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焼却による放射性ごみ処分の問題点調査と環境汚染監視



グループ名 福島老朽原発を考える会
代表者氏名 青木 一政 さん
URL http://fukurou.txt-nifty.com/
助成金額 50万円

研究の概要

2017年12月の助成申込書から
 本研究は2018年度助成を受けた「放射性ごみ『リサイクル計画』の実態調査と環境汚染監視」の継続である。18年度の活動により、汚染廃棄物焼却や木質バイオマス発電に反対する住民グループとの連携が広がり、リネン吸着法等による監視の動きも予想以上に広がった。このためテーマを「焼却による放射性ごみ処分」に改め、対象をより明確化した。また監視や啓発・宣伝による運動の強化により重点をおいた形で展開する。
 除染廃棄物、放射能を含む焼却灰、農林業系汚染廃棄物等、いわゆる放射性ごみの「リサイクル」が進んでいる。この計画の主要な施設が(1)一般ごみ焼却炉、(2)セメント焼成炉・灰溶融炉、(3)木質バイオマス発電である。
 (1)では減容化の目的で可燃性の除染廃棄物を焼却している。
 (2)では焼却炉から排出される飛灰(セシウム等を高濃度で含む)を、高温で熱処理しセシウムを気化、脱離させ生成物を建設資材として再利用するものである。
 (3)では不足する木材燃料をまかなうため、福島県周辺の高濃度汚染森林の伐採木が燃料として流通して焼却されている。
 これらの設備の飛灰回収には共通してバグフィルターが使用されている。しかし、バグフィルターはPM2・5(微小粒子状物質)の捕捉能力は無く、微小粒子状飛灰の拡散による環境汚染の危険性がある。また高濃度のセシウム等を含む焼却灰の管理型処分場への最終処分も環境汚染の危険性がある。
 これらの中止を求める各地の運動と連携して環境汚染監視をおこなう。また設備能力や運用の実態調査と問題点の明確化を行ない運動の拡大強化に資する。

中間報告

2019年10月の中間報告から
 福島原発事故により生じた除染廃棄物、農林業系汚染廃棄物等、いわゆる放射性ごみの「リサイクル」が進んでいます。これらは一般ごみ焼却炉、木質バイオマス発電などを通じて行われています。こうした設備からはセシウム等放射性物質を含む微小粒子が周辺に拡散する危険性があります。また高濃度の放射性物質を含む焼却灰等が廃棄物として産出されることも問題です。
 宮城県大崎市では汚染牧草など放射能汚染廃棄物の一般ごみ焼却炉での試験焼却が強行されてしまいました。私たちは、それに合わせて、地元の住民グループと協同でリネン吸着法により、試験焼却中の大気中粉じんのセシウム濃度を監視しました。この結果、焼却炉からセシウムを含む粉じんが漏れていることを示すデータが採れました。計画中止を求める行政訴訟の証拠書類としてこの結果を提出しました。引き続き、夏場の風向きでの傾向の変化を立証すべくサンプルを採取し、データを収集中です。
 福島県田村市では、県内の汚染木材を燃料とする木質バイオマス発電所建設が進行中です。住民の不安の声が強い中で、事業者は「安心安全のため」と称して、バグフィルタに加え、更に微小粒子捕捉能力が高いとされる、HEPAフィルタを設置するとして議会の了承を得ました。私たちはその計画図を入手し分析し、HEPA フィルタとしての性能を保証できる設計になっていないことを明らかにしました。住民は「HEPA フィルタ設置」が虚偽であるとして公金支出停止を求める行政訴訟を提起しました。主として技術的側面からこの運動を支援しています。

結果・成果

完了報告から
 福島第一原発構内の汚染水の海洋放出や除染土の再利用などが問題になっています。これらと同様に除染により生じた放射能ごみの焼却もまた問題です。福島県周辺の放射能汚染木材を燃料とする木質バイオマス発電も同じ問題を抱えています。私たちはこうした放射能ごみ焼却による放射能の再拡散に対して市民科学の立場から、その問題点を明らかにすることに取り組んでいます。
 長野県東御( とうみ ) 市では着工中の木質バイオマス発電計画に疑問を持った住民グル ー プの依頼により、地域で3回の講演会を行いました。こうした学習活動を通じて、東御市では「木質バイオマスチェック市民会議」が立ち上がり、協定書の締結を目指した活動や、リネン吸着法による大気中粉じんの監視の体制が作られました。定期的な監視を継続することや、活動を市民に広報することでバイオマス発電業者に対して、放射能拡散をはじめとして環境汚染をさせないよう牽制をしてゆく体制ができました。
 宮城県大崎市では汚染稲わらなどの農林業系汚染廃棄物の焼却が始まりました。この焼却の中止を求める裁判が提起されました。これを支援するために、リネン吸着法による大気中粉じんのセシウム濃度調査を行いました。この結果、焼却炉からセシウムを含む粉じんが漏れている有力な証拠が得られ、裁判への証拠書面として提出しました。また福島県田村市での木質バイオマス発電に反対する取り組みに対しても支援を行っています。
 福島原発事故から9年が経過、放射能問題への関心が薄れています。「リサイクル」、「薄く広く拡散」などにより、ますます見えにくく隠されてゆく可能性があります。粘り強くこれらの問題を明らかにし、放射能のばらまきを止める運動に貢献したいと考えています。

その他/備考


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