高木基金について助成応募の方法これまでの助成研究・研修高木基金の取り組みご支援のお願い

これまでの助成研究・研修

トップページ > これまでの助成研究・研修 > 助成事例の詳細


原爆被害の継承と実践【研修先:広島医療生協原爆被害者の会】



グループ名 『原爆を語ることと聞くこと』<助成報告集Vol.6,2009掲載>[pdf]
2009/9/27東京での成果発表会配布資料[pdf]
2009/9/27東京での成果発表会スライド[pdf]
代表者氏名 根本 雅也 さん
URL
助成金額 50万円

広島医療生協原爆被害者の会の役員の方々と私(前列右から3番目)

「語り部」活動の様子

原水爆禁止世界大会で手記等を販売

韓国の陝川原爆被害者福祉会館前にて(前列一番左が私、となりは在韓被爆者の女性)。2001年には、「被害者の会」が韓国原爆被害者協会陝川支部と姉妹血縁を行った。

「被害者の会」が事務局をおいている安佐南区の広島共立病院

研究の概要

2007年12月の助成申込書から
 世界に存在する核兵器は、人々の平和と生命を常に脅かし続けている。核兵器に反対する第一歩として、被害を理解することが重要となる。なかでも、原爆被爆者が自らの体験を話す証言活動は、実際に体験した者の言葉として重視されてきた。
 被爆二十年を過ぎて「被爆体験の継承」が叫ばれて以降、証言活動は組織化され、多くの人々が被爆者の話を聞くことができるようになった。しかし、時間の制限、一人当たりの人数の多さ、事前学習の弱さといった弊害が生まれ、そこでは被爆者個々人の戦後の生活や生き様、大勢を前にしては話すことができない経験、証言活動にかける思い、そして今でも日常の様々な折に感じる放射線被害の存在と不安を知るすべはない。被爆者の高齢化が進む今、こうした弊害を乗り越えた理解と実践を早急に行う必要がある。
 本研修では、被爆者とともに原爆被害者の会の運営に当たり、また活動(証言活動、被爆者同士の交流など)をともにすることで、個々の被爆者との関係を深めていく。それを通じて、原爆被爆者が抱える不安や証言活動への思いなどを深く理解し、自らが「継承」することを目的とする。
 本研修を終えた後、申請者は自らのやり方で「継承」活動を企画・サポートしていく。具体的には、東京に居住する被爆者に対して、少人数での聞き取りを行い、それを継続的に行っていく。また、本研修で理解し、明らかになった事柄を整理し、論文/学会での発表を行う。

中間報告


結果・成果

2009年5月の完了報告から
 「被爆体験の継承」が叫ばれてすでに久しい。広島と長崎に対する原爆投下から歳月が流れた一方、その被害を記憶し続けようとする営みは多種多様なやり方で行われてきた。なかでも、原爆被爆者が自らの体験を話す証言活動は、実際に体験した者の言葉として重要視されている。広島では、現在、証言活動が制度化、商業化され、多くの人々が被爆者の話を聞くことができるようになった。しかし、これらの形式では、戦後の生活や日常の様々な折に感じる放射線被害のあり方など、被爆者にとっての被害のあり方を深く理解することが難しい。被爆者の高齢化が進む今、こうした弊害を乗り越えた理解と実践を早急に行う必要がある。
 本研修では、まず自らが「継承」することを目的とし、被爆者とともに広島医療生協原爆被害者の会の運営と活動をともにすることで、被爆者の考えや生のあり方を深く理解しようと試みた。具体的には、会の活動及び個別の聞き取りなどを通じて、以下の事柄を行い、学んだ。

(1)広島医療生協原爆被害者の会という1つの被爆者団体の活動に継続的に参加することで、会の歴史を理解する一方、会員と親密な関係になり、深く話を聞くことが可能となった。
(2)個別の聞きとりを繰り返すことを通じて、被爆者が抱えてきた「被害」がそれぞれに異なり、多岐に渡ることを実感した。
(3)証言活動に関わってきた被爆者に対する聞き取りでは、証言活動に彼/彼女らがどのような思いでかかわってきたのかついてその一端が示された。
(4)広島で平和教育を受けてきた世代の中には、「原爆」や「平和」という主題に対して抵抗感を示すものもいることが分かった。他方、広島を訪れる人々の中に、原爆について関心を示す大学生や若い社会人がいることも分かった。

 このような研修・調査を通じて分かったのは、次のようなことである。原爆の被害を理解するためには、その人の戦後のことなど包括的に時間をかけて話を聞くことが必要であるということ、それを行うにはある程度親密な関係を築けるような環境・機会を作り出す必要があること、またそうした環境・機会というのは単なる受身的に「教わる」のではなく、聞き手が「聞く」という姿勢―主体性―を持つ必要があるということであった。そして、そうした<場>に参加するだけの関心を持つ人々が潜在的にいるのではないかということである。
 こうした考えをもとに、東京在住の被爆者に対し、少人数で話を聞く(対話する)機会を設けた。広島で学んだ経験を生かして、今後も模索しながら実施していきたい。

その他/備考


HOME助成応募の方法これまでの助成研究・研修高木基金の取り組みご支援のお願い高木基金について
ENGLISHサイトマップお問い合わせ 個人情報の取り扱い