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アイヌ民族の権利回復に根ざした海と陸(おか)をつなぐ持続可能な地域づくりに向けての調査研究〜北海道・紋別〜



グループ名 モペッ・サンクチュアリ・ネットワーク 研究成果発表会配布資料[pdf]
研究成果発表会配布資料[pdf]
代表者氏名 畠山 敏 さん
URL http://mopetsanctuary.blogspot.com/
助成金額 30万円

立ち入り調査より。完成した産廃処分場

カムイノミ・イチャルパ(アイヌの先祖供養の儀式)より

モベツ川における水質調査の様子

研究の概要

2011年12月の助成申込書から
 当ネットワークの代表である畠山敏(北海道アイヌ協会紋別支部長)は、長年の漁師としての経験をもとにアイヌ民族の捕鯨の復活に向けての動きをすすめるとともに、紋別におけるアイヌ文化の復興につとめてきました。しかし現在、その活動の拠点でもあるモベツ川の支流水源域に産業廃棄物最終処分場が建設され、2012年度から操業が予定されています。  当ネットワークは、代表である畠山敏の環境保全や民族の権利回復に向けての思いを共有したメンバーが、地域の豊かな自然環境と結びついたアイヌ民族の権利回復と、それに基づく持続可能な地域づくりをすすめるために結成されたネットワークです。当ネットワークでは、この産業廃棄物処分場の建設・操業がモベツ川の河川環境、とりわけ遡上・産卵するサケ・マスに与える影響を明らかにするために、2011年度に高木基金の助成を得て河川環境調査を開始しました。  本年度は、この市民による河川環境調査を継続し、産廃処分場の建設・操業がモベツ川水系の河川環境に与える影響について明らかにするとともに、聞き取り・文献調査などを通じて、古くからアイヌ・コタン(集落)が形成されてきたこの地域のアイヌ民族にとっての歴史的、文化的価値を明らかにしたいと思います。  同時に、長年求めているアイヌ民族の捕鯨権や、モベツ川におけるサケ・マスの資源管理権の獲得に向けての根拠や課題、その獲得プロセスについて調査研究を行い、具体的なアイヌ民族の先住権獲得に向けての動きを加速させていきたいと思います。

中間報告

2012年10月の中間報告から
 北海道の紋別市内を流れるモベツ川の支流、豊丘川の水源域に管理型産業廃棄物最終処分場が建設され、操業が予定されています。この地区は、かつてアイヌ・コタン(集落)が形成されていたアイヌ民族にとって重要な土地であり、現在もモベツ川の河口部では、地元のアイヌ民族によってカムイチェップ・ノミ(サケを迎える儀式)が行なわれています。  当ネットワークは、紋別の自然環境の保全・活用を通して、アイヌ民族の権利回復を推進していくことを目的に結成されましたが、産廃処分場の建設・操業によって地域の自然環境、とりわけアイヌ民族にとって特別な意味をもつ、サケの遡上する河川環境に影響が出ることを懸念しています。  今回の調査は、(1)モベツ川および豊丘川における野生サケの遡上・産卵を立証すること、(2)その水質調査を行なうことで産廃処分場の建設・操業が河川環境に与える影響を明らかにすること、(3)地元住民や関係者からの聞き取り・文献調査から当該地域の歴史的、文化的価値を明らかにすること、を目的として実施しています。

結果・成果

完了報告・研究成果発表会資料より
 本調査研究の直接的な目的は、北海道紋別市内を流れる豊丘川上流部に建設され、操業を開始した産業廃棄物処分場の処理排水が河川にもたらす影響を探ることにありますが、長期的には、調査を通じて地域におけるアイヌ民族の権利回復と地域の環境保全についての新たな知見を得るとともに、一般の意識を向上させていくことを目指しています。  2010年、2011年の調査においても豊丘川を遡上するサケの姿が確認されていますが、2012年11月の調査時においては、増水の影響もあり豊丘川において多数のサケの遡上が確認されました。また、産卵床も確認されており、豊丘川におけるサケの自然遡上・自然産卵が定着していることがうかがえました。野生サケの科学的立証については、100 体程度のサンプルが必要と指摘されており、採捕許可を得ないとサンプルの取得が難しい状況です。しかし、モベツ川においては他機関による野生サケの調査も行われているため、研究者や研究機関の協力を得ながら立証をすすめていきたいと考えています。  水質調査については、2011年度に引き続き、9月および11月にモベツ川およびその支流である豊丘川、元丘川の計6地点で水温、透視度、電気導電率、pH、COD、アンモニア態窒素、亜硝酸態窒素、硝酸態窒素、リン酸態リンなどを計測しました。産廃処分場の操業が2012年8月に開始されていますが、まだ操業間もない時期ということもあり、その影響はみられていません。一方、上流に一般廃棄物処分場があり、中流部にゴルフ場が隣接している元丘川については、COD 値も高く、濁りがみられ、魚影も見られません。新たな産廃処分場の影響の監視とともに、こうした既存の処分場や開発による河川の汚染問題にも対処が必要です。  今後は、産廃処分場の操業が本格化することから、水質調査を継続し監視の目を光らせていくとともに、サケが自然遡上・自然産卵する河川環境の保全が地域にとって持つ価値を広くアピールしていきます。

その他/備考


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