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これまでの助成研究・研修

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天然資源の管理に関する先住民の権利を研究するための法学修士課程【タイ】



グループ名
代表者氏名 ラオファン ブンディテルサクル さん
URL
助成金額 40万円

ダム周辺の住民向け法律のワークショップ風景

ダム開発で影響を受けるコミュニティを対象にした法律相談風景

ダム建設により影響を受けるある少数民族コミュニティのお宅でのヒアリング風景

国際河川デーに集まった流域の少数民族ら

研究の概要

2015年8月の助成申込書より
 私はチェンマイ大学法学部、メコン・アースライツスクールを経て、これまで、タイ北部サルウィン川流域の人々の生活と天然資源を守るために、サルウィン・ウォッチ・ネットワークも立ち上げるなどして、プロボノの弁護士として活動してきました。2002年以降、サルウィン川流域ではダム開発計画が増加していますが、流域に暮らす先住民族の権利が抑圧されている状況が起きており、流域住民、先住民族の権利を正当に主張していく必要性を感じ、弁護士としての技量を高めていかねばならないという認識を強く持ちました。  今回、入学するチェンマイ大学大学院の法学修士コースでは、オルタナティブアプローチによる「先住民族の法学研究」を行い、先住民族の権利を抑圧する法律上の問題(天然資源管理についてなど)を明らかにしていきます。大学院は今年1月より既に始まっていますが、年末まで週末に大学に通う一方、“先住民族社会のための弁護センター”などと協力して取り組んできた、サルウィン最下流のハッギ(Hutgyi)ダム計画の法律覚書の草稿を完成させていく予定です。修了後の研究成果は、ダムに出資するタイ政府を行政裁判所に訴えている活動に活用したり、ダム計画を止めるための法律覚書を国内外の所管団体に送る予定です。同時に、流域の先住民族のエンパワーメントを促し、さまざまな方法でサルウィン川ダム計画に立ち向かうために尽力していきたいと思います。

中間報告


結果・成果

2016年12月最終報告書より
チェンマイ大学大学院の法学修士コースにて、主専攻の自然資源と環境管理法、副専攻の上級刑法を受講し、共に、最終試験に合格しました。この研究期間の特筆すべき調査活動として、チュラロンコン大学(バンコク)政策科学部の社会開発研究センターのカールミドルトン氏へのインタビュー、サルウィンダムによる影響を受けるコミュニティのリーダー達を集めたミーティングの開催、ダム事業の審査に関する国家人権委員会(NHRC)の聴聞会への出席等があります。 また、論文の執筆も行い、「国の大規模ダム事業が国境を超えてもたらす影響についての地元州当局の責任」、「タイの電源開発計画に関する政策的視点」の2本を書きました。 これらの調査・研究活動の総括として、チェンマイ大学の法学部のアカデミックサービスセンターとアースライツインターナショナルの協働を取りつけた上で、“ラエ・ハ・サルウィン”フォーラムを開催し、多くの反響とともに、数々のメディアにも取り上げられました。 今後の展望としては、サルウィン川ダム計画問題に取り組む研究から得られた知見を、引き続き、コミュニティやNGOにリーガルサポートを提供し、行政裁判所に計画を中止するよう、あるいは正当な救済策を求めて申し立てていきたいと思いますし、同様の問題に直面しているサルウィン川下流域(ミャンマー含む)にも活かしていきたいと思っています。

その他/備考


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