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低線量被ばく回避のための調査研究および原発事故被害者救済政策の形成



グループ名 国際環境NGO FoE Japan 研究成果発表会配布資料[pdf]
代表者氏名 満田 夏花 さん
URL http://www.foejapan.org/
助成金額 40万円

2012年6月20日東京新聞

2013年11月28日「原発事故子ども・被災者支援法」基本方針に関する要望書を平野復興大臣に提出

研究の概要

2011年12月の助成申込書から
 現在、日本政府は年間20mSvを基準とした避難区域を設定しており、来年初頭には現在の避難区域を見直し、帰還準備区域などを設ける予定であることが報じられています。  福島県、福島市は、避難よりも「除染」を優先させ、めどがたたない除染を言い訳に、子どもや妊婦も含め、住民たちは高い線量にさらされている状況にあります。  本調査活動は、特にチェルノブイリにおける経験を踏まえ、低線量被ばくの影響、当時の周辺国の政策およびその効果などの情報を収集整理し、わかりやすい形で発信します。  また、現在、形成されつつある、避難・保養を促進するための全国ネットワークや市民・科学者・法律家などのネットワークを活用して、現在の政策の問題を改善させることをめざします。  さらに、「原発事故被害者救済法」など、原発事故の被災者救援を行うための包括的な法的枠組みや政策を提言し、その実現に貢献します。

中間報告

2012年10月の中間報告から
 FoE Japanでは、年20mSvを基準とした日本政府の避難政策の問題を多面的なアプローチで訴え、20mSv基準を撤回すること、計画的避難区域より広範に、1mSv以上の区域を「避難の権利ゾーン」もしくは「選択避難区域」として、在留者・避難者双方の権利を保障していくことなどを提言してきました。  その一環として、今年5月、チェルノブイリ法の立役者のアレクサンドル・ヴェリキン氏を招聘し、チェルノブイリ周辺国でリグビダートル(原発事故収束作業員)や市民たちが、1mSv以上の区域を「避難の権利ゾーン」として勝ち取ってきた苦闘の歴史やチェルノブイリ法の内容や課題などについて、東京、福島で国会議員や弁護士、市民などを対象とした集会を開催しました。これは、当時立案過程にあった「原発事故子ども・被災者支援法」へのインプットをめざすものでした。  FoE Japanや多くの市民団体の働きかけにより、本年6月「原発事故子ども・被災者支援法」が制定されました。FoE Japanは、複数の市民団体とともに、支援対象地域は、少なくとも被ばく量1mSv以上の地域をカバーすべきという趣旨の提言を行い、国会議員への働きかけを狙った院内集会を開催しました。また、FoE Japanとしてぎりぎりまで「原発事故子ども・被災者支援法」に対し提言を行ってきました。とりわけ、健康診断や医療費の減免は、?験兇砲錣燭辰栃歉擇垢戮、∋劼匹發里澆覆蕕座膺佑眤仂櫃箸垢戮であるとして、署名を集めて提出しました。  「原発事故子ども・被災者支援法」成立後は、「福島の子どもたちを守る法律家ネットワーク(SAFLAN)」とともに、「原発事故子ども・被災者支援法市民会議」を設立し、被災者、支援者、幅広い市民団体の声を同法に反映していくための政策提言活動を行っています。  福島県の健康管理調査に関しては、福島老朽原発を考える会(フクロウの会)とともに、その内容を分析し、厚生労働省、原子力災害対策本部生活支援チーム宛の質問書を提出しました。また、政府交渉を開催し、健康管理調査の内容を小児甲状腺に絞るべきではない、甲状腺の機能をチェックするための血液検査なども実施すべき、A2判定を受けた被検者の継続検査、検査結果の本人への開示、セカンドオピニオンを禁じるべきではないなどの諸点について、政府に申し入れました。  一方で、福島の市民団体とともに、福島県、福島県立医大に対しても、同様の働きかけを行っています。

結果・成果

完了報告・研究成果発表会資料より
 2012年は、原発事故の被災者救援を行うための包括的な法的枠組みをつくることを目的に、低線量被ばくの影響や、チェルノブイリ原発事故後、チェルノブイリ法が形成されていった背景や内容などについて情報収集と発信を行い、原発事故子ども・被災者支援法の制定に貢献しました。具体的には特に下記を実施しました。 1.「原発事故子ども・被災者支援法」  FoE Japanは原発事故子ども・被災者支援法の制定過程でさまざまなインプットを行いました。5 月にはチェルノブイリ法制定の立役者であり、元リクビダートル(事故処理作業従事者)のA・ヴェリキン氏を招聘し、東京および福島で講演会を行いました。さらに、「子ども・被災者支援法」制定後の7 月、それまで支援法に関して積極的にインプットを続けてきた市民団体や弁護士がネットワーク組織である「原発事故子ども・被災者支援法 市民会議」を立ち上げました。現在は、被災者、支援者を含めた57 団体が参加しています。事務局は、FoE Japan および子どもたちを放射能から守る法律家ネットワーク(SAFLAN)が担っています。  市民会議では、国会議員と協力し、政府との対話を通じて、一刻も早い支援の具体化に向けて、働きかけを行っています。2012年11 月28日には、復興大臣と会合を持ち、「原発事故子ども・被災者支援法」の基本方針に関する提言を提出、また、政府交渉を実施しました。2012 年12 月の災害救助法に基づく住宅借り上げ制度の新規申込の打ち切り問題にあたっては、継続を求めて、厚労省、福島県に緊急署名を提出し、交渉を行いましたが、残念ながら力が及びませんでした。 2.放射線被ばくと健康管理調査  福島県県民健康管理調査の問題点の改善を求めて、2012年5月に厚労省および原子力災害対策本部と、7月に福島県とそれぞれ交渉を行いました。また、村田三郎医師、IPPNW(核戦争防止国際医師会議)のティルマン・ラフ博士、チェルノブイリ研究者の吉田由布子氏や、ロシア小児放射能防護臨床研究センター長のラリーサ S.バーレヴァ博士などを講師としたセミナーを福島で実施しました。  最近の取り組みとして、弁護士や専門家、医者、被災当事者からなる「放射線被ばくと健康管理のあり方に関する市民・専門家委員会」を立ち上げました。ここで、専門家の知見を借りて、低線量被ばくをめぐる独立した議論を行っていきたいと考えています。

その他/備考


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