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タイ・国家森林法と関連政策が同国北部メーホンソーン県の少数民族の生計手段に与える影響



グループ名 エグゼグティブサマリー
代表者氏名 Laofang Bundidterdsakul さん
URL
助成金額 4,000US$ =約44万円

少数民族の家屋が強制解体される様子

少数民族宅から建築用木材が没収される様子

研究の概要

2017年9月の助成申請書より
 タイでは、2014年の軍事クーデター以降、森林の保護が国家安全保障問題に位置づけられ、森林破壊の抑制と同時に森林面積拡大を目的とした国家森林法が制定された結果、伝統的な生活様式による森林使用までもが“森林破壊”とみなされるようになりました。山岳地域に住む少数先住民族は、持続可能な土地使用の方法として移動農耕を行っており、水田と森林資源は彼らの生計には必要不可欠なものですが、彼らが日々使用する高地の水田や居住地域の森林資源は元々公的な登記がなかったところに、上記の法律により保護地域に指定されたために、これまで食糧や家屋を建てる材料調達などで伝統的に行ってきた土地、森林資源の使用が、ある日突然、“違法行為”となり、強制的な土地収用や家屋の解体、さらには刑事告訴、逮捕などの影響が出るようになりました。
 国全体で約60万人以上の人々が森林に住んでおり、2009年から2015年までのデータによれば、このような取り締まりが毎年平均2700件近く報告されています。クーデター以降は状況がさらに悪化しており、森林保安官や警察、兵士らが数十人?数百人単位で動いているため、住民らは恐れをなして、異議を申し立てることもできません。
 私達は本研究調査で、少数民族の自然資源に対する権利を守るためのグループの一員として、少数民族の権利と土地使用の正当性を確認すると同時に、タイ社会が少数民族の生活を認識し、高地民族に対する森林法および政策適用の見直しが行われるよう関連当局・省などに働きかけていきます。

中間報告


結果・成果

2018年12月成果報告書より
 本調査は、次の5つの段階に分けて行いました。第一に、法律文書、公文書、報道記事などの資料収集を行い、影響地域の問題を把握。第二に、影響地域の住民とリーダーを訪問するための現地案内人を選定。第三に、影響地域において対象住民にインタビューを実施(5ヶ月間実施)。第四に、情報分析と報告書作成を行い、最後に、全ての関係者を交えたフォーラムの開催。以上の実施により、次の4つの重要な所見が指摘できます。

1.タイの国家平和秩序維持評議会(NCPO)が2014年に出した森林と自然資源管理を中央集権化する政府のメカニズムにより、2014年6月?翌年9月の間に発生した人権侵害の事例が最も多く、年間326例、少なくとも3,675ヘクタールの土地が没収され、その多くが貧しい農民だった。
2.政府関係者(主に軍関係者、森林局職員)にインタビューしたところ、「地元民の背後に、雇われギャングなど木材の密売人などがいることから、武力を行使し、没収していた」と発言していたが、現実的に影響を受けているのは貧しい農民ばかりであった。
3.山岳部に住む少数民族は、日常的に木材と土地を利用するため、大きな影響を受けている。
4.森林保護法と国家森林保全政策により、少数民族は土地利用と自然資源利用に関する法的権利が制限されている。

 本調査終了後、さらなるキャンペーンの機会を探るべく、土地権利のアドボカシーに取り組む北部農民連名(NPF)とコミュニティの問題に取り組むマヌーシャ財団と議論の場を持った他、調査の詳細をタイ国内のオンライン誌などに投稿しました。
 タイ政府は、環境保全や地球温暖化対策等の世界的な潮流を口実に、少数民族の生計手段を取り締まるようになっていますが、この問題の根本的な原因は、山岳地域に住む少数民族の土地や森林資源に対する権利が、法律で否定されていることであり、今後の予定として、影響を受ける少数民族が一時的には土地を耕作用に使えるようにすること、長期的には森林法と政策を転換させることを目標に、政府を動かしていきたいと考えています。

その他/備考


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