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フィリピン マニラ湾埋め立て事業が沿岸コミュニティに与える社会経済的・生態学的影響 ~フィリピン・ブラカン州タリプティップ村を事例に~



グループ名 AGHAM-Advocates of Science and Technology for the People
代表者氏名 さん
URL https://aghamsftp.wordpress.com/
助成金額 5,000USD=約67万円

マニラ湾で釣った蟹を見つめる漁師

調査対象地のタリプティップ村の位置(Google mapより)

研究の概要

2022年9月の助成申込書より (2023年2月に一部修正)
 フィリピン ルソン島中部のブラカン州では、多くのバランガイ(自治体の最小単位)が海岸沿いに位置しており、気候変動により、海面上昇が心配されるところに、地盤沈下が拍車をかけるなど、洪水や高潮のリスクに直面しています。また、雨季の異常気象や頻繁に発生するゲリラ豪雨、乾季の降雨量の減少も問題となっています。 それに対する取り組みとして、「マニラ湾総合治水・海岸防衛・高速道路プロジェクト」が、国による優先事業として進められています。これは、埋め立てを伴う堤防建設、沿岸高速道路、マニラ港の拡張、新マニラ国際空港の建設に関わるもので(通称エアロトロポリス・プロジェクト)事業主体は、フィリピン系多国籍コングロマリットであるサンミゲル・コーポレーション(SMC)です。2,565ヘクタールに及ぶ同プロジェクトは、マニラ首都圏の主要空港からの航空輸送を緩和すると言われていますが、マニラ湾とその周辺の生態系と地域社会に深刻なリスクが及ぶことが懸念されています。 本研究は、エアロトロポリス・プロジェクト建設に伴う埋め立て活動の直接的影響を評価することを目的とし、主に以下の2つの要素で調査研究を進めていきます。 1) 埋立地、マニラ湾、タリプチップに関する文献調査を行い、埋立の影響を比較するためのベースライン作成のためのデスクリサーチ 2) 地質、生物多様性、社会経済的条件の観点から埋立の影響を明らかにするフィールド評価 タリプティップ村は、現在建設中の新マニラ国際空港(通称:ブラカン・アエロトロポリス・プロジェクト)の敷地内にあり、プロジェクトの建設に伴い、2022年末の時点で、同村が集中的な浚渫、海洋充填、マングローブの伐採などの埋め立て事業の中心地となり、プロジェクトによる土地開発はすでに46%に達したと推定されています。フィリピン大学ディリマン校が主導した2019年の調査では、プロジェクトサイトはその自然の地形的特徴から、沈下、液状化、洪水などのジオハザードが発生しやすいと結論付けられたものの、こうしたリスクは無視され、プロジェクトは強行されてしまいました。タリプティップ村では既に漁獲量が減るなどの報告があり、漁業で生計を立てる多くの人にとってもの影響が出始めています。マニラ湾は国内有数の漁場であり、重要な水産物の供給地であるマニラ首都圏や周辺の地域にとっても影響が出てくると考えています。 ※助成応募時点では、同様の調査をブラカン州の別の地域で行う予定でしたが、タリプティップ村ではその影響が既に人々の生活に出始め、同村での調査の方が緊急性が高いと判断して調査対象地を変更しました。

中間報告


結果・成果


その他/備考


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