高木仁三郎市民科学基金
2019年度 国内枠調査研究助成
書類選考通過者の調査研究計画概要(受付番号順)
2019年度 国内枠調査研究助成
書類選考通過者の調査研究計画概要(受付番号順)
(下記は、それぞれの応募者の助成申込書から概要のみを転載したものです。)
代表者名 |
山本 章子さん |
応募金額 | 100万円 |
テ ー マ | グアム政府による米軍基地環境汚染調査 ―沖縄県へのインプリケーション | ||
概 要 |
2018年11月、沖縄県の調査によって、在沖米軍基地周辺の河川や浄水場など計15地点で、発がん性の有機フッ素化合物が高濃度で検出された。米軍基地による環境汚染は長年認識されてきたが、沖縄県民の生活用水が汚染されている実態があらためて示された。だが、米軍は日米地位協定を理由に、「内部調査中」との回答を繰り返すだけで、沖縄県による基地内への立入調査に応じていない。沖縄県はこれまで、年一回の基地内への立入調査が認められてきたが、2015年の日米環境補足協定成立後は、協定に規定がないとして、それさえ米軍から拒否されている。
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グループ名 代表者名 |
コンゴの性暴力と紛争を考える会 華井 和代さん |
応募金額 | 100万円 |
テ ー マ | コンゴにおける資源採掘と人権侵害の実態調査 | ||
概 要 |
本研究は、コンゴ民主共和国(以下、コンゴ)東部において資源採掘と地域住民への人権侵害が結びついている現状を明らかにし、資源消費国である日本の政府、企業、市民が責任ある行動をとるための提言を行う。
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グループ名 代表者名 |
いばらき環境放射線モニタリングプロジェクト 天野 光さん |
応募金額 | 90万円 |
テ ー マ | 福島原発事故による茨城県の放射能長期汚染とその特徴(2) | ||
概 要 | 東京電力福島第一原発(1F)事故により、福島県を始め、東北地方や関東全域は広範囲に放射能汚染された。こうした中で福島県での放射能測定はかなり集中的に行われているが、茨城県での測定は、散発的であり、汚染があるにも拘わらず、茨城県での放射能汚染の特徴は必ずしも明らかではない。一般人に対する追加被ばく線量限度である1mSvを超える場所も存在している。本研究は、茨城県における空間線量の測定を主体とし、茨城県におけるホットスポットや汚染の特徴を明らかにし、放射能汚染の将来予測を行う。1F事故が経過してから2019年3月で丸8年となり、空間線量に及ぼすセシウム-134(半減期2年)の影響はほぼなくなっている。空間線量に影響する放射性核種は、天然放射性核種以外ではセシウム-137(半減期30年)が主となってきており、空間線量の将来予測も可能である。また土壌や植物中の放射性セシウムの他に重要核種であるストロンチウム-90の測定も行い、Sr-90/Cs-137比や植物への移行係数を明らかにし、福島事故による汚染の特徴を明らかにする。空間線量値は測定器の特性によっても異なるので、我々の測定では校正されたシンチレーション測定器(日本精密測器製RADCOUNTER DC-100、堀場製作所製Radi PA-1000及びベラルーシPOLIMASTER社製PM1703MO-1BT)を主に用い、国の基準で校正された測定器アロカ製172B等とのクロスチェックも随時行う。また測定のフォーマットは統一して行う。測定で解明される茨城県内のホットスポットを繋ぎ合せると放射性プルームの流れが見て取れる。SPEEDIなどの予測モデルで放射性プルームの初期の流れが推測されているが、大気の流れは複雑であり、必ずしも推測値が実際の流れと合致している訳ではない。こうした実測による解析により茨城県民の初期被ばく、それに続く現存被ばく、将来被ばくを明らかにしてゆく。こうした調査を東海第2原発再稼働阻止に結びつける。 |
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グループ名 代表者名 |
中皮腫サポートキャラバン隊 鈴木 江郎さん |
応募金額 | 100万円 |
テ ー マ | 中皮腫患者に対するピアサポート活動と石綿ばく露調査 | ||
概 要 |
アスベストが原因で発症する中皮腫の患者はいまピークを迎えており(年間死亡者1500人超え)、今後も十数年はこの傾向が続くと推測されている。また30歳代〜50歳代の現役世代からの中皮腫の相談が増えている。一方で中皮腫は希少ガンとして治療の開発が遅れ、治療の選択が限られている現状にある。また中皮腫患者は同じ病気の患者と会う機会もなく、精神的にも孤立した状況に置かれている。そんな中、中皮腫の患者どうしがお互いに支え合うピアサポート活動の必要性が高まっている。
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代表者名 |
山下 慎吾さん |
応募金額 | 63万円 |
テ ー マ | 四万十川河口域におけるテナガエビ類幼生の分布調査 | ||
概 要 |
四万十川流域では,テナガエビ類は川エビとよばれ,川漁等の生業,食文化や観光,環境学習の大切な資源となっている。ところが,2010年以降,その個体数が激減し,現在も減少した状態となったままである。
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グループ名 代表者名 |
空気汚染による健康影響を考える会 山本 海さん |
応募金額 | 40万円 |
テ ー マ | 家庭用品から大気中に放散されるマイクロプラスチックによる汚染実態調査 | ||
概 要 |
近年、柔軟剤、洗剤、芳香剤や消臭スプレーの家庭用品には、接着性のある合成樹脂成分のマイクロカプセルに包まれた香料や抗菌成分が用いられている。このマイクロカプセル化技術は、内包した化学物質の徐放性や残留性を目的としたもので、日用品を対象に実用化されるようになってからまだ10年程しか経たない新規技術である。
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グループ名 代表者名 |
河北潟湖沼研究所・再汽水化プロジェクトチーム 高橋 久さん |
応募金額 | 100万円 |
テ ー マ | 河北潟の再汽水化に向けた基礎研究@再汽水化する上での課題の整理 | ||
概 要 |
日本の多くの汽水域・浅海域で生態系の破壊が進んでいる。河北潟も干拓と淡水化による生態系劣化の問題を抱えている。これまで順応的管理の手法を用いて河北潟の環境改善の取り組みを進め、一定の成果とともに河北潟の環境問題と深い関係にある農家や農業団体、自治体との間に協働の仕組みを作ってきた。しかし、主要な環境問題である水質問題は解決しておらず、この問題の解決には、順応的管理とともに潟のあり方を大きく変更することが必要である。そこで、河北潟を農業用溜池としての限定的な利用から開放し、地域が河北潟の生態系サービスを享受できる潟の再汽水化を展望するために必要な基礎研究を行い提言をまとめる。
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代表者名 |
山ア 真帆さん |
応募金額 | 23万円 |
テ ー マ | 津波被災地域における「かさ上げ盛土工事」をめぐる市民の論理 | ||
概 要 |
本調査研究は、東日本大震災津波被災地域における「かさ上げ盛土工事」をめぐる市民の論理を整理、体系化し、行政の論理への対抗軸として提示することを目的とする。2011年の巨大津波により甚大な被害を受けた被災地域では、現在復旧・復興事業が佳境を迎えつつある。特に被害の大きかった一部地域では、津波による浸水から住民の命、暮らしを守る目的で、市街地などを数m〜十数m程度かさ上げする「かさ上げ盛土工事」が選択された。同工事は行政や防災分野の専門家の「安全性を高め『住民の命・暮らしを守る』」という論理を背景に、景観や構造を大規模に改変してきた。しかしながら、同工事の実施にあたっては、守られるべき「命」「暮らし」の主語たる住民の視点が見落とされてきている。また防潮堤の建設や高台移転の実施といった「住民の命・暮らしを守る」ための関連事業においては、すでに住民や研究者・実践者らの手により対抗論理が構築されつつあるが、本課題については未だ目立った運動が見られない。
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代表者名 |
鴫原 敦子さん |
応募金額 | 79万円 |
テ ー マ | 宮城県における「原発事故に向き合う市民の記録集」製作プロジェクト | ||
概 要 |
福島県に隣接し、原発事故の影響下にあった宮城県における被害状況の実態把握は、事故当初から十分になされてきたとは言い難い。こうした実情を踏まえ、本調査研究では、事故後の詳細な社会的事実関係の記録と、宮城県南・県北地域を中心に市民的立場から実態把握を目指して取り組まれてきた測定・調査活動の成果を網羅的に整理・集約し、原発事故被害に向き合う市民社会の記録集を作成する。そのために、行政機関がすでに公表済みのデータ、各地の測定室や市民グループが自主的に測定したデータ(空間・土壌・食品含む)など県内に散在する情報の集約と体系的整理、および未だサンプル収集段階で調査途上の、ほこりに含まれるセシウムボールに関する研究成果も可能なかぎり含めた記録集を作成したい。 |
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代表者名 |
川尻 剛士さん |
応募金額 | 30万円 |
テ ー マ | 水俣病患者の生き直しに関する基礎的研究;生活史調査を通して | ||
概 要 |
熊本水俣病問題は、日本の高度経済成長期にチッソ水俣工場の汚染排水によって不知火海沿岸一帯で激甚に発生した巨大水銀中毒問題で、今日もなお続く公害問題である。現在でも確たる治療法が存在しない水俣病に対して、生存患者たちはそれぞれの生活の中で「不治」の病いと向き合ってきた。
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代表者名 |
島 明美さん |
応募金額 | 100万円 |
テ ー マ | 伊達市における除染にける住民対策についての調査研究ならびに宮崎早野論文の成立の経緯についての調査および市民による論文内容の批判と検証 | ||
概 要 |
伊達市で2011年から実施されているガラスバッチ測定結果をもとに、福島医大の宮崎真氏と東京大学早野龍五氏は独自に解析を行い、2本の共著論文として発表した。これらの論文は、ICRPの勧告や国の被ばく防護政策に反映され、世界の原発政策に影響を与えている。
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グループ名 代表者名 |
ふくいち周辺環境放射線モニタリング・プロジェクト 満田 正さん |
応募金額 | 50万円 |
テ ー マ | 福島第1原発周辺地域の空間および土壌の放射線測定 | ||
概 要 |
2011年の福島第一原発爆発事故で、放射性物質に汚染された福島県南相馬市鹿島区・原町区の山側8行政区(特定避難勧奨地点のあった地域)を中心に、2012年10月より積雪の可能性のある2月を除き毎月1回(約1週間)、これまで56回にわたる放射線測定を行っています。2015年からは伊達市や川内村、避難指示が解除になった飯舘村、浪江町、富岡町、葛尾村、川俣町山木屋等に測定エリアを広げています。
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グループ名 代表者名 |
太平洋核被災支援センター 橋元 陽一さん |
応募金額 | 100万円 |
テ ー マ | 太平洋核実験による放射線被災実態を解明し、被災船員救済のための研究をすすめる。 | ||
概 要 |
「ビキニ水爆実験による第五福竜丸以外のマグロ船と貨物船などの被災の実態と乗組員の健康状態追跡調査」にこれまで取り組んできた。核兵器禁止条約批准を視野に入れたビキニ事件の歴史的検証が重要になっている。
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代表者名 |
伊藤 延由さん |
応募金額 | 30万円 |
テ ー マ | 福島県飯舘村の村民のための、放射能による村内環境汚染の実態調査 | ||
概 要 |
飯舘村は2017年3月末日に一部地域を除き避難指示が解除され帰還が進められています。
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グループ名 代表者名 |
福島老朽原発を考える会(フクロウの会) 青木 一政さん |
応募金額 | 50万円 |
テ ー マ | 焼却による放射性ごみ処分の問題点調査と環境汚染監視 | ||
概 要 |
本研究は2018 年度助成を受けた「放射性ごみ『リサイクル計画』の実態調査と環境汚染監視」の継続である。18 年度の活動により、汚染廃棄物焼却や木質バイオマス発電に反対する住民グループとの連携が広がり、リネン吸着法等による監視の動きも予想以上に広がった。このためテーマを「焼却による放射性ごみ処分」に改め、対象をより明確化した。また監視や啓発・宣伝による運動の強化により重点をおいた形で展開する。
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グループ名 代表者名 |
泡瀬干潟を守る連絡会 前川 盛治さん |
応募金額 | 50万円 |
テ ー マ | 沖縄県沖縄市泡瀬干潟の埋立工事に伴う干潟環境・生物相の変化 | ||
概 要 |
これまで泡瀬干潟のサンゴ群落、貝類、ホソエダアオノリなどの調査を実施してきたが、泡瀬干潟の現状を把握するため引き続き調査を実施したい。サンゴ群落の定点観測(以下1の(1))は埋め立て工事の周辺の環境への影響を測ることを目的とし、移植サンゴの現状調査(1の(2))は事業者が行った環境保全措置の適正を見ることを目的とする。ホソエダアオノリの大発生は工事の影響により水の流れに変化が生じたことによるものと思われるため、大発生による生物への影響を測ることは工事の影響を測ることにつながる。
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グループ名 代表者名 |
被ばく労働を考えるネットワーク なすびさん |
応募金額 | 50万円 |
テ ー マ | 原発労働者の労働安全・補償制度と被曝労働災害の実態に関する国際調査(その3) | ||
概 要 |
福島原発事故以前から政府と電力会社及び元請会社は、原発労働者の労働実態と健康被害状況について隠蔽と言って差し支えないほど明らかにしていない。しかし多くの証言から、主として非正規雇用労働者が使い捨てられてきたことは明らかである。労働者保護制度は不備であり、使いうる制度さえ労働者がアクセスしにくい環境が作られている。原発被曝労働に関する実態解明と労働安全・労働者保護制度そのものと運用のあり方の抜本的見直しは緊急の課題である。また、原発問題のアキレス腱でもある被曝労働問題があまり注視されないのは、原発を持つ他の国でも同様であり、この問題は国際的な共通課題である。
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グループ名 代表者名 |
放射能を含む廃棄物から子供たちと大久保の自然を守る住民の会 北澤 勤さん |
応募金額 | 50万円 |
テ ー マ | 放射性物質を含む廃棄物最終処分場予定地周辺の住民参加型環境調査 | ||
概 要 |
福島第一原発事故後に大量の放射能汚染された廃棄物が発生したことを受け、放射性物質に汚染された8000Bq/kg以下の廃棄物が含まれていても、産廃事業者等により通常の廃棄物と同様に処理が可能とされるようになり、放射性物質の拡散が懸念されています。 2015年、民間事業者により長野県宮田村に、放射性物質に汚染された廃棄物を含む処分場建設計画が持ち込まれました。宮田村のある伊那谷地域は南アルプスと中央アルプスの高い山々に囲まれ、放射能汚染のほとんどない地域です。住民一丸となり、全国からも支援を受けながら反対運動を続けてきましたが、計画は中止されることなく、事業者は予定地にある旧セメント工場の解体に向けて準備を進めており、いつ処分場設置許可申請の手続きを始めるかわからない状況です。
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グループ名 代表者名 |
遺伝子組換え食品を考える中部の会 河田 昌東さん |
応募金額 | 66万円 |
テ ー マ | 輸入遺伝子組換えナタネ輸送路沿道におけるナタネの自生と交雑種に関する調査・研究 | ||
概 要 |
本調査・研究では、輸入ナタネの運搬経路である国道23号沿道(三重県四日市市-津市)におけるナタネの自生状況を定期的に調査し、簡易検査によって自生ナタネの遺伝子組み換え(GM)率を把握する。
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