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ミンダナオ島ブキドノン州マノロ・フォルテッチにあるパイナップル大規模プランテーション農場【フィリピン】



グループ名 AGHAM Advocates of Science and Technology for the People
代表者氏名 マリーナ・フィネッサ・コシコ さん
URL http://agham.org/
助成金額 40万円

ブキドノン州の大規模パイナップルプランテーション

パイナップルプランテーションに関わるステークホルダーミーティングの開催風景

パイナップルプランテーションの排水が流れ込む川の水質調査をするスタッフ

研究の概要

2015年8月の助成申込書より
 フィリピンは世界有数のパイナップル産地ですが、農場では、欧米で禁止されている有害な農薬や残留性有機化合物が使われ、地域を流れる河川の流域生態系への環境影響や、汚染された川の水を生活や農業に使う何十万人もの住民や労働者自身への健康影響に懸念が上がっています。 このような持続可能ではない方法によるパイナップル生産は環境・社会・経済面で大きな影響を与えることが知られているものの、現状ではその詳細が明らかになっていません。  そこで本調査では、ブキドノン州マノロ・フォルテッチにある、デルモンテ・フィリピン(DMPI)所有の23,000ヘクタールもの巨大なパイナップル単一栽培農場をフィールドに、土壌、水質の調査と人々の健康、生活への影響調査を行い、その結果を、周辺の地域社会の支援および政治への働きかけに活かしていきたいと思います。  なお、今回の調査は主に次の3つとし、現地パートナー団体 (RMP-NMR)と共同調査を行います。 1)自治体や地域の行政が所有する農業・環境データなど二次データを用いて、影響を受けている可能性がある範囲を決定する。また、GISを用いてプランテーション地域をマッピングする。2)プランテーションの土壌の肥沃さ、すなわち水分、土質、透水性、さらには水の溶存酸素、pH、導電性、濁りを調べる。3)プランテーションに関わるあらゆるステークホルダーを交えた市民参加型調査を行い、環境の悪化が人々の健康や生活に与えている影響について評価する。

中間報告


結果・成果

2016年12月最終報告書より
今回の調査研究の前半では、ミンダナオのRMP-MNRら現地のパートナー団体と協議を行い、現地調査地としてブキドノン州のリボナ町(農地の22.8%をパイナップルプランテーションに提供し、14の行政区のうち10の行政区がパイナップル操業関係の農工業団地になっている)を現地調査地として選定し、現地では工場労働者や地域住民、国や地方自治体の職員(農業や地域の開発計画関連の部署)へのインタビューを行いました。 同時に、プランテーション操業によって直接影響を受ける地域コミュニティや水域(河川、湖)生態系の環境に関する行政やその他専門機関から収集した二次データの統合作業を行い、後半はそれらを元に、データ加工と分析評価の専門家との数回に亘るコンサルテーションを経て、今後の調査研究に向けたデータギャップを確認しました。 今回の予備評価では、影響地域の概況(地理、気候、自然資源評価等)、土壌化学的特性、気候影響への脆弱性、地域の様々なステークホルダーが関係する社会・経済・環境影響等に関するデータが集められましたが、例えば有害農薬(発がん性が認められ国際的には使用禁止)の使用やそれに伴う環境汚染、地域住民への健康影響、工場労働者の労働環境の実態(賃金未払い、長時間労働、低賃金や児童労働など)などが明らかになりました。 【事務局補足】今回の調査は予算の関係から、当初予定していた土壌・水質調査を計画から外してスタートしていましたが、年度途中には当該地域でのパートナー団体に対する人権侵害が顕著になるという報告もあり、当初予定していた計画をさらに修正して実施しました。なお、AGHAMは、昨年10月に設立された農業プランテーション(コーヒーやサトウキビ、カカオ、ゴム、パームオイル含む)の拡大抑制のためのネットワークのメンバーとして、自然環境、人々の暮らしへの影響を調査を担っていく予定です。

その他/備考


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