原田 浩二 さん | ||
http://plaza.umin.ac.jp/khh/index.htm | ||
45万円 |
2023年5月の助成申込書から
フッ素原子を含む有機化合物のうち、難分解性を示すフッ素化アルキル化合物PFASによる環境汚染、ヒト曝露について近年、注目が高まっている。泡消火剤の使用があった在日米軍基地、自衛隊、空港周辺地域、またフッ素樹脂製造工場の近隣で地下水汚染を引き起こし、その結果、飲料水や農作物の汚染から地域住民の人体へ蓄積が見られており、健康リスクが示唆される濃度で検出されている。沖縄県、東京都多摩地域、大阪府摂津市が代表的な事例となる。しかしながら、まだ上記の地域においてしか血液検査などは実施されていない。PFASは全国的に使用されてきており、汚染の実態が明らかにされていない地域が数多く残されている。
PFASの化学分析は一定の方法が確立してきているが、実施できる機関は限られており、営利機関への委託費用も高額である。市民自らPFASの実態を明らかにするためにはPFAS分析を低廉で行うことができる機関を増やすことである。申請者は従来の液体クロマトグラフィー質量分析計による方法に代わり、汎用のガスクロマトグラフィー質量分析計でもPFAS分析が実施できることを発表しており、この方法で簡便、低廉に分析ができることを示している。この調査研究では市民が主導するPFAS汚染が懸念される地域での血液検査を支援し、また営利を目的としない機関へのPFAS分析法の技術移転を進め、国内のネットワークで調査、分析の経験を共有する仕組みを目指す。