高木基金について助成応募の方法これまでの助成研究・研修高木基金の取り組みご支援のお願い

これまでの助成研究・研修

トップページ  > これまでの助成研究・研修 > 助成事例の詳細


三番瀬のカキ礁調査



グループ名 三番瀬市民調査の会 2007年度完了報告[pdf21kb]
代表者氏名 伊藤 昌尚 さん
URL
助成金額 30万円

研究の概要

2006年12月の助成申込書から
 国内のカキ研究は、養殖の視点からの研究が多く、カキが形成する「礁」としての、役割や礁に伴う生態系については、ほとんど研究されていない。  岩や護岸に付着しているなじみ深いカキが泥干潟の上でひとたび礁を作り出すことによって多様な生態系を支え、周辺海域の環境までを左右することを多くの人に知ってもらいたいと考える。  私たちはカキ礁での生物調査は干潮時における地道な観察が最も有効であり、貴重な海の生態系を次世代に残す上でも、生息生物のデータ集積が不可欠と考える。  生物相の調査はカキ礁の総合的生態系機能の解明に近づく興味深い有力なテーマである。  三番瀬市民調査の会はこれまで4年間の調査において150種以上の生物種を確認している。  さらに生物調査を継続し、これまでの調査データを充実させていきたい。  三番瀬猫実川河口域は三番瀬で唯一の泥干潟の海域であり特長ある生物相を有している。  しかし、最近この猫実川河口域の改変が予想される護岸改修工事、そして人工海浜造成の事業計画案が策定されようとしており、貴重な泥干潟とカキ礁は数年後には消滅の危機に直面している。  私たちは生物調査データを三番瀬に関心のある関係者に提供し、三番瀬再生・保全の議論に寄与することを目標としたい。

中間報告

2007年9月の中間報告から
 今年の市民調査は、強風、台風など天候不順のため、満足な調査が全く出来ておらず残念な結果となりました。  4月〜8月までの間、計画通りの実施は6月の1回のみであり、急遽、調査場所、日程変更のやりくりを余儀なくされました。  海域での調査は天候の激変や、潮流の具合により危険を伴うことは予測して対応しておりましたが、6月実施時には風のため、船の錨が流され、自然の怖さを実感しました。  幸いケガなどの事故にはつながらず事なきを得ました。  そのような状況の中で今年度は、主に〜ザ饗Δ離キ礁調査の開始⊇填眤以析のカキの採取G実川河口域の堆積調査を行いました。  10月以降は海での現地調査は干潟が昼間は干出せず海域での実施は難しいので、計画の見直しを図り、今後の調査を再検討します。

結果・成果

2008年4月の完了報告から
・三番瀬市民調査の会は2002年よりカキ礁近辺の生物調査、底泥の堆積調査などを行ってきた。  本年調査の目的は調査継続することによりデータの充実を図る予定であった。  しかし、強風、台風などの天候不順により中止になることが多く不十分な調査となった。  新たに重金属分析、船橋側カキ礁との比較を行った。  年間の調査のまとめである報告会では、本年の調査に合わせ、過去4年間の調査結果を含めた資料を作成し報告を行った。 ・重金属分析の結果  5月19日に採取したマガキ及び底泥により亜鉛、鉄、カドミウムなど12種の分析を(財)千葉県環境財団に依頼した。  日本食品標準分析表と比較して数値は若干高めであるが、際だった高い数値はなかった。  PCB、アルキル水銀、有機スズ化合物はいずれも不検出であった。 ・猫実側と船橋側のカキ礁の比較  猫実側の底質は泥質であり、カワグチツボ、エドガワウミゴマツボ、ウネナシトマヤガイ、オキシジミが見られた。  船橋側のカキ礁は、砂泥質であり、アサリ、シオフキ、マテガイ、アラムシロガイが多く見られた。 ・カキ礁層厚別調査の公表・報告  千葉県水産総合研究センターと千葉大学のH18年度共同研究に協力した。  カキ礁の層厚別のサンプリング結果と航空写真によるカキ礁形成時の推定をしたものである。  当報告会で小倉久子氏より調査結果の公表・報告がされた。

その他/備考


HOME助成応募の方法これまでの助成研究・研修高木基金の取り組みご支援のお願い高木基金について
ENGLISHサイトマップお問い合わせ 個人情報の取り扱い