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沖縄の米軍基地による環境汚染問題に関する市民が主体となる調査研究



グループ名
代表者氏名 田代 豊 さん
URL
助成金額 50万円

米海兵隊基地キャンプ・キンザーの排水口。田代らの調査では、この周辺の底泥から、毎年、PCBやDDTなどの有害物質が検出されている。基地内からの流出と考えられる

フィールドでの環境試料採取実習の様子。2018年6月

環境試料の化学分析の公開講座の様子。2018年7月

研究の概要

2017年12月の助成申込書から
 沖縄の米軍基地からは現在も環境汚染物質の流出が続いていると推定され、近年は基地返還が部分的に進行し、跡地利用の際に有害物質汚染が発覚する事案が多発している。また、軍用機墜落事故などによる有害物質汚染の懸念も頻発している。本研究は、基地排水中の汚染物質の存在と周辺生物への影響を、市民参加による調査によって実証する。
 南西諸島の環境問題に関する調査分析の実施は、現状では行政機関などに限られているため、その実態解明は政治状況などに左右され、民主的な問題解決を阻害する要因の一つとなっている。このため、市民の側に立った調査を可能にする仕組みづくりが緊急に必要であるとともに、市民生活上の問題である環境汚染により多くの科学者が参画するためには、市民と科学者との間の接点が必要である。
 本研究では、調査実施に先んじて、南西諸島の環境問題と環境調査の現状・課題、環境データの見方と環境分析に関する、市民や学生を対象とした公開講座を開催する。その上で、有害物質汚染調査を市民参加によって実施する。降雨時の流出排水の採取とパッシブサンプラーによる有害物質吸着監視を行い、周辺のリーフや岸壁での釣りにより魚類を採取する。これら試料中のPOPs等有害物質を、市民も参加して分析測定する。
 得られた結果は社会に公表するとともに、この過程を通じて環境汚染問題に取り組む人材(市民・学生・研究者・コーディネーター)の育成と連携を図り、将来の市民ラボ開設の可能性について検討する。

中間報告

2018年10月の中間報告から
 沖縄の米軍基地付近では、排水出口近傍の底質でPOPs等の有害物質濃度が高いことなどが判明しているなど、現在も米軍基地からのさまざまな形での環境汚染物質の流出が続いていると推定されます。近年は基地返還が部分的に進行し、返還地である沖縄市サッカー練習場をはじめとして、県内各地で化学物質の埋設投棄が発見されるなど、跡地利用の際に有害物質汚染が発覚する事案も多発しています。さらに、軍用機墜落事故などによる有害物質汚染の懸念も頻発しています。
 一方で、南西諸島の環境問題に関する調査分析は、現状では行政機関などに限られており、その実態解明は政治状況などに左右され、民主的な問題解決を阻害する要因の一つとなっています。このため、市民の側に立った調査を可能にする仕組みづくりが必要です。本研究は、基地排水中の汚染物質の存在と周辺生物への影響を、市民の参加した環境調査によって明らかにすることを目的として、これまでに以下の活動を実施してきました。

(1)沖縄の米軍基地による環境問題、沖縄における環境調査の現状と課題、環境問題調査のための試料採取と有害物質化学分析に関する、市民や学生を対象とした公開講座を開催した(うち1回は、名桜大学主催公開講座を充て、沖縄本島中部に会場を設けた)。これらの公開講座の場などによって環境問題調査に参加する市民を募った。

(2)米軍基地周辺(浦添市・宜野湾市・嘉手納町)の排水路3カ所に調査地点を設定し、降雨時の流出水採取、釣りなどによる魚類の採集を市民の参加により実施中である。採取されたサンプルは、名桜大学内のラボでガスクロマトグラフ等を用いて随時分析し、残留性有害物質等の流出状況を明らかにしつつある。

 こうした活動や調査研究を通じて、沖縄において、汚染発生源の浄化等の対策を市民が要求する根拠とすること、環境汚染の監視や対策検討において市民参加の必要性が認識されること、沖縄の環境汚染について研究者が理解し、後続する研究がなされることを期待しています。また、環境汚染問題に取り組む人材の育成と連携を図り、将来的には、市民の側に立った環境調査を継続する拠点(ラボ)を沖縄に設立することを目指しています。

結果・成果


その他/備考


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