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ナムホン川流域の市民の声 【ミャンマー】



グループ名 Mong Pan Youth Association
代表者氏名 ナン・シニング さん
URL http://www.mekongcommons.org/the-aspirations-of-a-shan-lady-for-sustainable-peace-justice-and-development/
助成金額 40万円

ナムホン川(別名:サルウィン川)

ドキュメンタリー映像の撮影風景

ユースメンバーのミーティング風景

映画上映会の風景

研究の概要

2015年8月の助成申込書より
 中国を源流とし、ミャンマーを経てタイに注ぐ国際河川のナムホン川(別名:サルウィン川)流域には、モントンダム建設計画が持ち上がり、30万人が立ち退きを強いられるなど、大きな人権侵害が起こっています。ミャンマーでは、今後もこのような大規模開発が予想されているため、本調査研究では、この巨大ダム計画の影響を受ける可能性のある人々の声を集め、ドキュメンタリービデオを制作します。事業者が住民の声を知ることが、公平で持続可能な開発と平和を実現する第一歩になるものと考えています。  本調査の成果物であるビデオが、巨大開発計画の社会的・文化的、さらに環境に関する懸念を明らかにし、事業主体者含む利害関係者にとっては、人々の懸念を理解する一助となり、市民や社会の周縁部の人々(地域住民)にとっては、ダム開発という自らが影響を受ける案件に関して意見を述べ、意思決定に参加できるようなツールの役割が果たせることを目的にしています。  また、当団体の若いメンバーが、ナムホン川流域住民とつながることで、地域の持続可能な開発はもちろん、流域住民への社会的正義の実現を目指していきたいと考えています。

中間報告


結果・成果

2016年成果報告書より
私たちの参加型調査は、ナムホン川(別名:サルウィン川)流域の下流にあるモンパン、モントン町と、上流のクヒン町(いずれもモントンダム巨大水力発電事業で影響のある地域)で行いました。 彼らの暮らしを知り、どの位ダム事業に関する情報を得ているか、ダムが建設された際の自分達の暮らしの影響をどんな風に想像しているかなどを知ろうと、自らの足で歩き、地道に人々の声を集め、収集したデータを、ドキュメンタリー映画にまとめました。出演したメンバーの目線を通してその様子が描かれています。 例えば南シャン州のクヒン町は、ダムが建設されれば浸水の可能性のある地域ですが、“ナムホン川の声”の監督含む12人のメンバーを連れて現地訪問をし、ナムパン川(ナムホン川の支流)沿いに住む住民の元を訪れ、インタビューを行いました。 出演したメンバーは、インタビューを通じて気づきや学びがあり、パブリックスピーキング能力を高めることもできたと評価していますが、彼女のみならず、他のユースメンバーらも研究者や映画監督と一緒に調査を行うことができ、研究デザイン、質問設計、インタビュープロセス、ビデオ撮影・編集スキルなど、自らの研究調査能力の向上にもつなげることができました。 “ナムホン川の声”は20分間のドキュメンタリー映画として完成し、2016年6月14-16日、ヤンゴン人権映画祭で一般公開され、同24-26日には、クヒン町でも上映されました。 シャン語でインタビューした内容は、現在までにビルマ語、英語、タイ語の字幕がついています。 ※映画は下記からご覧頂けます。

その他/備考

映画”The Voices of Nam Khone(ナムホン川の声)”
 高木仁三郎市民科学基金の15期(2016年度)助成先であるミャンマーのMong Pan Youth Association (MYA)が制作したドキュメンタリー映画『ナムホン川の声』です。  ナムホン川は、チベットを源流に中国、ミャンマー、そして一部タイを流れる国際河川で、“ダムのない東南アジア最大であり最後の川”とも呼ばれてきましたが、現在、数々の巨大ダム建設計画が持ち上がり、流域に住む少数民族の伝統的な暮らしが脅かされ、また深刻な人権侵害も起きています。  モントンダムの場合、ダムサイトから最も近い村まで10km ほどしか離れていませんが、僧侶以外、住民は誰1 人、ダム建設のことを知らされていませんでした。  MYA は、ナムホン川流域出身の少数民族の若者が中心となり、自分達の川とその地域で行われようとするダム開発について、最も影響を受けると考えられるモンパン、モントン、クンヒンの3 つの市町に絞り、地域のキーパーソンである僧侶の力を借りながら現地の人々とつながり、自分達の見聞きしたものや住民の声を拾い集め、ドキュメンタリー映画という形に仕上げました。  この映画は、MYAの若者たちの成長の記録ともいえるものです。  (高木仁三郎市民科学基金 アジア担当プログラムオフィサー 白井 聡子)

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