放出は行われています。工場が停止中でも、再処理工場では原発とは比べものにならない日常的な放射能の放出が続いています。(日本原燃の環境モニタリングの10分ごとのリアルデータは下記アドレスで確認できます。http://www.jnfl.co.jp/monitoring/shaft.html)  本研究の実施計画に基づき、松葉、米の採取を行い、炭素14の加速器質量分析を実施中です。また、松葉・海砂のガンマ線測のための採取を実施し、共同研究者が測定中です。  2010年9月、日本原燃は六ヶ所再処理工場の竣工予定を2010年10月から2012年10月に2年間延期すると公表しています。ガラス固化施設の事故が最大の理由です。今後の工場の運転については、さらに不透明になりました。このような状況ですが、六ヶ所村にある環境科学技術研究所の調査によって、六ヶ所村内の住民の食事からのヨウ素129測定値の上昇が確認されています。日本原燃、県、各研究機関の測定データ等との比較検討も重要な作業となってきました。

結果・成果


 この研究は、六ヶ所再処理工場の放出放射能を住民が監視するための、基礎資料となるものです。  工場の放出放射能のうち、多くの部分を占める炭素14を米のサンプルから、トリチウムを大気中の水蒸気から、さらに松葉・海砂からガンマ線を測定しています。  再処理工場稼働前からのアクティブ試験等の環境データについて、測定を継続することによって再処理工場の環境汚染の実情を市民の視点から解明してゆくことが可能になり、また、測定データを公開することは、国や事業者の測定に対する重要なチェック機能を果たすことができます。  国や事業者、研究機関の測定データについても包括的に収集し、評価検討し、私たちの研究のデータと比較検討も行っています。  今後も、継続的に、工場の稼働状況に合わせて測定試料の採取を行います。国や事業者の測定結果、海外の再処理工場の汚染状況をまとめるとともに、3月11日の福島第一原子力発電所事故の六ヶ所への影響についても検討していきます。

その他/備考


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