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土壌および食品の放射能汚染データベースの解析と活用II



グループ名 みんなのデータサイト 研究成果発表会配布資料[pdf]
代表者氏名 小山 貴弓 さん
URL http://minnanods.net/
助成金額 50万円

『「図説」17 都県放射能測定マップ+読み解き集』。11月13日発行。https://minnanods.thebase.in/ から注文可能

測定活動としては、「真鶴土壌採取キャラバン」を実施。これまで測定されてこなかった神奈川から静岡にかけての、周辺と比較して汚染濃度が濃いと予想される地区6カ所の土壌を採取。測定結果からも予想がその通りであったことが裏付けられた

『図説・17 都県 放射能測定マップ+読み解き集』発送作業風景

研究の概要

2017年12月の助成申込書から
 2017年度に2ヶ年計画の1年目として、チェルノブイリ法と日本の汚染区分を比較した一覧の作成、WEB全面リニューアル公開、都県別・紙マップの作成、ジビエや野生きのこの食品汚染と土壌汚染との関係性を調査した重点地区ワークショップを実施した。またマイクロホットスポットの測定を行なう「環境濃縮ベクレル測定プロジェクト」の測定データを公開した。  2年目の2018年度前期では、マップ集・アトラス版を8月までにつくることを大きな柱とする。測定結果と地形(高い山や川)や気象(雨や雪)を重ねて考慮し、プルームの動きの推定や、食品汚染による内部被曝を極力回避する指針を作成するための各種調査・探索を行なう。  後期では、出来上がったマップ集を携えて、8月に渡仏。新たに海外の反核反原発グループにデータと活動内容を伝え、日本の規制値や報道状況を知らせることを目標としていく。日本国内では各地の市民測定室と連携し、アトラス版の内容を解説・販売する報告会(避難者には無料で配布)を実施していく。  11月には、参加測定室による測定室研修会を実施し、みんなのデータサイトの食品および土壌データ、厚労省食品データの掛け合わせ解析について討議・学習を行なう。測定室メンバーが自分の都県の解析について解説が出来る「市民科学者」となるための、育成の場として活用する。  また、引き続き重点地区ワークショップを2ヶ所で実施する。

中間報告

2018年10月の中間報告から
 これまでの測定結果の集大成として『「図説」17都県放射能測定マップ+読み解き集』の製作を行なっています。当初予定よりも遅れていますが、11月中の完成、配布開始を目指しています。  『マップ+読み解き集』の第1章では、各県の担当測定室が、これまでの測定結果に地形や気象を重ねて考察しています。プルームの動きや、日間降下物・月間降下物から事故当時の放射能量を算定しながら、被ばくの状況や土壌汚染について説明をしています。  第2章では、野生キノコなど汚染が顕著な品目を解析しています。データサイトのデータ及び厚労省食品データを使い、コメ、ジビエ、山菜、野生キノコ、淡水魚・海水魚などの食品汚染の解析から、内部被ばくを極力回避する指針を作成しています。  第3章では、放射能に関する基本的な知識をまとめ、測定室独自の活動を紹介するなど、極力わかりやすく、また幅広い情報を伝えられるよう編纂しています。発行にあたり「みんなのデータサイト出版」の名で出版社を作り、クラウドファンディングにて制作費・印刷費を獲得しつつ、事前予約を取る形で進めることとしました。  今年度後半には、測定室と連携し、マップ集の内容を解説・販売する報告会(避難者には配布)を各地で実施します。各測定室メンバーが自地域について解説が出来る「市民科学者」となるための、育成の場として活用します。また、書籍を活用しながら、これまでも続けてきた、汚染状況重点調査地域ワークショップを福島・宮城で実施する予定です。 『「図説」17都県放射能測定マップ+読み解き集』目次

結果・成果

完了報告・研究成果発表会資料より
 2014年から3年間かけて行なった、「東日本土壌ベクレル測定プロジェクト」は、東日本17都県の3,400を超える地点で、のべ4,000人のボランティアの力による土壌採取を行ない、その土壌の測定結果をまとめた大規模なプロジェクトでした。  その集大成として、2018 年度は、『図説・17都県 放射能測定マップ+読み解き集』を刊行しました。これまでに公開してきた汚染の濃淡を色別に示した地図に、詳細な解説を加え、また食品汚染と土壌汚染の比較や個別の食品の汚染の年次推移、チェルノブイリ事故の避難と保障についての区分と日本の区分基準の違いを明らかにした比較表の改良、放射能に関する基礎知識の収録など、国内外で他に類を見ない詳細な情報を記載しました。200ページ、すべてカラーのA4サイズの大判で、自分たちで出版社を立ち上げ自費出版をしたところ、大きな反響を得て、初版から4ヶ月で累計1万6,000冊を発行するに至りました。これまでに関心を寄せていなかった人々が本書を手にし、福島第一原発事故について関心を寄せ考えるきっかけとなっています。全国の避難者団体などにも寄贈し、回覧して見ていただけるようになりました。この書籍の編集および発行後、各地での「読み解き講座」の実施により、測定室のメンバーが「市民科学者」として育成されることも狙いのひとつであり、その目的が果たされつつあります。  また、現在、本書の英語化を急いでいます。その他の言語での翻訳も、問い合わせが来ており、今後取り組んでいく可能性があります。なかなか実情が伝わらない海外にも、広く、事故後の現状や我々が直面している課題を伝え、連携していきたいと考えています。

その他/備考


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