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輸入遺伝子組換えナタネ輸送路沿道におけるナタネの自生と交雑種に関する調査・研究



グループ名 遺伝子組換え食品を考える中部の会
代表者氏名 河田 昌東 さん
URL
助成金額 30万円

研究の概要

2018年12月の助成申込書から
 本調査・研究では、輸入ナタネの運搬経路である国道23号沿道(三重県四日市市-津市)におけるナタネの自生状況を定期的に調査し、簡易検査によって自生ナタネの遺伝子組み換え(GM)率を把握する。  さらに、アブラナ科雑草(イヌカキネガラシ・ハタザオガラシなど)との交雑を疑われる個体を採取し、PCR検査によって種の断定とアブラナ科雑草への組み換え遺伝子の移行の有無を確認する。  これらの調査・研究結果を一般市民と共有するとともに、当該地域でのGMナタネの自生拡散防止、交雑防止活動に役立てる。  さらに、この調査結果を地方自治体および環境省・農林水産省へ提出し、遺伝子組み換え作物の運搬方法の見直しと、カルタヘナ国内法の改正への足がかりをつくる。

中間報告

2019年10月の中間報告から
 遺伝子組み換え(GM)ナタネの輸入は1996年より開始、2004年には農林水産省が輸入港周辺でGMナタネの自生を確認しました。以来、わたしたち遺伝子組換え食品を考える中部の会では、ナタネ輸入港である名古屋港・四日市港周辺の調査を行っています。  また、当会の調査において在来ナタネ、カラシナ、アブラナ科雑草などの個体からも除草剤耐性遺伝子を検出しています。これらは、GMナタネとの交雑によって、組み換え遺伝子が移行したものと考えられます。  本調査・研究では、GMナタネの運搬経路である国道23号沿道(三重県四日市市-松阪市)のナタネ自生状況を定期的に調査し、アブラナ科雑草などとの交雑の有無も遺伝子レベルで確認することを目的としています。  2019年4月に開催した大規模調査・抜き取り作業には、一般市民を含む41名が参加(うち14名が初参加)し、セイヨウナタネ872本を抜き取りました。任意に抽出した52本の簡易検査により、14本がラウンドアップ耐性、38本バスタ耐性であることがわかりました(GM率63.4%)。  2019年6月に2回行った小規模調査では国道23号沿道のナタネおよびアブラナ科雑草の自生状況を確認。雑種4検体の簡易検査でラウンドアップ耐性2本、バスタ耐性1本を確認しました。陽性3検体は外部機関に委託してPCR検査を行い、それぞれ遺伝子組み換えナタネであることが確認できました。  なお、この調査において、それまで自生がなかった中勢バイパス沿道でGMナタネの自生を発見。この道路はナタネの運搬には使用されていないはずであるため、関連事業者と連絡を取り、状況の確認を行っています。

結果・成果

完了報告から
 遺伝子組み換え(GM)ナタネの輸入は1996年に開始され、2004年に農林水産省が輸入港周辺での自生を確認しました。以来、私たちは、ナタネ輸入港である名古屋港・四日市港周辺および輸入ナタネ運搬ルートでのナタネ自生調査・駆除活動を行っています。  本調査・研究では、GMナタネの運搬経路の三重県四日市市−松阪市間の国道23号沿道のナタネ自生状況を定期的に調査し、アブラナ科雑草などとの交雑の有無を遺伝子レベルで確認することを目的としています。  2019年4月に実施した大規模調査・抜き取り作業には一般市民を含む41名が参加し、セイヨウナタネ872本を駆除しました。その中から任意に抽出した52検体を簡易検査したところ、ラウンドアップ耐性が14本、バスタ耐性が38本あることが確認されました(GM率63.4%)。  小規模調査は5回(2019年3月31日・6月16日・6月30日・10月6日・2020年3月15日)実施し、外見上アブラナ科雑草との交雑種と思われる個体のPCR検査を実施し、組み換え遺伝子を確認することができました。  また、小規模調査時にナタネ運搬ルートではない中勢バイパス沿道にも多数のGMナタネ自生を確認しました。この事実を精油メーカーに問い合わせたところ、下請けの運送会社の運転手一部が、メーカーの指示を無視して中勢バイパスを運行していたことが発覚しました。その後、精油メーカーは運送会社に運搬ルートの再確認と社員教育の徹底を指導し、GMナタネの自生区域の拡散を最小限にとどめることができました。  GM ナタネ自生による影響は更に広がりつつあります。数年前から国道23号線沿いに、見かけ上ナタネとは全く異なる野生の雑草が除草剤耐性であることを当会が偶然発見し、その調査を継続しています。これまでの調査で、開花時期、形態学的特徴などから交雑の相手はアブラナ科の雑草、イヌカキネガラシとハタザオガラシと推定されます。現在まだ遺伝子レベルでの確認は出来ていませんが、GMナタネの自生の影響が生態系の破壊にまで及んでいる恐れがあり、今後も調査を進めていきます。

その他/備考


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