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六ケ所再処理工場からの放射能放出に関する調査研究



グループ名 六ケ所再処理工場放出放射能測定プロジェクト
代表者氏名 古川 路明 さん
URL
助成金額 120万円

六ヶ所再処理工場

六ヶ所地図070728東京

研究の概要


中間報告

中間報告から
 六ヶ所再処理工場は、2006年3月31日に実際の使用済み燃料を使ったアクティブ試験を開始しました。海洋へ、大気中へと放射能の放出が始まっています。全体で5つの段階のある試験は現在第1ステップを終了し、第2ステップに進んでいます。試験全体では工場フル操業時の半分の約430トンの試料済み燃料が再処理される予定になっています。 
 放出放射能には日本原燃の管理目標値が設定されていますが、英仏の再処理工場の稼働実態から、今後六ヶ所再処理工場周辺の放射能汚染問題の深刻化が予想されます。稼働前の工場周辺の環境放射能を測定したデータがなくては、汚染状況の実態を科学的に証明することも難しくなると考えられます。
 私たちの研究の目的は、稼働前の放射能データを取り基礎データとして、今後も工場周辺の環境放射能を市民の手で測定・評価することです。そのため2005年産(2006年産は入手中)の米、松葉を六ヶ所村内で採取しました。一方対照データ取得のために、千葉県三里塚の米(2005年産、2006年産),新潟県の米(2005年産)も採取した。これらの試料で炭素14を測定中です。
 ガンマ線核種については、六ヶ所村内の松葉、海岸の砂について測定が別途行なわれており、これらの測定データも合わせて総合的に評価・検討する予定です。
 米の試料入手、測定データの公表については、様々な問題のあることを痛感しています。当然測定データの公表を前提に各農家の方々に協力いただいていますが、測定値の評価、公表の方法等、慎重に検討・実施する必要があると考えています。

調査研究・研修の進捗状況・計画の変更などについての特記事項
 炭素14に関しては、米と松葉で測定実施中である。
ワカメなどの海藻類のような海産物中の炭素14については、技術的な問題があり、測定の実施について検討中である。

結果・成果

完了報告から
調査研究・研修結果の概要
・本研究は、六ヶ所再処理工場の日常運転によって放出される放射能が、工場の周辺環境にどのような影響を与えるのか、その実態を把握することにある。今年度は工場のアクティブ試験前のデータ採取を目的とし、海水中のトリチウム、米、松葉の炭素14を中心に試料測定を行った。
・測定結果は、アクティブ試験開始前のデータであるので、バックグラウンドに対して有意な値を示すものはない。
・この測定によって、アクティブ試験試験開始前のトリチウム、炭素14についての基礎データを得た。今後の測定データと合わせて検討する予定である。

調査研究・研修の経過
2005年8月松葉、海岸の砂採取(六ヶ所村)
2006年1月測定試料について検討
     青森県大間町・東通村・六ケ所村・三沢市・八戸市、岩手県宮古市で海水採取
   3月六ヶ所再処理工場前で松葉(β線用)の試料採取
     尾ぶち沼で海水採取
   4月六ヶ所再処理工場周辺で放射能測定活動
   5月2005年産米試料採取(六ヶ所村、三里塚)
   8月松葉、海岸の砂採取(六ヶ所村)
   9月2006年産米の試料採取の打ち合わせ、試料収集(2006年産米)
   11月炭素14(米)の放射能測定依頼
2007年3月炭素14測定結果受領、結果の検討
     トリチウム(水)の測定依頼
   5月トリチウムの測定結果受領、結果の検討

調査研究・研修の成果
・ 六ヶ所再処理工場のアクティブ試験試験開始前の環境試料について、放射能測定を行った。これらのデータは、試験開始後の放射能放出の影響と比較検討するための基礎データとなる。
(測程結果の詳細は別添報告書参照)

【トリチウムの測定】
・ 海水でトリチウムの放射能測定を、「日本分析センター」(液体シンチレーション計測法)に依頼して実施した。測定地点は、尾駮沼、六ヶ所村(港)、三沢、東通、大間(以上青森県)、宮古(岩手県)の6地点である。
 測定結果を検討すると、バックグラウンドと有意な差がある測定値はない。

【炭素14の測定】
・ 米と松葉の炭素14について、民間の測定機関(加速器質量分析法)に依頼し放射能測定を実施した。測定試料採取地点は、六ヶ所村(青森県)、三里塚(千葉県)稲島(新潟県)である。六ヶ所以外は、対象試料として測定した。有意な差がある測定値はない。

その他/備考

対外的な発表実績
 測程結果の公表は今回始めて行う。今後測程活動を継続し、それらの結果と合わせて総合的に評価を行ったうえで、広く公開する予定である。

今後の展望
・ 今後も測定を継続的に実施し、その測定結果を評価・検討し、放射能影響の実態を公表することは、再処理工場や放射能の危険性を具体的に市民の前に提示し、工場計画是非の議論に貴重な論点を提案することになる。
・ そのためにも汚染調査研究の継続が求められる。工場の本格稼働(2008年)以降も最低数年間の実施を計画したい。トリチウムについては、多くの試料について測定するように考えている。特別仕様の測定装置ではなく、ふつうの測定装置を用いる予定である。炭素-14については、同じような測定を続けていきたいと考えている。海水中のセシウム-137などの測定も試みたいが、その内容について考慮中である。

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