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福島県南相馬市を中心とした空間および土壌の放射線測定



グループ名 ふくいち周辺環境放射線モニタリング・プロジェクト 研究成果発表会配布資料[pdf]
代表者氏名 満田 正 さん
URL http://www.f1-monitoring-project.jp
助成金額 80万円

地面の表面汚染計数率の測定(手前)と空間線量率の測定(奥)の様子。富岡町にて

2017年度高木基金の助成で購入したTCS1172・TGS1146で測定中。2017年10月25日、富岡町にて

研究の概要

2016年12月の助成申込書から
 2011年3月12日に起きた福島第一原発の暴発事故で、放射性物質により汚染された福島県南相馬市の山側8行政区を中心に、2012年10月より冬期を除く毎月1回(約1週間)、34回にわたる放射線測定を行っています。
 測定は、地図を元に75m×100mのメッシュをきった中心点を、以下の4項目の測定方法により放射性物質汚染状況を記録しています。
(1)日立アロカメディカル社製の空間線量測定器(TCS172B)による地上1mの空間線量率(μSv/h)測定
(2)日立アロカメディカル社製の表面汚染測定器(TGS146B)による地表1cmの表 面汚染計数(cpm)測定
(3)上記測定時に無線を利用した簡易型放射線測定器(ギョロガイガー)による位置情報と時刻情報を加味した地上1mの空間線量の可視化
(4)土壌採取による放射性物質の含有分析(土壌分析はキャンベラ社製放射能食品分析器を使用)
 その他、2015年4月からは、国の1mSv/yから20mSv/yへの避難解除基準引き上げに抗して訴訟を起こした「南相馬・避難勧奨地域の会」原告団の208世帯の住宅および敷地の放射線測定も実施して、そのデータは行政区長を通して各原告に情報開示するとともに、弁護団の訴訟資料としても提供しています。
 また、現地では原告団を中心とした勉強会も開催されており、原告団の住民に対する講師派遣も対応する他、弁護団の放射線知識の向上をめざす勉強会にも同席して、資料提供や意見交換等もしています。なお、私たちの活動は、60歳以上のシニアを中心として、全てをボランティアとして行っているものです。

中間報告

2017年10月の中間報告から
 福島第一原発事故で放射性物質により汚染された福島県南相馬市の山側8行政区を中心に、2012年10月より2月を除く毎月1回(約1週間)、放射線測定を行ってきました。
 2015年4月からは、国の1mSv/年から20mSv/年への避難解除基準引き上げに抗して訴訟を起こした「南相馬・避難20ミリ基準撤回!訴訟」原告団の208世帯の住宅および敷地の放射線測定も実施して、そのデータは行政区長を通して各原告に情報開示するとともに、弁護団の訴訟資料としても提供しています。
 国や自治体で設置している空間線量率(μSv/h)を表示するモニタリングポストは「点」ですが、私たちは地域の汚染状況を可能な限り「面」的に記録するために、メッシュ法を採用しています。現在採用している手法は、住宅地図を横375m×縦250mのメッシュに切り、出来るだけ中央に測定ポイントを定め、空間線量率(1m/50cm/1cm高)だけでなく、同時に地面の表面汚染計数率(1cm高・cpm)を測定するとともに、土壌を採取しNaIシンチレーション検出器を用いてセシウム137とセシウム134の定量分析を行っています。測定ポイントの選択にあたっては、水が集積してホットスポットを形成している場所は避ける、除染され客土されている場所は避ける、小石や根の多い場所は避ける、個人宅地には立ち入らない、などをメンバー間で合意確認しています。
 2017年3月31日にその一部の避難指示が解除された浪江町のモニタリングは、4月から7月にかけて行いました。測定・土壌採取は315 ポイントで、空間線量率(1m高)の平均は1.12μSv/h、土壌汚染密度の平均は858,000Bq/m2でした。測定結果は可視化図にまとめWEBサイト(http://www.f1-monitoringproject.jp/) で公開しています。浪江町では解除になったエリアのほぼ全域が放射線管理区域相当であり、チェルノブイリ法の「義務的避難」の基準を超えていることが分かりました。
 また、2017年4月1日に多くの地域が避難指示解除された富岡町のモニタリングを8月から開始し、既に3分の2近くを終えています。
 なお、私たちの活動は、60歳以上のシニアを中心として、全てをボランティアとして行っているものです。


福島県双葉郡富岡町土壌マップの一部。1ブロックは375m×250m。土壌汚染密度Bq/m2)、1m・50cm・1cm での空間線量率(μSv/h)、表面汚染計数率(cpm)を記載している。測定/採取/分析:2017年8・9月

結果・成果

完了報告・研究成果発表会資料より
 東京電力福島第一原発の事故後、2012年10月以降、原発事故で放出された放射性物質による汚染状況を測定・記録しています。また、そうした測定結果を誰にも分かる形で公開し、被災者の方々の健康と命を守るために役立てていただくほか、原発事故による被害の甚大さをより多くの人びとに知っていただくことを願っています。積雪の恐れのある2月を除き、ほぼ毎月、1週間合宿し、モニタリングを行っています。
 2012年10月にメッシュ法を採用して、第1回モニタリングを南相馬市原町区押釜行政区からスタートし、当時、特定避難勧奨地点指定世帯のあった地域・南相馬市山側8行政区(原町区の押釜・片倉・馬場・高倉・大谷・大原、鹿島区の橲原・上栃窪の各行政区)、および隣接する上太田・信田沢・牛越・石神・大木戸・矢川原・深野行政区などを測定。2015年には住民の依頼を受け、伊達市保原地区・川内村東部・飯舘村教育機関などの測定も行いました。
 さらに、2016年には同年7月に避難指示が解除された南相馬市小高区の西側を測定。2017年には4月に避難指示が一部で解除になった浪江町と富岡町の測定を行いました。測定にあたっては、環境省が推奨する放射線測定器を用
い、その方法も環境省のマニュアルに準拠して、空間線量率(1m/50cm/1cm高、単位μSv/h)および表面汚染計数率(1cm高、単位cpm)を計測しています。さらに、2015年からは土壌に含まれた放射性セシウムを計測するために、被災地の土壌を採取し、2 台の土壌分析器にかけて分析、土壌汚染濃度(Bq/kg)と土壌汚染密度(Bq/m2)を記録しています。
 これらのデータは、必要に応じて可視化図にまとめ、WebサイトならびにFacebookで公開するとともに、希望者には無償でデータ提供もしています。また、そうしたデータは、被災者の権利と尊厳を守るための訴訟資料としても提供しています。
 2018年3月からは、2016年に避難指示が大部分で解除になった双葉郡葛尾村の測定を開始し、6月に終了、引き続き、大熊町が来春に避難指示解除を目指している同町西側部分の測定を行い、現在は2017 年春に避難指示が解除された伊達郡川俣町山木屋地区の準備を進めています。また、南相馬市山側8行政区の通算4巡目の測定も同時進行します。


双葉郡浪江町と富岡町の土壌汚染密度の概要(いずれも避難指示が解除されたエリア)

その他/備考


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