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沖縄県沖縄市泡瀬干潟の埋立工事に伴う干潟環境・生物相変化の研究



グループ名 貝類多様性研究所/泡瀬干潟を守る連絡会 研究成果発表会配布資料[pdf]
代表者氏名 山下 博由 さん
URL
助成金額 40万円

緑藻類が大量発生した泡瀬干潟。海底に生息する貝類の大量の死骸が確認された

過去の写真(2007 年)と現在を比較。ランドマークとGPS を併用。豊富な海草が生息し、貝類が多産していたが、海草藻場が消失してしまった

死滅した貝類を分類・カウント。50種(40種は二枚貝)・2037個体を確認。うち、20種がレッドリスト(絶滅危惧・準絶滅危惧)種。死滅個体数上位10種のうち8種がレッドリスト種

研究の概要

2016年12月の助成申込書から
 沖縄県沖縄市泡瀬干潟では、国・沖縄県による埋立工事が進行中である。泡瀬干潟では、海上工事が本格化した2006年前後から、干潟環境の大きな変化が続いている。埋立工事による直接的な変化のほか、埋立地の成立による潮流変化は、干潟の環境(底質など)・生物相に大きな影響・変化をもたらしている。
 近年では特に、ヒメマツミドリイシ(サンゴ)群落の衰退が大きな問題になっている。海草藻場の衰退は恒常的なものになっており、海草藻場に生息する貝類は大きく減少している。2016年10月の調査では、岩礫地においても浮泥の堆積が著しく、貝類の減少が認められた。
 申請者らは、2001年より泡瀬干潟の環境・生物調査を行っており、本研究では、そうした過去のデータや写真と、現在の状況を比較する。
 環境全般では、景観・地形・底質・海草藻場・サンゴ礁地の状態を、主に写真による比較と、今後も継続的に観察するポイントの選定を行う。生物では、過去のデータが豊富で、多様性の高い貝類を中心に調査を行い、どのような種の生息状況が変化しているのかを明らかにする。その上で、環境の指標となり得る種を選定し、定量調査や継続的調査手法を確立する。これらの環境や生物のモニタリングでは、市民にも手軽に継続的にできる方法を模索する。
 埋立事業者・環境監視委員会は、埋立工事による環境への影響は軽微であり、環境に大きな変化があった場合も台風などの自然変化によるものとしている。こうした見解は、市民・研究者という「実際に干潟を見てきた人々」の実感から大きく乖離している。干潟環境の劣化や、生物の生息状況の変化を、分かりやすい形で把握し、写真やデータによって、社会に訴えかける。

中間報告

2017年10月の中間報告から
 沖縄県沖縄市泡瀬干潟では、国・沖縄県による埋立工事が進行中です。泡瀬干潟では、海上工事が本格化した2006年前後から、干潟環境の大きな変化が続いています。埋立工事による直接的な変化のほか、埋立地の成立による潮流変化は、干潟の環境・生物相に大きな影響をもたらしています。しかし、埋立事業者・環境監視委員会は、埋立工事による環境への影響は軽微であり、環境に大きな変化があった場合も台風などの自然変化によるものとしています。こうした見解は、市民・研究者という「実際に干潟を見てきた人々」の実感から大きく乖離しています。
 私たちは、2001年より泡瀬干潟の環境・生物調査を行っており、本研究では、そうした過去のデータや写真と、現在の状況を比較します。
 2017年3〜7月の調査では、以下の点が確認されました。

・干潟の陸域に近い部分では、海草藻場の喪失が顕著である。
・埋立地に近い場所では、浮泥の堆積が顕著であり、海藻・貝類の減少が認められる。
・4〜6月にかけて,緑藻類(タレツアオノリ=ホソエダアオノリ、ミナミアオサ)の大発生があり、緑藻類の堆積・腐敗によって二枚貝類の大量死が起きた。

 緑藻類の繁茂による二枚貝の大量死は、泡瀬干潟では2017年に初めて確認された「非常に大きな環境異変」です。絶滅危惧種を含む多くの二枚貝が死滅しており、数千個に及ぶ貝殻が確認されました。海草藻場の喪失により、緑藻類が優占するという環境変化が起きている可能性があり、今後詳しい調査が必要です。
 本年の調査では、過去の環境と比較する多くのデータを蓄積できました。また、GPSを駆使した調査を行い、今後の継続的調査の手法を検討しています。

結果・成果

完了報告・研究成果発表会資料より
 沖縄県沖縄市泡瀬干潟では、国・沖縄県による埋立工事が進行中です。泡瀬干潟では、海上工事が本格化した2006年前後から、干潟環境の大きな変化が続いています。埋立工事による直接的な変化のほか、埋立地の成立による潮流変化は、干潟の環境(底質など)・生物相に大きな影響・変化をもたらしています。
 海草藻場の衰退は恒常的なものになっており、海草藻場に生息する貝類は大きく減少しています。近年では特に、ヒメマツミドリイシ(サンゴ)群落の衰退が大きな問題になっています。私たちは、2001年より泡瀬干潟の環境・生物調査を行っており、本研究では、そうした過去のデータや写真と、現在の状況を比較することとしました。
 2017年の4月以降、4〜6月を中心に、緑藻類(ホソエダアオノリ=タレツアオノリ、ミナミアオサ)が大発生し、その堆積・腐敗が認められました。緑藻類の堆積・腐敗により、多くの貝類(特に二枚貝)の大量死が確認されました。死滅した貝類には、多種・大量の絶滅危惧種が含まれていました。
 これは過去に、泡瀬干潟でなかったことであり、大きな環境異変です。埋立(人工島の建設)による、海域の閉鎖性の高まり、海草藻場の消失などが影響していると考えられます。
 岩礫地では、浮泥の堆積が認められ、それは埋立地近傍で顕著でした。そのような場所では、付着藻類の減少が認められ、貝類ではニシキウズ科などの藻類食種の減少、ニワトリガキの顕著な減少が認められました。

その他/備考


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