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設楽ダム建設予定地周辺の地質調査その2



グループ名 設楽ダムの建設中止を求める会 設楽ダム地質調査グループ
代表者氏名 市野 和夫 さん
URL http://www.nodam.org/
助成金額 40万円

転流工出口付近の準備工事の様子。厚い崖錐堆積物が見られる。透水性が大きく、不安定なため、崩壊なども懸念される

転流工出口付近(2018年3月23日)

4本の横坑の一つの入り口(2017年3月31日)

横坑調査中の看板(2017年3月31日)

研究の概要

2017年12月の助成申込書から
 設楽ダム予定地一帯は、設楽盆状構造の西北の縁に当たり、過去に激しい地質構造運動を受けてきた。そのため、極めて地盤が悪く、1960年代初めに電源開発がダム建設を断念した経過がある。その同じ場所に、国がダム建設を進めている。立地選定の過程で、活断層の調査は十分でなく、詳しい調査は行われていない。また、ダムサイトを決定した後、転流工の工事が開始された2017年時点でも地質地盤調査が続けられており、ダム堤体の詳細設計は未だ完成していない。
 2015年度に助成を受けた研究の成果の上に立って、以下の調査研究を進める。
(1)2017年に開示された国の地質調査報告書のデータに基づいて、重力ダムの安定性について検討する。
(2)これまでの開示情報、現地踏査結果等を総合して、ダムサイト周辺の脆弱な地質について、地質構造および変動地形の面から明らかにする。
(3)同様に、ダムサイトおよび周辺からの漏水の可能性について、地質構造面から検討する。
  地質学および変動地形学等の専門家の協力を得て上記を踏まえた報告書を作成する。

中間報告

2018年10月の中間報告から
 計画から45年を経た特定多目的ダム「豊川水系設楽ダム」(総貯水容量9800万m3)は、現在、転流工(*)の工事中で、転流工は2018年度末に完成する予定となっています。続いて本体工事が始まろうとしています。一方、本年4月から、愛知県営水道の取水権設定は違法であるとする(第二次)住民訴訟が、愛知県を被告として争われており、計画自体の正当性が疑われています。豊川用水の水源は、「豊川総合用水事業」(2002年完成)によってすでに十分拡充されており、また、最上流域に計画されたこのダムが下流域に対して果たす治水効果もごくわずかです。
 設楽ダムの立地については、1960年代に電源開発が調査に入り、1963年に地質調査報告を提出した後、撤退したいわくつきの場所です。現在計画されている堤体建設位置は、撤退した電源開発が計画したダム軸をほんのわずか、時計回りに微調整しただけであり、地質地盤上の問題が解決されたとは到底考えられません。
 ダムサイト上流、ダム湖の左岸側(設楽町の中心、田口地区周辺)には第三紀層が分布し、貯水が始まれば、漏水など地下水の異常や、地すべりの発生が懸念されています。ダムサイト右岸側の尾根部には直線状の凹地形があり、大規模な岩盤すべり〜深層崩壊が懸念されてきました。ダムサイト左岸側の斜面にも、上下流方向で斜面に近い傾斜の断層が複数通っていることが分かっています。このまま、本体工事に進むのは余りにリスクが大きすぎると考えられます。
 ダム本体の着工を前にして、左岸側斜面に4本の横坑が掘られ、調査が実施されました。『平成27年度設楽ダムサイト地質調査解析業務報告書』と銘打った報告書の日付は、1年遅れの平成29年3月となっており、実際にこの報告書が完成して開示されたのは、2017年(平成29年)の10月です。堤体設計に必要な情報が含まれている最も新しい報告書ではないかとみて、この報告書を中心に、過去に国が実施した地質調査の報告書類を含めて分析、総合し、専門家の協力を得て意見書をまとめ、本体工事の開始前に公表することが、本研究のねらいです。
 今後、検討会および現地視察を経て、意見書をまとめ、シンポジウムやウェブサイト、印刷物等を通じて広報していきます。

(*)転流工: ダム本体の施工が乾いた状態で行えるよう、河川の流路を変更して流水を導くための仮設構造物。


漏水や地滑りが懸念されている設楽町田口周辺の地質断面。パンフレット「設楽ダム計画をご存知ですか?」より

結果・成果


その他/備考


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