高木基金について助成応募の方法これまでの助成研究・研修高木基金の取り組みご支援のお願い

これまでの助成研究・研修

トップページ > これまでの助成研究・研修 > 助成事例の詳細


米国政府・政界・学界等における原子力エネルギー政策:連携の可能性を求めて



グループ名 新外交イニシアティブ 研究成果発表会配布資料[pdf]
2014年度会計報告[pdf]
代表者氏名 猿田 佐世 さん
URL http://www.nd-initiative.org/
助成金額 50万円

2015年6月の訪米インタビュー調査の様子。

高木基金の成果発表会で、「ワシントン拡声器」という、日本の省庁や一部の政治家らが利用する日米関係を使った仕組みについて説明をする猿田さん。

衆議院議員会館で開催された訪米調査報告会の様子。鈴木達治郎氏(元内閣府原子力委員会委員長代理、現長崎大学核兵器廃絶研究センター(RECNA)センター長・教授)と、新外交イニシアチブの猿田さん、平野さんらが報告を行った。

研究の概要

2013年12月の助成申込書から
 米国は日本の原発政策に大きな影響を与える。例えば、福島原発事故後、日本の世論では脱原発支持が過半数となり、2012年9月には民主党政権(当時)が2030年代に原発稼働ゼロを目指す閣議決定を行おうとしたが、この決定は「米国」の要請により見送られた。しかし、米国内には原発に慎重な立場を取る国民・研究者はもとより連邦議会議員等も存在する。また、使用済み核燃料の再処理についてはホワイトハウスの大統領補佐官を含む政府関係者・研究者等多くの人々が反対の立場にあり、日本の六ケ所村の再処理施設についても多くの懸念が継続的に示されている。そもそも、米国自体、スリーマイル島事故以降、長期間原発の新設を行わず、潤沢なシェールガスの発見にも伴い今後原子力エネルギー依存を急速に低下させていく方針に舵を切っているとされている。しかし、米国の声として大きく日本に伝えられるのは、日本に原発の再稼働を求め、原発推進を求める声ばかりである。
本研究は、米国の現在の原子力政策の方向性について調査し、原発推進以外にどのような立場が米国にあるのか、特に米国政府の政策決定に影響を与えうる米国連邦議会・米政府関係者、シンクタンク・大学研究者等を中心に調査を行う。また、日本の原発に慎重な立場を取る人々がそれらの米国のカウンターパートとどのような連携を持ちうるのか、具体的働きかけも行いながら、アプローチ方法・連携する可能性・方法についても調査・分析を行う。

中間報告

2014年10月の中間報告から
 本調査は、日本の原子力政策に大きな影響を与える米国についての調査です。すなわち、米国自身の原子力政策や米国の対日原子力政策を調査し、また、具体的にその政策を作り出している人々、日本に影響を与えている研究者・政治家などを調査するものです。
 原発推進以外にどのような立場が米国にあるのか、特に米国政府の政策決定に影響を与えうる米国連邦議会・米政府関係者、シンクタンク・大学研究者等を中心に調査を行った上で、日本の原発に慎重な立場を取る人々がそれらの米国のカウンターパートとどのような連携を持ちうるのか、具体的な働きかけも行いながら、連携する可能性についても調査・分析を行っています。
 調査開始後、現在までに、日米の専門家にインタビューをし、また、米国のシンクタンク・大学等のウェブサイトなどを参考にしながら、米国の専門家や政治家等をリストアップし、その人々の研究バックグラウンドや論文を調査してきました。
 また、米国の原子力エネルギーを巡る歴史や日米原子力協力の歴史、そこにまつわる人間関係や米国の原子力政策が日本に対して影響を及ぼす理由についても文献やインタビューなどで調査を進めてきました。
 今後は、2014 年12 月頃のワシントンを中心とした訪米調査に向けて、面談希望の団体・候補者を挙げ、また、調査項目を整理していきたいと考えています。さらに、歴史や日米の原子力システムについての情報をさらに集めながらも、報告書の発行に向けて情報を絞り込み、文章化する作業も進めていきます。

結果・成果

完了報告・研究成果発表会資料より
 この調査は、米国の原子力政策や米国の対日原子力政策と、政策に関わる人脈(研究者・政治家)を分析し、原子力エネルギーにおける日米の関係を明らかにすることを目的として実施しました。2014年4月に研究を開始し、日米の関連書籍やネット上の情報を中心に情報を収集・分析した上で、日本国内で複数の専門家へのインタビューを行いました。その後、2015年6月4日から10日に訪米し、ワシントンおよびボストンにおいてインタビュー調査を行いました。具体的には、日米関係についての専門家、原子力の専門家、元政府(エネルギー省、ホワイトハウス、原子力規制委員会(NRC:Nuclear Regulatory Commission))関係者らへのインタビューを行い、9・11 以後の原発政策および日本社会の変化に対する米国の反応、米国が日本の原発再稼働を望むのであればその理由、日本の再処理に対する見解、日米原子力協力改定交渉等について話を聞きました。これまでの調査で浮かび上がってきたことを、簡単にまとめると以下の通りです。

●日本の再処理政策へのアメリカの見方
 米国政府は、歴史的に日本が原子力政策を推進するようにさまざまな働きかけを行ってきたが、再処理については異なり、米国内の原発推進派であっても安全保障上の観点から日本の再処理には反対する者が多い。この米国からの強い懸念が日本側に十分に伝わっていない。この点は、米国における対日外交のパイプを拡大させ、情報を相互に伝え合うことで、新たな展開を生み出す可能性がある。

●日米原子力協定の行方
 2018年に日米原子力協定が期限を迎えるが、米国においては日本が再処理を進め、保有プルトニウム量をさらに増やしていくことについての強い懸念が示されている。日米関係全体の安定性等の理由から、これらの懸念が直接的に協定の交渉開始へとはつながらず、協定は自動延長となるだろうというのが大方の関係者の予想だが、日米で再処理を問題視する層が、この「2018年問題」を日本国内でどのように提起していくかという点がカギになる。
 プロジェクトとしては、2015年7月31日に衆議院議員会館で訪米調査の報告会を開催しました。今後、調査の報告書をまとめ、出版する予定です。

その他/備考


2015/07/31 ND訪米報告会「日米エネルギープロジェクト訪米調査報告」映像
https://www.youtube.com/watch?v=OELOq3nLHzE

HOME助成応募の方法これまでの助成研究・研修高木基金の取り組みご支援のお願い高木基金について
ENGLISHサイトマップお問い合わせ 個人情報の取り扱い