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市民による原子力規制行政の監視活動



グループ名 原子力規制を監視する市民の会 研究成果発表会配布資料[pdf]
2014年度会計報告[pdf]
代表者氏名 阪上 武 さん
URL http://kiseikanshi.main.jp/
助成金額 80万円

研究の概要

2013年12月の助成申込書から
 福島原発では、汚染水が深刻な事態を招いている。対応に国が乗り出すとしているが、原子力規制委員会・原子力規制庁は、多くの人的資源を原発の再稼働に向けた適合性審査に裂いており、十分な対応を取っていない。
 適合性審査は、加圧水型原子炉で先行しているが、事業者のシナリオでは、炉心溶融事故が発生した場合に水蒸気爆発を引き起こすおそれがあるなど、問題点が多々ある。また、東電が行った柏崎刈羽原発の再稼働申請に対し、当初は、汚染水対策を優先すべきだとして、審査に入らなかったが、ここへ来てなし崩し的に審査に入った。このままでは安易な再稼働が進められる恐れがある。
 原子力規制を監視する市民の会は、市民の立場で、井野博満氏、後藤政志氏ら独立した立場の専門家と協力しながら、新規制基準や防災指針の批判を行ってきた。さらに再稼働のための適合性審査よりも汚染水対策を優先すべきだとして様々な活動を行ってきた。再稼働審査や汚染水対応について、立地地域や周辺地域の住民の不安を可視化することや、専門家を交えた批判的な検討結果を住民と共有することなどが求められている。本事業では、下記の活動を行う。
・再稼働問題について、立地地域や周辺地域の住民の意識を可視化するため、地域フォーラムや個別訪問、シール投票や意識アンケート調査などを実施する。
・審査の中で浮かび上がった問題点を、消費地の首都圏や新潟など立地地域・周辺地域の住民と共有するための集会や公開討論会の実施。
・原子力規制委員会の検討状況の継続的監視と要請活動・政府交渉の実施。
・原発再稼働の適合性審査及び原子力防災計画についての議論の内容・資料のレビュー、専門家と協力して声明や提言の発表。

中間報告

2014年10月の中間報告から
 2013年に新規制基準を策定した原子力規制委員会は、原発再稼働に向けた適合性審査を行っていましたが、2014年3月に、九州電力川内原発1・2号機の優先審査を決め、これを7月に終えて審査書案を策定、パブリックコメントを経て9月10日に審査書を確定し、九電が申請した原子炉設置許可変更申請を許可しました。
 しかし審査の内実は、火山審査において、噴火の予知予測はできないとする火山学者の警告を無視する、重大事故対策で汚染水防止対策をとらない、クロスチェック解析を十分に行わない、地震動を過小評価するなどの問題を抱えています。また、原子力防災については、自治体が立案する避難計画に実効性がなく、特に要援護者を屋内に閉じ込めるものになっているにも関わらず、避難計画を審査の対象外として国として規制を行わず、逆に原子力規制委員会を含む行政機関が手助けするという構図となっています。
 原子力規制を監視する市民の会は、この間、川内原発の審査と再稼働問題に集中し、火山の問題及び避難計画の問題に焦点をあてながら、審査会合の傍聴、原子力規制庁や内閣府防災担当との交渉、要請書の発出、質問書の提出、国会へのはたらきかけ、記者会見、抗議アピール行動、署名運動を実施してきました。鹿児島市や薩摩川内市、いちき串木野市などにおいても、署名運動の支援、地元自治体への申し入れや学習会などを実施してきました。審査書案のパブリックコメントに際しては、アドバイザリーグループ及び原子力市民委員会の規制部会などとも連携して、パブコメ・ワークショップや省庁交渉、記者会見などを実施してきました。
 特に4月16日に鹿児島大学の井村隆介准教授を迎えて開催された院内集会(主催:集会実行委員会)と、その後の政府交渉や要請行動は、川内原発の火山問題がクローズアップされる大きなきっかけとなりました。

結果・成果

完了報告・研究成果発表会資料より
 この取り組みでは、原子力規制行政の福島原発事故への対応、原発再稼働への対応を批判的に検討し、独立した立場にある科学者や技術者の見解、立地・周辺地域の一般住民や一般市民の意見をくみ上げた上で、住民の意向を反映しない形で進む原発再稼働に向けた審査のあり方について、問題点を指摘して対応を迫り、これを広く市民・住民と共有しながら、安易な再稼働を止めていくことを目的としています。
 福島第一原発の汚染水問題については、深刻な実態の暴露と意図的な放出の撤回を求める取り組みを続けてきました。漁業者の反発により、汚染水放出については方針が立たない状況にありますが、今後も監視を続けていきます。
 九州電力川内原発について、再稼働に向けた優先審査が続いています。川内原発の審査は、基本設計である原子炉設置変更許可申請の審査が2014年9月に終了しましたが、詳細設計である工事計画変更申請と保安規定変更申請の審査の過程で具体的に以下の問題が浮上しています。

(1)川内原発は火山リスクを抱えますが、原子力規制委員会の委員および規制庁の職員に誰一人として火山の専門家がいない状況にも関わらず、火山の専門家からの意見を聴取する機会が一度もないままに原子炉設置変更許可申請の審査が終了しました。私たちは2014年4月16日に院内集会での鹿児島大・井村隆介准教授の講演を実施しましたが、これが川内原発の審査や火山ガイドについて、火山学会の中心人物が次々と疑義を唱える一つのきっかけとなりました。設置変更許可は通りましたが、火山モニタリング活動についての保安規定で暗礁に乗り上げ、事実上、火山ガイドを無視する形で無理やり審査を終えようとしています。この問題については、今年度も追及を続けていきます。

(2)実効的な避難計画がないこと、立案が困難であることについて、要援護者の避難や避難経路の確保、避難先やスクリーニング施設の確保などの具体的な問題を立てながら、地元の運動とも連携した取り組みにより、再稼働問題の大きな焦点の一つにすることができました。推進側は、再稼働と避難計画を切り離す動きを続けていますが、地元の住民をはじめそれに反発する動きも出ています。ヨウ素剤の配布を5km圏に限定するなどの問題も浮上しており、川内原発に限らず、今後も取り組みを続けていきたいと思います。

その他/備考


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