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福島原発事故による茨城県の放射能長期汚染とその特徴(1)



グループ名 いばらき環境放射線モニタリングプロジェクト 研究成果発表会配布資料[pdf]
代表者氏名 天野 光 さん
URL https://www.facebook.com/IBARAKIERMP/
助成金額 40万円

東海村渚の森公園での高さ毎の空間線量率測定の様子

放射性Cs やSr-90 の測定例(2018 年)

いばらき空間線量率の高さ分布マップ(2018年度)。同じ場所で地表面、0.5m、1.0m 高さ測定。線量率毎に色分け(緑:0.23μSv/h以下、橙:0.23-0.5μSv/h、赤:0.5μSv/h以上)

研究の概要

2017年12月の助成申込書から
 東京電力福島第一原発(1F)事故により、福島県を始め、東北地方や関東全域は広範囲に放射能汚染された。こうした中で福島県での放射能測定はかなり集中的に行われているが、茨城県での測定は、散発的であり、汚染があるにも拘わらず、茨城県での放射能汚染の特徴は必ずしも明らかではない。本研究は、茨城県における空間線量の測定を主体とし、茨城県におけるホットスポットや汚染の特徴を明らかにし、放射能汚染の将来予測を行う。1F事故が経過してから2018年3月で丸7年となり、空間線量に及ぼすセシウム-134(半減期2年)の影響はほぼなくなっている。空間線量に影響する放射性核種は、天然放射性核種以外ではセシウム-137(半減期30年)が主となってきており、今回の測定により、空間線量の将来予測も可能である。またホットスポットにおいては土壌中の放射性セシウムの他に重要核種であるストロンチウム-90の測定も行い、Sr-90/Cs-137比を明らかにし、福島事故による汚染の特徴を明らかにする。空間線量値は測定器の特性によっても異なるので、我々の測定では校正された同じシンチレーション測定器(日本精密測器製RADCOUNTER DC-100)を用い、国の基準で校正された測定器とのクロスチェックも行う。また測定のフォーマットは統一して行う。東海第二原発の再稼働も目論見られている。再稼働となれば、放出される放射性希ガス等による空間線量の増加も考えられるので、1F事故後の値とその特徴をしっかり把握しておくことが重要である。また県内の何地点かでは環境放射能汚染指標植物として松葉及び桑の葉を採取し放射能測定を行う。
 また可能ならば、事故初期からの茨城県の放射能汚染とその特徴についても、整理しておく。


【 この助成先は、2019年度にも同様のテーマで助成を受けています → 2019年度の助成事例 】
【 この助成先は、2020年度にも同様のテーマで助成を受けています → 2020年度の助成事例 】

中間報告

2018年10月の中間報告から
 本プロジェクトに携わっているのは、自分たちの生活する場所やその周辺での環境放射線等を測定し、生活の安全確認、茨城県における福島原発事故の影響調査、原発の新規立地や再稼働阻止のための活動を行っている茨城県民のグループです。
 東京電力福島第一原発の事故により、福島県を始め東北地方や関東全域は広範囲に放射能汚染されました。こうした中で福島県での放射能測定はかなり集中的に行われていますが、茨城県での測定は散発的であり、汚染があるにもかかわらず、茨城県での放射能汚染の特徴は必ずしも明らかではありません。
 本調査の目的は、茨城県における空間線量の測定を主体とし、茨城県における汚染場所や汚染の特徴を明らかにし、放射能汚染の将来予測を行うことです。茨城県を県北、県央、県西、県南、鹿行の5地域に分け、それぞれ測定担当者を定めています。空間線量の測定に当たっては、測定場所での代表的な値を見極めるとともに、ホットスポットなども探し、各測定場所での最大値も記録します。測定場所で地表面、50cm高、1m高での測定も行います。県内数か所では土壌(深さ0〜5cm、5〜10cm)や植物を採取し、放射性セシウム及びストロンチウム90の測定を行います。空間線量の将来予測も可能です。空間線量の値は測定器の特性によっても異なりますので、我々の測定では校正されたシンチレーション測定器(日本精密測器製RADCOUNTER DC-100 及びベラルーシ製Polimaster PM1703MO-1BT、堀場製作所Radi PA-1000)等を用いて、国の基準で校正された測定器とのクロスチェックも行います。
 また測定のフォーマットは統一しています。茨城県の生活空間における高線量率の場所の存在を明らかにしマッピングを行います。線量率は当面は0.23μSv/h以下(緑)、0.23?0.5μSv/h(橙)、0.5μSv/h以上(赤)で色分けしています。高さ毎の測定値も、地図上に表示しています。地図からは測定日時や緯度、経度、高さ毎の空間線量率の他に、測定場所の写真なども見ることが出来ます。空間線量率の高さ依存は通常は地表面が一番高いのですが、松林などでは、地表面より1m高さの方が高い場所も存在します。

結果・成果

完了報告・研究成果発表会資料より
 東京電力福島第一原発の事故により、福島県を始め東北地方や関東全域は広範囲に放射能汚染されました。こうした中で、福島県での放射能測定はかなり集中的に行われていますが、茨城県での測定は散発的であり、汚染があるにもかかわらず、茨城県での放射能汚染の特徴は必ずしも明らかではありません。
 福島第一原発事故が発生してから2019年3月で丸8年となり、空間線量に及ぼすCs-134(半減期2年)の影響はほぼなくなってきています。空間線量に影響する放射性核種は、天然放射性核種以外ではCs-137(半減期30年)が主となってきており、今回の測定により、測定場所での空間線量の将来予測も可能です。
 また植物や土壌(0〜5cm、5〜10cm深さ)中の放射能の測定も行い、土壌や植物中のSr-90/Cs-137比や、土壌から植物への移行係数を明らかにし、茨城県における福島第一原発事故による汚染の特徴を明らかにしています。
 ホットスポットの探索に関しては、1mの高さでの歩行測定を行い、スマホの位置情報と連動した空間線量率計を用いて、グーグルマップ上に線量率毎に色分けし、マッピングしていますが、県内のあちこちで高汚染場所が見つかっています。
 環境放射能汚染指標植物としては、松葉及び桑の葉を採取し、採取地の土壌とともに放射能測定を行いました。桑の葉への見かけの移行係数は乾燥重量あたりCs-137について0.008、Sr-90について0.8でした。1年葉の松葉へのCs-137の見かけの移行係数は0.6と高く、空間線量率の高さ分布は、松林内では地表面より1mの高さの方が高い場合があり、松葉へのCs-137 の見かけの移行係数の高さと整合的です。測定を行った桑の葉及び松葉(1年葉)中のSr-90/Cs-137比は、それぞれ1.59及び0.005でした。これらの数値は、土壌から植物への根を介した放射性核種の移行のしやすさ(移行係数)及び土壌中のSr-90やCs-137濃度に依存していると考えられますが、桑の葉では1を超えていました。
  土壌中深さ分布については、2018年時点で、5〜10cm深さでは、桑の木の根元の未耕作地で全体の約30%でCs-137の存在が確認され、松の根元の砂質土の未耕作地では同じく約10%が存在していて下方浸透していることがわかりました。

その他/備考


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