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ベトナム・ホイアン市のトゥボン川と井戸の水質の調査



グループ名 U Cafe HoiAn Project【ベトナム】
代表者氏名 臼田 玲子 さん
URL https://ucafehoian.wordpress.com/
助成金額 30万円

トゥボン川での水採取の様子(2015年5月)。

水質調査風景

水質調査風景

ワークショップ風景

研究の概要


 1999年に世界遺産に指定されたベトナムの古都ホイアン市では、上水道の敷設が不十分で人々は今も不衛生な水を使っています。下水の処理施設もなく、そのまま川に流されているのが現状です。またほぼ毎年洪水が起こり、そのたび衛生状態が悪化します。U Cafeでは市民の健康と衛生状態向上のための活動として、これまでにも年数回、U Cafeの浄化槽の水質、その水を流している池の水質、トゥボン川や井戸の水質調査を行ってきました。  これまでの調査結果をもとに、2015〜2016年の1年間、定期的に井戸やトゥボン川等で水質を調べます。調査方法について学生と市民が学ぶ機会を設け、2015年5月から2016年1月まで、2カ月に1回の頻度で水の採取を行います。2016年3月には、U Cafeとダナン大学とで発表会を行い、報告書を発行します。結果は市民の健康増進のために用いる予定です。  これにより、市や州政府が清浄な水を市民に提供する政策を行うこと、長期的には、市民の健康を向上させるための政策および衛生教育を行う政策を取り入れることを願っています。

中間報告


結果・成果

2016年成果報告書より
ベトナム・ホイアン市で1年間、市内の河川5か所と公共井戸9か所で化学的水質調査を行ってきました。 ホイアン市は河口の町、汽水域に属する河川は干満の差の大きいマングローブが育つ豊かな漁場となっています。一方、行政の環境施策は人口増に追い付かず、ごみ回収・分別事業・市民教育が進んでいません。川べりの住民の多くは川をごみ捨て場としています。そのため、乾季には複数河川のあちこちで塵芥が浮遊し悪臭が漂います。また、市内の多くの井戸水は飲料不可となっており、市民は水道水を煮沸するか飲料水を購入して生活しています。 この状況を改善すべく、私どもは2015年1年間、高木市民科学基金の支援を得て水質調査を実施しました。調査方法は2か月に1回年間計5回、市販の水質調査キットを使用して行いました。調査には近隣ダナン市から工科大学・師範大学の環境管理専攻の学生が参加しています。検査項目はCOD(COD-D),BOD,NH4,NO3,PO4-(C&D),TN-iの8項目です。 調査回数年5回とサンプル数は多くはありません。が、調査の結果、幾つか事前予想と異なる興味深い物が提示されました。まず井戸に関しては?住民の経験知のとおり、大半の井戸で生水は飲用に適するとは言い難いレベルであることが判明しました。?井戸の水位がひどく低いことが数回ありました。乾期に入った旧正月直前でしたがその理由は不明です。河川では?検査項目の大半で数値が井戸水より劣ること、また?事前予想と異なり、雨季最中の数値に乾期と比して特段の差異が見られなかった事です。雨期、乾期で河川の水位には大きな差異は見られませんでした。調査日に関しては?新月の直後に、河川の浮遊物・汚濁・悪臭が増しました。検査数値にも差異が見られ、大潮の影響かと推測されます。 以上のような結果を持って1年目の調査活動を終了しました。私どもも調査活動に参加した学生たちも井戸水・河川の水質の低さに少なからずショックを受け、活動の継続を決め2年目の水質調査に入りました。また、私どもと同様に環境保全や水質管理に関心を寄せる学生・NGOとの共同水質調査事業と小学生への水環境保全指導を開始したところです。2017年度からは市民への水環境保全指導、小学生への環境保全指導、環境絵本の作成に取り組む予定です。

その他/備考


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