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福島県飯舘村の村民のための、放射能による村内環境汚染の実態調査



グループ名
代表者氏名 伊藤 延由 さん
URL
助成金額

研究の概要

2018年12月の助成申込書から
 飯舘村は2017年3月末日に一部地域を除き避難指示が解除され帰還が進められています。
 2019年3月末には避難所の廃止が予定され家賃など自己負担が出来ない家族は止む無く帰村を選択せざるを得ない環境に追い込まれます。
 しかし村内の汚染環境は巨費を投じて除染したと言うものの除染の範囲は村の面積の15%のみで依然として高い汚染環境であり見方によっては年々高まる場所もある様に感じています。
 そんな環境にも関わらず村政執行の基本は恰も飯舘村にある放射性物質は無害を思わせる事が連なっています。
 ・学校の村内再開(認定こども園、小中一貫校)
 ・村内の水田で小学生の田植え
 ・野焼きの実施(2019年3月)
 等とても村民の被ばく回避を考えている様には思えません。
 福島県も同様で県内自生山菜・茸の販売制限に真剣に取り組んでいるとは思えない事態に私自身が遭遇しました。
 昨年も“自然の循環サイクルに組み込まれた放射性物質の挙動は理解し難し”としましたが、汚染実態を測り続け発信し帰還村民の被ばく回避に役立つ活動を行います。

中間報告

2019年10月の中間報告から
 飯舘村は2017年3月末に、一部地域(長泥地区)を除き避難指示が解除され、帰還が進められています。2019年9月1日現在の村内居住者(帰還者)は住民登録数5,539名の約24%に当たる1,345名(667世帯)で、その63%は60才以上です。残る76%の住民は村外に新築するなど帰村を躊躇しています。躊躇する理由はいくつか考えられますが、主要な理由は放射能汚染に対する不安感だと思います。しかし村当局は放射線被ばくのリスクを一切語らず、ハコモノの復興をもって復興と称し、対外発信しています。マスメディアもそれを追認するだけで“風評被害の克復”を叫ぶ行政の意向をいただき、放射線被ばくを実害とは報道しません。
 私は、村内の植物にはすべてに放射性物質が含まれていることを証明する為に測り続けています。また、その過程で巨費を投じて行われた除染のいい加減さを見て、ますます帰還住民の被ばく回避に真剣に取り組まなければと測定を続けています。最近は、村内の新築家屋で薪ストーブを設置している家もあります。従来、焼却灰は良質な肥料、土壌改良材として畑に散布されていました。しかし現在、村内の薪は高濃度に汚染され、燃焼により約100倍に濃縮されることから、灰の濃度は12万?15万Bq/kgであり、畑に散布すれば高濃度の再汚染になります。その際の土壌から植物への移行率を見ていますが、現段階では非常に高い移行率を確認しています。
 加えて、長泥地区では、除染土(環境省は除去土壌と称しています)の再利用のための実証実験が行われていますが、これは事実上の長泥地区の最終処分場化計画であり、その危険性について情報を集め発信します。
 さらに、「東京新聞こちら原発取材班」に取材協力し、キノコや山菜などの測定の成果を掲載しています。協力記事は東京新聞のWEB サイト(https://genpatsu.tokyo-np.co.jp)にも掲載されています。

結果・成果

完了報告から
 福島県飯舘村に居住し、土壌、山菜、樹木、野菜などの放射能測定を実施してきました。
 飯舘村は2017年3月31日に帰還困難区域の長泥行政区を除き避難指示解除されました。3年経過した村には2020年4月1日現在、帰還者1,240名、転入者169名を含め1,452名(737世帯)が居住しています。帰還者1,240名の70%程が60才以上です。帰還しない人は既に村外に住まいを建てて新しい生活を始めています。
 村に戻った人たちは帰還した村が事故前の村ではないことに気づきます。事故前は230平方kmに6,500名が居住していました。現在は同じ面積に1,400名が住みます。
 何故多くの村民がこの村への帰還を諦めて村外に居住を決めたのか、あるいは帰還を躊躇しているのか?やはり村内の放射線環境が最も大きな理由ではないのか?しかし村はその放射線環境を語ることはありません。
 一方、村外に居を構えた人達は新しいコミュニティーに馴染むことにストレスを受けます。避難で仮設住宅に入居した時のストレスといい、なぜ飯舘村の人たちは二度もストレスを受けるのでしょうか。原発事故が起こればこの禍はどこでも起こります。
 国はこの村に約4,000億円を投じて除染を行いましたが、村の面積の15%に過ぎず、山林等未除染の場所は依然として空間線量率1.0?2.0μSv/h、土壌の汚染濃度も2万?3.5万Bq/kgの値を示し、回復は物理学的半減期を待つのみです。
 農産物は農地の除染と肥料散布により、国の基準値(100Bq/kg)以下になりましたが、自然の恵みだった山菜や茸は依然として国の基準値を大幅に超えるものがあります。さらに、放射性物質の降下時の不均一が手つかずの山林に残り、測った物はこの値と言うことはできますが、測らない物は分からないのが実態です。
 以上から原発事故からの復興はあり得ないと言うのが飯舘村で9年間測り続けた結論です。

その他/備考


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