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Ecological Waste Coalition of the Philippines 【フィリピン】 | |
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アイリーン・ルセロ さん | |
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50万円 |
バケツを使った大気汚染モニタリングワークショップの様子
本調査研究では、第一段階として、「バケツ」*という安価な道具を用いた手法で、草の根活動家や地域社会のリーダーによる大気汚染の環境モニタリング能力を高めるワークショップを行います(この手法は、米国環境保護庁の認定を受けており、70種類の揮発性有機化合物を検出可能)。第二段階として、フィリピンルソン島カヴィテ州シランのMaguyam区で実際にサンプル採取を行います。この地区には大規模な産業廃棄物処分場があり、近隣住民は長年、悪臭に悩まされ、めまいや胃痛、胸痛や息苦しさなどを訴えてきました。同区では、市民連合が発足し、バリケードを張るなどの抗議活動を行った結果、政府や事業者との交渉が実現しましたが、環境天然資源省は、事業者が提出したモニタリング報告書をもとに、施設は「安全」という結論を出しています。本調査研究では、サンプルを米国の認定された研究所で分析後、その結果を地元の自治体や国の関連機関に送付するほか、住民団体による事業者などに情報開示を迫るキャンペーンや、罰則強化を求めるロビー活動に用います。また、同じ問題を抱える他の地域の団体とのネットワーキングや草の根レベルの環境モニタリング促進につなげます。
* バケツリレー(bucket brigade)は、市民が独自かつ安価に大気汚染の調査ができる手法。チューブでポンプにつながるプラスチックの袋をバケツの中に入れ、数リットルの空気を採取する。1995年にカリフォルニアで開発され、工場などからの大気汚染に悩む世界各地のコミュニティで活用されている(http://www.gcmonitor.org参照)