第5回(2006年度)助成選考の講評
第5回(2006年度)助成は、国内向け800万円、アジア向け200万円合計1,000万円の助成予定で募集を行ないました。その結果、「国内の個人・グループへの調査研究助成」へ41件、応募金額4,424万円、「国内の個人への研修奨励」へ3件、応募金額495万円、「アジア向け」の調査研究へ4件応募金額506万円の応募がありました。あわせて48件5,425万円の応募が寄せられました。
1月24日の選考委員会で書類選考の後、2月18日の公開プレゼンテーションを経て、理事会で2006年度の助成を12件、助成額710万円(アジア枠の助成は除く)と決定しました。
第1回助成からの累計は、国内の個人・グループへの調査研究助成54件、3,595万円、 国内の個人への研修奨励9件565万円、アジア向けの調査研究助成9件、510万円、 アジア向けの研修奨励1件50万円で総計73件、4,720万円となりました。 今回、そして第1回からの助成を可能にした高木仁三郎市民科学基金を支える会員をはじめ関係各位の皆様のご支援・ご協力に深く感謝申し上げます。
今回の募集には、核・原子力、エネルギー、環境破壊、健康、福祉、教育、廃棄物問題、自然保護と幅広い分野からの応募がありましたが、残念ながら戦争・平和、安全保障などの分野に直接切り込む応募はありませんでした。
選考にあたっては、
1.市民科学にふさわしいテーマか?
2.研究方法が適切か?
3.研究成果をどう活かすか、目的と方法が明確か?
4.市民科学とは何かを示す研究、将来市民科学の有能な担い手となる可能性は?
5.高木基金が助成するにふさわしいか?
を規準にします。選考ではテーマの緊急性も加味して助成候補を絞ります。書類選考を通過した応募金額50万円以上の応募者には公開プレセンテーションで応募テーマについて直接説明していただき、それをもとに理事会において最終的に助成者を決定します。
高木基金では、限られた予算を市民科学にふさわしい課題にどれだけ有効活用できるか、成果がどのように社会に還元されるかを重視して選考をおこなっています。他から資金を得ることが可能と思われるもの、他の助成団体への応募が相応しいと思われるものには、それらの財源を活用していただき、それが困難と考えられるものを優先しておりますので、アカデミックな研究テーマと思われるものや、また今回多数応募いただいた特定種を対象とした自然保護を目的とする生態調査は、助成対象となりませんでした。会員の皆様、応募者の方々などからも選考についてのご意見ご批判を事務局までお寄せください。今後の選考に参考にし、可能なものは反映していきたいと思います。
第5回助成には核・原子力、廃棄物に関するものが多くなりましたが、今回も助成研究の成果が、社会変革に寄与することを期待しています。
市民一人一人の視点から安全、人権、環境、経済、平和にかかわる問題に鋭く切り込む市民科学者を一人でも多く生み出し育て支援するために、今後ともご支援をよろしくお願いいたします。
高木仁三郎市民科学基金
事務局長 高木久仁子
【第5回助成 応募・選考のまとめ】
・助成予算 |
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・募集期間 |
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・応募件数 |
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・書類選考 |
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・最終選考 |
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・初年度からの累計 |
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