高木基金について助成応募の方法これまでの助成研究・研修高木基金の取り組みご支援のお願い

高木基金の取り組み

トップページ > これまでの助成研究・研修 > 2020年度国内枠調査研究助成 書類選考通過者の調査研究計画概要

高木仁三郎市民科学基金
2020年度 国内枠調査研究助成
書類選考通過者の調査研究計画概要(受付番号順)


(下記は、それぞれの応募者の助成申込書から概要のみを転載したものです。)

グループ名
代表者名
中皮腫サポートキャラバン隊
鈴木 江郎さん
応募金額 100万円
テ ー マ 中皮腫患者に対するピアサポート活動と石綿ばく露調査
概  要

 アスベストが原因で発症する中皮腫の患者はいまピークを迎えており(年間死亡者1500人超え)、今後も十数年はこの傾向が続くと推測されている。また30歳代〜50歳代の現役世代からの中皮腫の相談が増えている。一方で中皮腫は希少ガンとして治療の開発が遅れ、治療の選択が限られている現状にある。また中皮腫患者は同じ病気の患者と会う機会もなく、精神的にも孤立した状況に置かれている。そんな中、中皮腫の患者どうしがお互いに支え合うピアサポート活動の必要性が高まっている。
 また安易に石綿ばく露不明とされる中皮腫患者が増えてきており、ばく露不明とされた中皮腫患者の石綿ばく露について改めて聴き取りし、石綿ばく露の機会を追求していく。
 調査手法としては、中皮腫サポートキャラバン隊のメンバーが、中皮腫患者に会いに行き、現在の医療面、主に経済的な生活面、精神的なケアの面で患者の要望や石綿ばく露原因をアンケートやインタビューで明らかにしていく。
 一ヶ月で8人程度への調査を予定しており、1年で100人の中皮腫患者から調査し、調査結果を集計分析し、医療機関や行政機関や社会一般に問題提起していく。


【公開プレゼン開催概要へもどる】 / 【書類選考通過者一覧へもどる】

グループ名
代表者名
鳥谷部 壌さん
応募金額 100万円
テ ー マ メコン河流域における大規模ダム開発と国際法の支配
―事前通報・協議プロセスを中心とする手続的規律の展開―
概  要

 21 世紀に入り、世界人口の増加、都市化、さらには気候変動の影響に伴う異常気象や自然災害により、世界各地で水不足が深刻化し、水資源を巡る国際紛争の増加が懸念されている。本研究課題であるメコン河もその例外ではない。2019年5〜9月の間、メコン河下流域の水位は過去100年で最も低い値を記録した。その原因は気候変動の影響に加え、本流上流域の大規模ダム開発にあるとされる。ところが同河流域のダム開発はこれまで国家主導で行われ、市民などの重要な利害関係者の参加を拒んできた。その結果、メコン河本流のダム開発をめぐり、下流諸国(ラオス、タイ、カンボジア、ベトナム)の間で国際紛争を生じさせるとともに、最上流国である中国の大規模ダム乱立に対し下流諸国との間に緊張をもたらしてきた。  そこで本研究は、メコン河本流の大規模ダム開発に伴う同河の水ガバナンスの将来像を描くべく、市民科学の視点に立って考察を進める。より具体的には、本研究は、メコン河協定及び手続規則に基づく事前通報・協議(環境影響評価を含む)プロセスにおける市民参加の現状及び問題点を把握したうえで、国際法の市民参加に関する理論や他地域(とりわけ欧州)の先進的実践を素材として、メコン河流域を中心とするアジア的な「市民参加型の国際法の支配」のあり方を説得的かつ具体的に提示することを目的とする。  以上の研究課題の解明は、メコン河の衡平かつ持続可能な利用の実現への重要な手掛かりとなるだけでなく、同質の文化・歴史を有するインドシナ大陸の他の(国際)河川管理制度構築のための1つのモデルとなることが期待できる。


【公開プレゼン開催概要へもどる】 / 【書類選考通過者一覧へもどる】

グループ名
代表者名
原発報道・検証室 裁判文書・政府事故調文書アーカイブプロジェクト
添田 孝史さん
応募金額 80万円
テ ー マ 東電原発事故の裁判資料や政府事故調資料の公開データベース作成
概  要

 本調査研究では、東京電力福島第一原発事故を巡る裁判や、政府事故調が保有する資料を収集・整理した公開データベースを作成する。
 事故の原因や被害については、政府や国会の事故調が2012年に報告書をまとめたが、まだ未解明なことが多く残されている。現在、事故検証の場は、住民らによる損害賠償請求(集団訴訟だけで約30)や株主代表訴訟、刑事裁判などの法廷に移っている。裁判で提出された文書や、判決文などは、事故の実態を明らかにしたり、どのように検証されてきたかをたどったりする上で、重要な資料となる。
 しかしこれら資料は、各裁判の原告らが一部公開しているのみで、網羅的に収集整理している機関はなく、今後も保存や活用できるのか、心配されている。そこで、原告や被告の国・東電が提出した専門家の意見書、被害者らの陳述書面、準備書面や、裁判所の判決要旨、判決文などを収集整理し、公開データベースを作る。
 政府事故調が収集した資料(約2千タイトル)についても、目録のみが2018年12月に開示されたが、文書本体はまだ未公開のままである。これらについても、保存年限が限られている文書があるため、急いで集めておく必要がある。
 これらの裁判資料、政府事故調資料のデータベースを誰でも無料で使える形で公開し、裁判を起こしている住民や弁護士のほか、ジャーナリスト、研究者に利用してもらうことで、東電福島事故の実相により深く解き明かすことが期待できる。


【公開プレゼン開催概要へもどる】 / 【書類選考通過者一覧へもどる】

グループ名
代表者名
山ア 真帆さん
応募金額 38万円
テ ー マ 津波被災地域における大規模復興公共事業の「その後」についての調査研究
概  要

 本研究は、東日本大震災津波被災地域において、復興事業の主軸として展開された大規模な公共土木工事が、地域住民の生活に「与えた」影響について調査・整理することを目的とする。
 甚大な被害を受けた津波被災地域では、政府が定めた東日本大震災からの復興期間の終期(2020年度末)が迫るなか、大規模に展開されてきた復旧・復興のための公共事業が大詰めを迎えている。たとえば、代表的な津波被災地である宮城県本吉郡南三陸町では、防潮堤の建設や高台移転の実施、市街地のかさ上げ盛土工事、河川の護岸工事といった大規模事業が一体となって展開され、まちの景観や構造を大幅に改変した。その背景には、行政や防災分野の専門家の「安全性を高め『住民の命・暮らしを守る』」という論理がある。こうした論理のもと、防潮堤に代表される津波防災施設の建設が復興まちづくりの前提条件であるとして住民合意が強引に進められ、守られるべき「命」「暮らし」の主語たる住民の視点はないがしろにされた。研究者・実践者らは早い段階からこうした復興制度の問題点、想定される地域社会への影響を繰り返し指摘し、積極的に提言活動に取り組んだ。
 本研究では市民の立場から、一連の復興事業の「その後」に着目する。具体的には、復興計画の最終年度(2020年度)を迎える南三陸町において地域住民を対象としたインタビュー調査を実施し、こうした事業が実際に地域住民の生活にどのような影響を与えているのかを調査する。収集した語りは、KJ法を用いて整理・分析に付す。また申請者は、近い将来に想定される大規模災害を念頭に、市民社会への成果の還元を目指して本調査研究に取り組んでいく。


【公開プレゼン開催概要へもどる】 / 【書類選考通過者一覧へもどる】

グループ名
代表者名
福島県有機農業ネットワーク
浅見 彰宏さん
応募金額 100万円
テ ー マ 日本人における除草剤成分グリフォサートの暴露実態と有機食材によるデトックス効果の検証
概  要

 グリフォサートは世界で最も使われている除草剤成分です。海外では、グリフォサートも含めて農薬の使用制限が始まり、グリフォサートが悪性リンパ腫を引き起こしたと旧モンサント(現在バイエル農業部門)を訴える訴訟が相次いでいます。海外の有機農業マーケットも急速に伸びています。これに対して、日本国内では世界で最も農薬を使用しており、輸入食材の残留農薬も規制が欧米よりも緩い状況です。国内有機農業マーケットも停滞してきました。国会議員がグリフォサートの毛髪検査を行い、参議院でも学校給食に使われるパンへのグリフォサート残留が質問されるなど、これまでにないほど社会の関心が高まっていますが、人体の曝露実態はほとんどわかっていません。市民参加型でグリフォサートの尿検査をすることで、1)日本人のグリフォサート曝露レベルを明らかにし、2)遺伝子組換えの食材(トウモロコシ、ナタネ、大豆)や収穫前にグリフォサートを散布している小麦、ソバなどを食べることでグリフォサートレベルが増加すること、3)有機食材を食べることでグリフォサートレベルを大幅に低減できることを明らかにします。以上をイラストにまとめて、輸入食材を避けて有機食材を摂ることの重要性を一般市民に訴求し、国内の有機農業推進につなげます。


【公開プレゼン開催概要へもどる】 / 【書類選考通過者一覧へもどる】

グループ名
代表者名
八塚 春名さん
応募金額 100万円
テ ー マ 原子力災害後の木灰利用と流通の課題克服に向けた実証的研究
概  要

 福島原子力災害により、2012年以降、食品加工への木灰利用が制限されてきた。それゆえ、さまざまな地域や産業界において、木灰が担ってきた文化的、経済的、社会的な機能が大きく消失していると予測される。しかし、木材やキノコと比較して、木灰は経済的価値が十分に評価されてこなかったためか、原子力災害による影響に関する研究はほとんどない。木灰の一部は食品加工に用いられてきたが、木灰の放射線量や加工品への放射性物質の移行率に関するデータもほとんど蓄積されていない。そこで本研究では、木灰の利用と流通の実態とその変遷を把握すると共に、原子力災害による社会・文化的影響を、トチ餅づくりにおける木灰利用とアク抜きにともなう放射性物質の移行に関する実験から明らかにすることを目的とする。
 方法としては、原子力災害前/後の、木灰の利用方法、木材―木灰流通ルート、木灰―加工品ルートを解明するための現地調査を実施する。また、これらにかかわる諸アクターを対象に、原子力災害後における各自の生業活動の継続状況について明らかにする。さらに、複数地域の灰を用いたアク抜き実験を実施し、木灰から食品への放射線量の移行に関する基礎的データを収集する。
 本研究によって、木灰そのものがどう原子力災害の影響を受けているのかを実証的に明らかにし、木灰利用といういわば小規模な事業から、原子力災害が人びとの暮らしや文化に及ぼす影響を総合的に解明することを目指す。本研究は、木灰という資源を今後どのように確保・利用していくのか、という課題の具体案を提示することが期待できる。


【公開プレゼン開催概要へもどる】 / 【書類選考通過者一覧へもどる】

グループ名
代表者名
インパール作戦後の和解を考える会
木村 真希子さん
応募金額 100万円
テ ー マ インド北東部マニプル州・ナガランド州におけるインパール作戦と和解――知られざる被害と果たされなかった戦後補償
概  要

 アジア太平洋戦争中のインパール作戦に関しては、軍事史研究や日本における軍隊内での意思決定と兵士への影響といった観点から研究されてきた。とくに、無理な作戦により戦闘ではなく、飢餓や疾病による日本兵への被害が大きかったことが強調されてきた。しかし、戦場となった現地であるインド北東部の被害状況に関してはほとんど研究の蓄積がない。1950年代以降、現地は紛争の影響により外国人の立入が制限され、戦闘の被害に関する包括的な研究は進んでおらず、日本にも伝えられてこなかった。
 しかし2011年以降、戦場となったナガランド州、マニプル州への渡航制限が緩和され、観光目的であれば一般市民が渡航することが可能になった。インド政府が日本政府に投資を働きかけ、同地を訪問する日本人も増加した。2019年6月には日本財団の支援によりインパールに平和祈念資料館が開館し、また12月には安倍首相の現地訪問も計画されている。しかし、現在までのところ、大使館関係者が現地を訪問しても、被害や謝罪については全く触れられていない。政府が過去にあった被害と向き合うことに後ろ向きな現状を踏まえ、被害の事実を把握し、その後の関係を考えることは市民科学にとって重要な課題であると考える。
 本研究では、以下の2つの成果を出すことを目的とする。@ナガランド州、マニプル州における被害の全容を歴史的資料と聞き取りから明らかにし、学術的な資料として出版する。A日本においてインパール作戦の戦地における被害状況を伝え、補償がなされていないことについての問題提起を試みる。また、来年度以降に市民同士の交流と和解の可能性を探り、現地での共同研究の開始につなげたい。


【公開プレゼン開催概要へもどる】 / 【書類選考通過者一覧へもどる】

グループ名
代表者名
国連小農宣言・家族農業の10年連絡会
松平 尚也さん
応募金額 100万円
テ ー マ 国連小農権利宣言・家族農業の10年を受けた日本の小農・家族農家による政策提言強化のための調査研究
概  要

 2018年国連小農権利宣言が採択され、2019年からは国連「家族農業の10年」が始まった。この国連の取り組みは、小農や家族農家・当事者が運動の主体となった。国連は持続可能な農業やSDGs目標の実現において小農と家族農業を重要な主体と位置づけている。
 一方で日本の小農・家族農業が現在直面する状況は、小農権利宣言に記される課題と通低しており、当事者による権利擁護運動が求められている。実際に小農・家族農家は気候変動などの影響を受けながら農村基盤を支え続けている。その一方で、農民の高齢化は最終段階を迎えており、小農・家族農家について政策提言を行うことはまさに喫緊の課題となっている。必要なのは国連の取り組みに倣い、農村を支える小農や家族農業を政策に位置づける運動である。実際、農業者が激減する中で国内政策においても小規模・家族農家への注目が始まっている。本事業では関連の国際潮流への理解を促すとともに、国内の小農と家族農家を核とする運動を推進し、調査研究を進めながら、政策提言の能力強化に努める。
 本研究では、小農と家族農家の当事者が主体となり市民社会、政策関係者との共同研究を行い、その現状と現場からの要望を分析する。また人的基盤やネットワーク拡大を図る。そのために政策関係者との共同研究会や調査、成果シンポジウムの開催、小農・家族農家への意見募集、国会議員や研究者の巻き込み等を行う。


【公開プレゼン開催概要へもどる】 / 【書類選考通過者一覧へもどる】

グループ名
代表者名
大久保 奈弥さん
応募金額 82万円
テ ー マ 白保と竹富のリゾートホテル建設計画地域付近の海域に生息する生物リストの作成
概  要

 沖縄県石垣島の白保集落と竹富島のコンドイビーチ付近において、リゾート開発業者による大規模ホテル建設が計画されている。白保では地上4階建てで年間10万人宿泊規模、竹富ではコテージ宿泊室24室と連棟式宿泊室5棟(23室)の計47室が建設予定であり、白保では住民から開発業者への訴訟が、竹富では開発業者から反対運動の住民代表へのスラップ訴訟が起きている。
 白保海域には世界的にも貴重なアオサンゴの大群集が広がり、他にも多種多様なサンゴが生息している。コンドイビーチは観光名所としても有名なほど、綺麗な水質の海域である。だが、そのような場所に大規模なリゾートホテルを建設し、両開発計画地域に公共下水道がないことから、開発業者はホテルの汚水排水を地下浸透させる計画である。
 ホテルの排水には、リン酸塩など海を富栄養化させる成分が多く含まれている。また、ホテル内のプールの水をそのまま排水する予定であることから、海水の淡水化も心配される。その結果、両地域に生息する貴重なサンゴ群集や海草海藻への悪影響が容易に予想される。さらに、夜間に点灯するホテルのライトによりウミガメの産卵への悪影響も心配されている。
 申請者は、日本弁護士連合会の環境部会が主催し、石垣島で行われたサンゴ礁保全シンポジウムにおいて基調講演を行い、白保のアオサンゴ群集とホテル建設予定地も視察し、両地域の反対運動の代表らから生物や環境への影響に関する相談を受けた。しかし、肝心の生物リストがなく、どのような生物が生息しているのか全く調査が行われていないことが明らかとなった。そこで、申請者が代表となり、両海域に生息する生物のリストを作成し、リゾートホテル開発が当該海域の生物に与える影響を予測することを目的とする。


【公開プレゼン開催概要へもどる】 / 【書類選考通過者一覧へもどる】

グループ名
代表者名
高野 聡さん
応募金額 73万円
テ ー マ 韓国・使用済み核燃料再検討委員会の進行過程における社会運動団体の脱原発フレーム拡張に関する研究
概  要

 韓国のムン・ジェイン政権は2019年5月に高レベル核廃棄物管理政策のあり方を議論する「使用済み核燃料再検討委員会」を設置し、現在も活動が継続中だ。長い時間をかけて、段階的に、社会の多様な層を包括した公論形成の方式は熟議民主主義と呼ばれ、高く評価されることもある。一方、脱原発団体は韓国の原発政策の歴史的背景や政治・経済的な力学を軽視した現在の公論形成では、一部権力者の意志が政策に反映され、社会的少数者の意見や声は尊重されないと反発し、社会対立が増している。
 そこで本研究はフレーミング分析を通して、現在進行中の高レベル核廃棄物に関する公論形成の過程で、社会運動団体がどのように問題を指摘し、自らの主張の正当性を訴え、他の主体と連携し、脱原発フレームを拡大しようとしているのか分析する。またフレーミング分析だけは運動団体内部の戦略や主張のみに焦点をあて、社会全体の構造を軽視してしまう危険性があるため、政治的機会構造論を導入することで、原発をめぐる韓国社会の権力構造やダイナミズム、歴史的文脈を十分考慮した分析を行う。本研究の方法は文献調査、参与観察、インタビューを中心とした定性研究である。
 韓国では2021年にウォルソン原発で使用済み核燃料の貯蔵が飽和状態を向かえるため、原発推進団体は使用済み核燃料の議論を通して、乾式貯蔵増設の必要性を強く訴えている。問題の緊急性が増す中、研究の必要性も高いと考える。


【公開プレゼン開催概要へもどる】 / 【書類選考通過者一覧へもどる】

グループ名
代表者名
空気汚染による健康影響を考える会
山本 海さん
応募金額 50万円
テ ー マ 柔軟剤や洗剤等の家庭用品から放散される微小粒子状物質の定性分析
概  要

 柔軟剤、洗剤、芳香剤や消臭スプレーの家庭用品による健康被害の声が上がっている。昨今の家庭用品には、プラスチック成分等で作られるマイクロカプセルに包まれた香料や抗菌物質が含まれると言われている。そこで、消費者が、マイクロカプセル化技術を用いた家庭用品を利用することで、プラスチックの微粒子が一般生活環境中に排出されるのではないかと考え、2019年度は閉鎖系の実験装置にてパーティクルカウンターを用い、家庭用品より大気中に放散される微小粒子状物質の測定を行った。その結果、@一部の柔軟剤や洗剤を適用した布や芳香剤から0.5μm〜20μm程度の粒子径の微小粒子状物質が放散されていること、A柔軟剤や洗剤を適用した布と接触したスライドガラスと、芳香剤の近くに置いたスライドガラスから採取した微小粒子状物質のうち20μm前後の大きさの粒子の一部を顕微FT-IR法により解析し、それぞれ得られたIRスペクトルをライブラリと照合すると、プラスチック成分やその分解物と推定される物質、抗菌作用を示す成分、そして香料成分がヒット率の高い候補物質として挙がってくることが判明した。
 しかし、現行の調査手法では、1)10μm以下の粒子状物質の定性が困難である点、2)一部の製品から放散される微小粒子状物質には、無機金属化合物の粒子が存在する可能性が示唆されたが、顕微FT-IR法の結果だけでは完全には定性できない点、3)0.5μm以下の粒子の放散の有無が調べられない点が限界となっている。
 本研究では、前年度の継続調査として、1)10μmより小さい粒子を定性するラマン分光法や2)SEM(走査型電子顕微鏡)による元素分析も併せて実施し、家庭用品から放散される微小粒子状物質の定性を行う。また、実際に放散源が家庭用品であるかの検証を行うため、家庭用品の原液を遠心分離や濾過により得られた物質と放散で得られた粒子状物質が一致するかの検討も行う。


【公開プレゼン開催概要へもどる】 / 【書類選考通過者一覧へもどる】

グループ名
代表者名
太平洋核被災支援センター
橋元 陽一さん
応募金額 50万円
テ ー マ 太平洋核実験による放射線被災実態を解明し、被災船員救済のための研究をすすめる
概  要

<問題の概要>
1.核実験による放射能内部被曝の実態を分析し、因果関係立証に迫る。
2.船員保険法の改正、議員立法の「核実験被災船員救済特別処置法」の制定。
3.核兵器禁止条約を批准したとき、救済のための資料を作成したい。

<市民科学としての重要性>
厚労省は、核被災を過小評価しようとしているが、高知県知事、県議会は市民参加の科学的解明による因果関係の立証を求めている。政府への情報公開請求をさらに広げ、国内外の科学者の協力をえて、市民のネットワークを生かした調査・研究を進めたい。

<緊急性>
・被災船員は高齢化とともに健康を害し、救済が急がれている。社会保険審査会の申請不採択にたいして、訴訟準備中であり、資料の再分析が求められる。
・国連人権委員会に意見書提出を準備中である。
・船員保険法の改正、議員立法の「核実験被災船員救済特別措置法」のための取り組みが始まっている。
・核兵器禁止条約が批准されれば、第6条の救済の課題が論議され、「ビキニ核被災」が検証対象となる可能性がある。


【公開プレゼン開催概要へもどる】 / 【書類選考通過者一覧へもどる】

グループ名
代表者名
放射能市民測定室・九州(Qベク)
大木 和彦さん
応募金額 25万円
テ ー マ イメージングプレートを使用するQベク放射能可視化部門の立上げと、土壌中の放射性物質の可視化の提案
概  要

 2016年度の高木基金助成を受けた際のテーマは、(1)オフグリッドエアーサンプラーの開発、(2)オートラジオグラフィーの研究 でした。オートラジオグラフィーによる放射性物質の可視化は2014年にエアーサンプラーによる集塵後のフィルター検査方法のひとつとして被災地からの要請を受けて開始されました。X線フィルム上に検体を密着させ40日間前後感光させた後、現像・定着という薬品処理を行いますが、完全な暗室が必要ですし、処理薬品類の入手/廃棄などの課題もあり着手が2017年まで遅れてしまいました。稼動後も、温度管理など設備・技術上の問題から安定した画像が得られない状態が続きました。当時、病院のX線検査は既にフィルムからイメージングプレート(IP)に切り替わりつつあり、Qベクでも2019年に歯科用の中古機を購入してテストしてきました。当初目標のフィルターの画像化は成功しています。最適な感光時間など標準化に向けた調査はまだ残っていますが、Qベク放射能可視化部門を立上げます。又、X線フィルムと異なり、IPの感光材は繰り返し使用が可能なうえ、現像液や定着液といった薬品を使う処理がないなどランニングコストはごく軽微で済みます。Qベクでは既に中古ながらIPスキャナーを購入していますので、この画像の電子データ化は基本的に無償で引き受けたいと考えています。
 今回の提案は、このIPによるオートラジオグラフィー技術を使って土壌中の放射性物質の姿を確かめてみようというものですが、単に採取した土壌を画像化するのではなく、土壌を鉛直(深さ)方向にスライスして標本化し、これを可視化してどの位の深度まで拡散しているかが判るようにするものです。原発事故で土壌に降り注いだ放射性物質の8年後の拡散の様子を目で確かめられるようにします。
 Qベクでは、「みんなのデータサイト」をはじめ、東日本で土壌の調査をされている団体に呼び掛け、土壌断面の画像データ化を無償で引受けてゆく予定です。現在、QベクはIPを1枚しか持たないため、連続で運用しても年間で十数検体しか処理しきれませんが、作業が円滑に進むようIPの保持を6枚程度に増やすなど、設備を充実させたいと考え、基金の助成に応募しました。


【公開プレゼン開催概要へもどる】 / 【書類選考通過者一覧へもどる】

グループ名
代表者名
いばらき環境放射線モニタリングプロジェクト
天野 光さん
応募金額 40万円
テ ー マ 福島原発事故による茨城県等の放射能長期汚染とその特徴 (3)
概  要

 東京電力福島第一原発(1F)事故により、福島県を始め、東北地方や関東全域は広範囲に放射能汚染された。こうした中で福島県での放射能測定はかなり集中的に行われているが、茨城県での測定は、散発的であり、汚染があるにも拘わらず、茨城県での放射能汚染の特徴は必ずしも明らかではない。本研究は、茨城県における空間線量の測定を主体とし、茨城県におけるホットスポットや汚染の特徴を明らかにし、放射能汚染の将来予測を行う。1F事故が経過してから2020年3月で丸9年となり、空間線量に及ぼすセシウム-134(半減期2年)の影響はほぼなくなっている。空間線量に影響する放射性核種は、天然放射性核種以外ではセシウム-137(半減期30年)が主となってきており、今回の測定により、空間線量の将来予測も可能である。また土壌や植物中の放射性セシウムの他に重要核種であるストロンチウム-90の測定も行い、Sr-90/Cs-137比等を明らかにし、福島事故による長期汚染の特徴を明らかにする。測定のフォーマットは統一して行う。東海第二原発の再稼働も目論見られている。福島原発事故は、原子力発電所で大事故は発生すること、ひとたび原発で大事故が起これば、取り返しのつかない放射能長期汚染がもたらされることを示したが、このことを実測値により住民に示す。
 2020年度は調査の最終年度であるため、未測定の場所を補填調査し、これまでの調査結果や放射線の生物影響に関する最新情報を分かりやすく解説として汚染マップとともに小冊子にまとめ、2021年1月頃に開催予定の測定報告会で配付する。汚染レベルの比較のため、栃木県や福島県等においても若干の測定を行い、汚染マップに追加する。


【公開プレゼン開催概要へもどる】 / 【書類選考通過者一覧へもどる】

グループ名
代表者名
RITA-Congo
華井 和代さん
応募金額 50万円
テ ー マ コンゴにおける資源採掘と人権侵害の実態調査
概  要

 本研究は、コンゴ民主共和国(以下、コンゴ)東部において資源採掘と地域住民への人権侵害が結びついている現状を明らかにし、資源消費国である日本の政府、企業、市民が責任ある行動をとるための提言を行う
 コンゴ東部で採掘される鉱物が武装勢力や軍の資金源として利用されていること、同時に、鉱山周辺において組織的な性暴力を含む深刻な人権侵害が行われていることは、2000年代から国際社会で訴えられてきた。2018年には、コンゴ東部で性暴力被害者の救済に尽力するデニ・ムクウェゲ医師がノーベル平和賞を受賞したことで、本問題への国際的な関心が改めて高まった。
 一方、コンゴには世界最大規模の2万人の国連PKOが派遣され、2010年からはアメリカとOECDの紛争鉱物取引規制によってグローバル規模での鉱物認証システムが構築されているにもかかわらず、現在の方法では紛争を解決に導けないことが明らかになってきた。コンゴ東部では130を超える国内外の武装勢力や軍の兵士が住民への人権侵害行為を行い、ルワンダやウガンダなどの周辺国が、鉱物の搾取や武器の密輸、兵士のリクルートにまで関与していることが明らかになっている。
 なぜ、コンゴの紛争は終わらないのか。現在の紛争解決手段のどこに問題があるのか。その原因を探り、紛争を解決に導く方策を考えるには、まず、コンゴ東部で現実には何が起きているのかを丁寧に調査研究する必要がある。紛争地域での現地調査には困難があるため本研究では、紛争の被害者であり、人権侵害の目撃者でもある難民への聞き取り調査を行うことで、紛争の実態を把握する
 合わせて、研究者のみならず政府、援助機関、メディア、市民社会に実態を伝え、紛争解決策や住民支援の在り方を共に考える公開セミナーをベルギーと日本で開催する。


【公開プレゼン開催概要へもどる】 / 【書類選考通過者一覧へもどる】

グループ名
代表者名
諫早湾調整池アオコ毒素研究チーム
高橋 徹さん
応募金額 50万円
テ ー マ 諫早湾調整池から有明海に排出されたアオコ毒ミクロシスチンの残留、分解と水生生物への蓄積
概  要

 諫早湾干拓事業は有明海の潮流に影響し、赤潮大規模化や貧酸素の原因になったとされている(田中ほか, 2019)。さらに、調整池からの排水による漁場への直接的悪影響が懸念されている。夏期には有毒アオコの発生が常態化しており、調整池で産生されたアオコ毒ミクロシスチン(MCs)が年間数十〜数百kg海域に排出されていることが判明している。
 諌早湾調整池は水深が浅く、微細粘土粒子が浮遊している為、透明度が極端に低い(15-20cm)。この事が、夏期のアオコ発生の原因となり、冬期には不十分な光合成による富栄養排水が、海苔に被害を与える冬期の赤潮に繋がっている可能性がある。本研究では、その点をより明白にするために、13Cを用いた純一次生産の測定を実施したい。
 なお、MCsは通年にわたって海底の堆積物に残留している事が確認されたが、農水省は、アオコは海域に排出されると死滅し、毒素も分解菌に分解されるから問題ないとしている。しかし、我々の予備的室内分解実験では、 20℃以下ではMCsの分解が止まり、合成は進行していた。本研究では、より詳細な実験を行い、堆積物中のMCsの消長を遺伝子レベルで明らかにしたい。このことで、冬期の残留が分解速度低下に起因する事を証明し、アオコ発生期以外にも警戒が必要であることを示したい。このように、調整池の特性と排出された毒素の行方を把握することで、海水を導入する以外、有明海の広域汚染を解決する方法がない事をより明確に示したい。


【公開プレゼン開催概要へもどる】 / 【書類選考通過者一覧へもどる】

グループ名
代表者名
メコン・ウォッチ
木口 由香さん
応募金額 50万円
テ ー マ メコン河流域国における開発事業に伴う人権侵害調査
概  要

 メコン河流域の国々では、政府や民間企業の行う大規模開発により、人々の居住権や土地の利用の権利に対する侵害が発生している。  カンボジアでは、企業による土地収奪が大きな問題となってきた。ベトナムでは、大規模な公害事件による環境破壊で生業が崩壊した例も見られる。タイでは少数民族や貧困層の居住権の問題、ラオスやミャンマーでは開発に伴う強制移転や土地収用があり、住む権利や生業を営む権利の侵害が起きている。  各国ともに、環境アセスメントなどの法整備は進んでいる一方、現実には、開発事業への反対や移転への異議を唱えたことで、命を落とす、あるいは司法による圧力をかけられる人々が存在する。  本調査では、日本と関係の深いメコン河流域の5カ国(カンボジア、タイ、ベトナム、ミャンマー、ラオス)において、開発現場や土地利用に関し2000年以降の人権侵害の事例を概観、重要と思われる事例を選択し資料化するとともに、現地での事例調査によって、人権侵害が起きる現在の社会的な背景を明らかとする。「ビジネスと人権」や「ESG投資」が言われる中、既に発生している問題を顕在化し、社会に発信していく。


【公開プレゼン開催概要へもどる】 / 【書類選考通過者一覧へもどる】

グループ名
代表者名
放射能を含む廃棄物から子供たちと大久保の自然を守る住民の会
北澤 勤さん
応募金額 40万円
テ ー マ 放射性物質を含む廃棄物処分場予定地周辺の住民参加型環境調査
概  要

 福島第一原発事故由来の放射性物質に汚染された廃棄物であったとしても、放射性セシウムの濃度が8000bq/kg以下の廃棄物は、民間の産業廃棄物最終処分場等において通常の廃棄物と同様に処理が可能とされるようになり、本来、生活環境からの隔離と集中管理が原則である放射性物質の全国への拡散が懸念されています。 2015年、民間事業者により長野県宮田村に、放射性物質に汚染された廃棄物を含む処分場建設計画が持ち込まれました。宮田村のある伊那谷地域は南アルプスと中央アルプスの高い山々に囲まれ、事故由来の放射性物質による汚染のほとんどみられなかった地域です。人口約9000人の村で起きた問題に、村内外から10万筆以上もの反対署名が集まりましたが、現段階まで計画は中止されておらず、いつ処分場設置許可申請の手続きが始められるかわからない状況です。
 予定地は地下水の挙動が複雑であり、さらに強風の吹き込む地域にあり、処分場の認可にあたり、最終処分場の立地としての適切性が正しく評価検証されねばなりません。そのために、この調査研究では、まず、水質、土壌、大気の状況を測定し、現状の環境状況を把握します。また、継続的なモニタリングのための地域環境調査と事業監視体制を構築します。
 調査結果は、処分場認可を審査する長野県への要請行動、および事業者との協議に活用し、また万一処分場の建設、操業が始まった場合には、モニタリングの比較基準とします。


【公開プレゼン開催概要へもどる】 / 【書類選考通過者一覧へもどる】

グループ名
代表者名
FoE Japan 森林チーム
三柴 淳一さん
応募金額 50万円
テ ー マ 宮崎県の違法伐採(盗伐)が及ぼす環境社会影響に関する調査研究
概  要

(背景) 近年、FIT制度導入による国内森林資源の需要増などを背景に、特に宮崎県内における違法伐採(盗伐)が問題視されている。この問題は林地内の立木を丸ごと白昼堂々盗むという明らかな犯罪行為だが、県下の公的機関の対応は不十分で抑止効果は見られず、盗伐行為が横行している。被害者の多くは@高齢の独り暮らしの女性、A家族は林地から離れた宮崎市内、または県外在住、B聴覚障害や知的障害など何らかの障害を持つ、または家族にそうした者がいる場合に該当し、社会的弱者を狙った極めて卑劣な行為である。
 また盗伐被害林地は通常の林業施業地とは異なり、伐採されたというよりは「荒らされた」状態であり、集中豪雨等の自然災害の二次被害リスクが非常に高い。中には急斜面に位置する林地で、その斜面のふもとには民家や公的な施設も含む集落があり、豪雨災害発生時の甚大な二次被害が危惧されている。
(目的・手法) 本調査研究は、宮崎県内で発生している盗伐の実態を解明することを目的とする。調査対象には急斜面に位置し、そのふもとに公的施設等を含む集落があり、豪雨災害等の甚大な二次被害が危惧される緊急性の高い被害地を選定する。手法としては、被害者視点を重視して、(1)調査対象被害地に関して周辺の地籍図を入手し、当該被害地の被害全容を把握する、(2)被害者への聞き取りにより被害状況の詳細を把握する、(3)被害地を所管する自治体の聞き取りも試みる。
 被害者の声に科学的根拠に基づく「客観性」を加味し、小さな被害者の声を増幅することで、国、県の取り組み是正や改善努力を促すことにつなげ、盗伐問題の解決に寄与することをねらいとする。


【公開プレゼン開催概要へもどる】 / 【書類選考通過者一覧へもどる】

グループ名
代表者名
境 翔悟さん
応募金額 29万円
テ ー マ 中山間地域における生活用水の変遷 −水道未普及地域における飲料水供給施設の持続的な管理・運営手法の検討
概  要

 日本の水道普及率は約98%と非常に高い水準に達している。一方、山間部の農村には水道未普及地区が未だ多く残っており、人々は小規模水道である飲料水供給施設及び井戸などの自己水を利用することにより生活している。
 飲料水供給施設とは、給水人口100人以下の小規模な水道で、集落や個人単位で管理運営されている。飲料水供給施設は水道法上の水道事業ではないため、法の適用外となっている。集落レベルでの維持管理が行われているため、施設や水質の管理が問題視され、上水道や簡易水道と比較して健康被害の発生率が高いことがわかっている(山田ほか, 2008)。
 水道未普及地区の解消は一つの課題とされているが、飲料水供給施設をはじめとする小規模水道は山間部に点在するため、水道の敷設(近隣水道事業との統合)は採算が取れず難しいのが現状である。そこて゛、本研究では水俣市を対象とし、市内全52の飲料水供給施設へのアンケート調査、集落水道の管理作業の参与観察と聞き取り調査を行う。収集した情報とGIS上での地形分析の結果をもとに、人々による意味づけと地形的特徴の観点から生活用水及び集落水道の変遷を分析する。


【公開プレゼン開催概要へもどる】 / 【書類選考通過者一覧へもどる】

グループ名
代表者名
杉山 沙織さん
応募金額 30万円
テ ー マ 地域森林管理を担う林業技術者のキャリア形成−知識・スキルの習得と信念の醸成過程−
概  要

 本研究で着眼するのは、日本の国土の2/3を占める地域森林管理の担い手である「林業技術者・林業技能者」のキャリア形成であり、@林業の現場労働に関わるスキル(技術・技能)の熟達化の過程とA「森林管理のプロフェッショナリズム」を信念に持つに至るまでの過程に主眼を置く。中でも、後述する日本の森林管理の諸問題を解決する緒として、「森林管理のプロフェッショナリズム」を定義し、その擁立の条件を明らかにすることを目的とする。森林管理にあたる林業従事者の役割として、森林計画を策定する”林業技術者”、計画のもと現場で作業を行う”林業技能者”の2面性があり、いずれも高度な知識・スキルが求められる。林業従事者がキャリア開発により、専門的なトレーニングや実践的な経験を積み、特別な技能や知識を獲得していく「熟達化のプロセス」は、職業に必要な価値や実践的な知識・スキルを教え込まれる「プロフェッショナルの社会化」プロセスに至る。「森林管理のプロフェッショナル」は、森林管理の理念・信念を持ち、現在の生産性・利益だけではなく、森林環境・生態系への影響を含めて将来への効果を考えたコスト感覚を持つことや、森林全体で空間的・時間的に生物多様性を維持することを基本にするセンスによって森林を健全に保つこと、森林やそれをとりまく関係主体に愛情を持つ実践者となることが求められている(1)。 
 参考文献 (1)森林管理の理念と技術 山田容三 (2009)


【公開プレゼン開催概要へもどる】 / 【書類選考通過者一覧へもどる】




HOME | 助成応募の方法 | これまでの助成研究・研修 | 高木基金の取り組み | ご支援のお願い | 高木基金について
ENGLISH  | サイトマップ | お問い合わせ 個人情報の取り扱い