高木基金について助成応募の方法これまでの助成研究・研修高木基金の取り組みご支援のお願い

これまでの助成研究・研修

トップページ > これまでの助成研究・研修 > 助成事例の詳細


放射能汚染地域における甲状腺検診事業



グループ名 NPO法人 いわき放射能市民測定室 たらちね 研究成果発表会配布資料[pdf]
2014年度会計報告[pdf]
代表者氏名 織田 好孝 さん
URL http://iwakisokuteishitu.com/
助成金額 70万円

実際の甲状腺検診の様子。

2014年度のたらちね甲状腺検診の結果を福島県の県民健康調査の基準に当てはめると、A2が全体の53%。A2とは5mm以下の結節および、20mm以下ののう胞がある場合。B は、5.1mm以上の結節または、20.1mm以上ののう胞がある場合で直ちに二次検査が必要、Cは、甲状腺の状態などから判断して直ちに二次検査が必要とされています。

研究の概要

2013年12月の助成申込書から
 2011年3月11日に起きた、東京電力福島第一原子力発電所の爆発事故により、大量の放射能が放出し、福島県および近隣県に降り注いだ。
 その結果、土壌や河川、海洋の汚染は言うまでもなく、子どもを中心に多くの地域住民の健康にも被害を及ぼしたことが考えられる。
 事故直後のサーベイメーターによる測定で、体内に放射性物質を取り込んでいる人が多い測定の結果から予測されることである。
 本事業は、それら初期被曝、および汚染地帯での生活の中で被爆を重ねる子どもたちを中心とした地域住民の健康を守るため、早期の病気の発見と治癒につながることを目標とし甲状腺の検診を行うものである。

中間報告

2014年10月の中間報告から
 2011年3月11日の東日本大震災による東京電力福島第一原子力発電所の事故から3 年が過ぎました。事故のニュースがテレビで報道されることは少なくなりましたが、放射能の汚染は事故当時と変わらず存在します。
 放射能は見えない、におわない、感じない環境汚染ですが、子どもたちの暮らしも、大人の意識の風化とともに、本当は危険な場所で、何事もなかったかのように事故以前の状態に戻りつつあります。
 チェルノブイリでは28年が過ぎた今も、子どもたちの体内からはセシウムが検出され、甲状腺がんを始めとした深刻な慢性疾患を発病し、今もサナトリウムでの保養は続けられています。
 私たちはチェルノブイリに学び、福島の子どもたちの被ばくによる健康被害を最小限にとどめるために甲状腺の検診事業を行っております。今年度の4月〜5月の受検人数は全体で1117名、内訳は子ども556名、大人561名です。協力の医師は全国からのボランティア参加で、6名の医師が参加しています。事業スタートの2013年度と変わらず、大きな病気の事例はありませんが、専門家が予測する10年後の危機に備え、ひたすらこの活動を続けております。3年たった今の風化を考えたとき、10年後の風化はさらに深刻な状況だと予測されます。その時にこの被害から子どもたちを救うためにも、活動を継続することは必要であると考えます。

結果・成果

完了報告・研究成果発表会資料より
 2013年度から本格始動した「たらちね甲状腺検診プロジェクト」は2年目を終了しました。このプロジェクトでは、専門の医師のボランティア協力により、超音波診断装置による甲状腺検診を、福島県内の各地で実施してきました。たらちね甲状腺検診プロジェクトでは、検診で認められたのう胞・結節の大きさだけでなく、数、硬さ、形、場所、中身の様子について詳細に記録し、検診直後にその写真と報告書を受検者に手渡しています。受検者が自分自身のデータを自分で管理できるようにしています。このことは、当然のことと思われますが、福島県が行っている検診の中では自分自身のデータを得るためには情報開示の煩雑な手続きを行う必要があり、簡単には得られないのが今の状況です。
 この活動は、長引く被曝被害から人々の健康を守るための重要な活動だと考えています。また、この原発の事故は今まで平穏に暮らしていた人々が、国の方針や表面的な経済復興のあり方と被曝被害というすれ違う問題の狭間で苦しめられ、分断を強いられるという理不尽を発生させています。なにが本当で、なにがまやかしなのか、見えない、におわない、感じない放射能被害の中で、たらちねの活動を見て、検診を受けることで心の負担から少し開放される人もいます。受け止めることが難しい、この原発事故の問題の中で、たらちねの甲状腺検診プロジェクトは身体だけでなく心にも届くものとなっています。
 2013年度の3000名以上の検診人数と比較すると、2014年度は2075名にとどまり、関心や危機感の薄さを感じることもありますが、たらちねとしては、問題はこれからだという意識をしっかりもって地道に続けていくことを決定しています。
 インターネットを行う人が30%しかいない福島県内で、苦労しているのは広報のことです。しかし、最近では新聞記者のみなさんが、「協力できることはする」という意思を明確にしてくださることが多くなり、続けることで協力者を得ていく手応えを感じています。この問題は、立場を超えた多くの人々の力がなければ、良い方向に進めることはできないので「和」を大切に行っていきたいと思います。

その他/備考


HOME助成応募の方法これまでの助成研究・研修高木基金の取り組みご支援のお願い高木基金について
ENGLISHサイトマップお問い合わせ 個人情報の取り扱い