2000年11月1日
2000年10月8日、脱原発運動のリーダーであった高木仁三郎さんが亡くなりました。高木さんは市民のための科学を提唱し、病の中にあっても、この考えに基づく若い研究者や新しい市民運動の育成に精力的に取り組んでこられました。高木さんが亡くなったことによる損失の大きさは計り知れないものがあります。しかし、残された私たちにはいつまでも嘆き悲しんでいることは許されません。高木さんの掲げたこの高い志と、業績を引き継ぎ、発展させなければなりません。高木さんはそのことについて、別紙の「高木基金の構想と我が意向」という「遺言書」を残しました。
その要旨は、
1.自分の全財産(約2000万円)を第1のファンドにしてほしい。
2.自分の葬儀はごく身内だけのものとし、そのかわり「偲ぶ会」を開き、参加者に呼びかけて高木基金への寄付をお願いして、第2のファンドとしてほしい。
3.基金の目的は次のとおりとする。
(1)市民の科学を目指す研究者個人の資金面での奨励と育成
(2)市民の科学を目指すNPO(NGO)の資金面での奨励と育成
(3)アジアの若手研究者の育成
4.助成金を受ける人・団体を選定するための「運営委員会」を上記意図の理解者により構成してほしい。
私たちは、この高木仁三郎さんの構想を全面的に受け入れて高木基金を設立したいと思います。2000年12月10日、午後1時〜4時の日比谷公会堂における「高木仁三郎さんを偲ぶ会―平和で持続的な未来に向かって―」には是非ご参加を戴き、かつ、なるべく多くのご寄付を下さるようお願い申し上げます。
なお、この高木基金と原子力資料情報室は別個の団体とし、その運営にあたる理事なども重複しないようにします。高木学校や原子力資料情報室は、市民の科学をめざすNPOの一つとして、助成を受ける候補という位置付けになります。
高木基金設立委員会
代表:河合弘之
設立委員:堺信幸、司波総子、マイケル・シュナイダー、高木久仁子