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北海道の原発と地層処分問題の科学的検討



グループ名 行動する市民科学者の会・北海道 研究成果発表会配布資料[pdf]
代表者氏名 斉藤 海三郎 さん
URL
助成金額 60万円

岩内平野の地層および原発周辺の地形・地層の調査の様子。2016年4月

泊原発周辺地形・地層調査現地見学会。幌似近くの火砕流堆積物調査の様子。全国から60名以上参加した。2016年10月

【ずさんなデータの採取と整理・解析】北電の試料採取方法、分析、解釈の科学的基礎がなっていない

行動する市民科学者の会・北海道 パンフレット「泊原発再稼働してはいけない8つの理由」の1ページ目

高木基金「市民科学 研究成果発表会 2017」での発表の様子(斉藤海三郎さん)

研究の概要

2015年12月の助成申込書から

1.泊、大間原発について、これまで原子力規制委員会の適合性審査で、電力会社が発表してきた厖大な資料を市民の立場と科学的な観点からチェックし、どこに問題点があるかを明らかにします。
2.同様に、高レベル核廃棄物の地層処分について、これまでNUMOなどが出してきている資料をチェックし、科学的な観点から問題点を明らかにします。
3.以上の作業を通じて、さらに現地調査を行い、電力会社側の主張のどこが間違っているかを証明するためのデータをとります。
4.これらの作業において、申請者らの専門分野外の知識や研究手法を必要とするときは、適宜、適切な専門家を招き、指導を受けたうえで、さらに研究を進めます。
5.得られた研究成果は、学会誌などに論文として投稿するいっぽう、できるだけわかりやすい表現に直して、パンフレットなどをつくり、また勉強会や講演会などを開いて、成果を一般市民に広く知ってもらうようにします。

中間報告

2016年10月の中間報告から
 原子力規制委員会は、2013年以来、泊原発に対する新規制基準適合性に係る審査会合を開催し、活断層、地震、津波、火山に関するものだけでも 50回に及んでいます。毎回、北海道電力からは膨大な資料が出されていますが、規制委は委員の人数も限られ、また専門家も限られていることから、これらの資料をチェックできていません。しかし規制委は、自らの判断で合格させた原発から再稼働を許可しており、きわめて憂慮すべき状態にあります。
 私たちは、北電が規制委に提出した厖大な資料をすべてチェックすることから研究を始めました。その結果、泊原発敷地内で、F-1断層が明確に変位させている「岩内層」の年代や位置づけに大きな問題があることがわかりました。そこで、雪解けを待って、北電が「岩内層」としてきた地層を現地で調査した結果、この地層は北電の言うような120万年前の地層などではなく、場所によっては、12.5万年前、33万年前など、更新世の異なる海進の堆積物であり、堆積年代はずっと新しいことを明らかにすることができました。こうしたことから、新規制基準に基づけば、F-1断層は、明らかに「活断層」となります。
 私たちは、調査を継続するほか、この研究結果を規制委に伝えるため、規制庁に申し入れをしたり、さまざまな働きかけを行っています。10月には、現地で、一般の方や、全国で原発訴訟に関わる方を対象に、研究成果を説明する巡検も企画中です。地層処分問題については、4月に、資源エネルギー庁のパブリック・コメントに意見を提出しました。

結果・成果

完了報告・研究成果発表会資料より
 泊原発の新規制基準適合性審査について、北海道電力が発表した資料や、原子力規制委員会の審査会合での質疑応答の動画や議事録を継続してウォッチすることにより、両者に様々な問題があることを明らかにしてきました。特に、2015年に入り、規制委員会は北電の主張をつぎつぎとなし崩し的に「承認」し、その後、北電は策略的に再稼働に向けて準備を展開してきました。これらの根底には、単に北電の杜撰な主張や結論などがあるだけではなく、規制委員会自身の判断や評価能力にも問題があると考え、状況の打開に挑戦しました。
 私たちは、岩内平野と泊原発周辺の地形・地質に関する文献調査と現地野外調査により、北電の主張の決定的な間違いを科学的に解明し、規制庁にその結果を報告し、厳格な科学的検討と審査の見直しなどを3回申し入れました。また、日本活断層学会で、調査結果を発表しました。
 これまでの私たちの発表など個人と団体の働きかけや、再稼働反対の国内世論などを背景に、2017年3月10日の審査会合で大きな転換が見られました。規制委員会は、北電に対し、以下のことなどを厳しく要求しました。

(1)岩内層を一つの地層とみなす考えは見直し、再検討すること。
(2)地震性隆起を否定する北電のこれまでの主張は認められない。積丹半島が地震性隆起である可能性について、規制委員会が自ら示した根拠を参照した上で、地震性隆起を検討すること。
(3)磯や海岸を埋め立ててできた敷地や防潮堤などは地震による液状化により崩壊する可能性があることを検討すること。


 これらの結果、今後、適合性審査において、活構造の存在の可能性を真剣に検討することになり、これまでの流れは大きく変わることが期待されます。

その他/備考


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