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福島原発事故に伴う生活環境の放射能汚染実態調査と住民の被ばく最小限化



グループ名 福島老朽原発を考える会(フクロウの会) 研究成果発表会配布資料[pdf]
研究成果発表会配布資料[pdf]
代表者氏名 青木 一政 さん
URL http://fukurou.txt-nifty.com/
助成金額 70万円

リネン吸着法プロジェクトの測定結果はウェブサイト上にマップの形で公開しています。http://chikurin.org/?page_id=3390

研究の概要

2014年12月の助成申込書から
 政府は避難指示解除、帰還促進を進めている。福島原発そばを通る国道6号線の再開や福島県内での仮設焼却炉の建設など二次汚染の懸念という新たな状況も生まれている。  一方、各地域で被ばく被害を最小化するためのさまざまな運動が存在する。住民側から国や自治体に対して政策変更、施策要請などを行う上では、住民の懸念・不安を具体的に立証するための汚染実態や内部被ばく状況などのデータが重要である。そこで本プロジェクトでは下記をねらいとした調査研究活動を行う。 (1)大気中浮遊塵の放射能調査。 リネン吸着法の技術の確立と普及。各地域での大気中浮遊塵の汚染実態調査。 (2)子どもを中心とした尿検査による内部被ばく調査。 特に知らずしらずのうちに体内に取り込んでしまっている人達に焦点を当てた検査の継続。 (3)チェルノブイリ事故による健康被害の実態、低線量被ばくの危険性について(1)、(2)と関連付けて研究する。その成果をもとに啓発を行う。  この調査研究活動は各地での被ばく最小化の取り組みと連携を取りその一環として行う。このプロジェクトにより下記の成果が期待できる。 (1)地域住民の運動に必要な論拠となるデータを提供する。 (2)低線量被ばくの実態についてデータをもとに広く啓発し被ばく防護の行動につなげる。また被ばく最小化の運動の裾野を広げる。 (3)調査活動を通じて、地域での運動や個人と連携を深める。

中間報告

2015年10月の中間報告から
 福島原発事故による住民、特に子どもの被ばく被害を最小化するために、各地の運動と連携して、生活環境の汚染実態の調査を実施しています。また避難指示の解除、自主避難者への支援打ち切りなど、住民への被ばくを強要する政府や自治体の動きに対して、調査研究結果をもとに対政府交渉などを行っています。 1.リネン吸着法の展開による大気中粉塵の放射能測定  引き続き活動を展開するとともに、結果をより分かり易く紹介するために地図上にプロットしてウェブサイトで公開しました。今後も随時、結果をアップデートしていく予定です。 2.尿検査による内部被ばく低減  新たに宮城県白石市の保護者グループの皆さんと連携して尿検査を実施し、また内部被ばくの危険性を学ぶセミナーを実施しました。従来から協働している伊達市の保護者グループや南相馬の皆さんとの連携した尿検査も継続しています。体内へのセシウム取り込みの原因を探るため、セシウムが検出されたお宅で常食している米の調査も合わせて始める予定です。また地域的には新たに那須塩原の皆さんとの連携も始める予定です。 3.福島第一原発からの大気中への漏れ監視の模索  福島第一原発事故は依然として深刻です。海への汚染水流出だけでなく大気中への放射能粉塵の拡散も続いていることは明らかですが、この面での実態はあまり知られていません。協同して活動しているちくりん舎のゲルマニウム半導体測定器を活用した監視活動ができないか模索中です。

結果・成果

完了報告・研究成果発表会資料より
 私たちは子どもや住民の被ばくを最小化し、健康被害を減らすことを目的として活動を行っています。活動ポイントは下記のようなものです。  (1)空気中のホコリの放射能調査。(2)子どもを中心とした尿検査による内部被ばく実態の調査。(3)低線量被ばくの危険性についての周知と啓発。  2015年度の活動状況と成果は下記のようなものです。 1.各地のグループと連携して尿検査と被ばく最小化を推進  福島県伊達市、宮城県白石市、栃木県塩谷町、東京都あきる野市などで被ばく最小化を進める保護者グループとの連携ができました。今後更に、連携関係を深めるとともに他地域への展開を図っていきたいと思います。 2.地域の協力により内部被ばく状況の違いが明らかになってきた  地域による内部被ばく実態の違いが見えてきました。福島県、栃木県、宮城県などを対象に88人の尿検査を行いましたが、福島県など放射能汚染の高い地域と東京在住の人を比較すると、尿からセシウムが検出される比率も福島の方が多く、また検出されるセシウムの濃度も高い傾向があります。引き続きデータを積み重ね精度の高いものにしていきます。 3.「リネン吸着法」は空気中のホコリの放射能を敏感に検出する  大気中のホコリの放射能を測定するために「リネン吸着法」プロジェクトを進め、東日本を中心に62カ所の調査を行いました。またエアダストサンプラーとリネン吸着法のデータの相関関係を調査しました。風の強いところと弱いところでリネン吸着の効率は約7倍程度の違いがあることがわかりました。更にデータを積み重ねて相関関係を明らかにしていき、リネン吸着法の効果的な活用方法を明らかにして行きたいと思います。

その他/備考


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