高木仁三郎市民科学基金 事務局長 高木 久仁子
今回の東北地方太平洋沖地震で被災されたみなさま、福島原発事故を受けて避難を余儀なくされているみなさまに、心からお見舞いを申しあげます。
高木仁三郎は、「友へ」と題した最後のメッセージに
『原子力時代の末期症状による大事故の危険と、結局は放射性廃棄物がたれ流しになっていくのではないかということに対する危惧の念は、今、先に逝ってしまう人間の心を最も悩ますものです。後に残る人々が、歴史を見通す透徹した知力と、大胆に現実に立ち向かう活発な行動力をもって、一刻も早く原子力の時代にピリオドをつけ、その賢明な終局に英知を結集されることを願ってやみません』 |
と書き残してこの世を去りました。いまこそ高木基金の存在価値が問われています。
このような中で、すでにメールでもお知らせいたしましたが、3月12日に予定していた、来年度国内向け調査研究助成の「公開プレゼンテーション」は、3月11日の地震・津波災害を受けて、中止といたしました。
高木基金では、市民科学にふさわしい助成先を、高木基金の支援者や一般のみなさんにも開かれた場での意見交換をふまえて決定することを、設立以来、大切にして参りましたが、今回は、大災害による緊急事態であり、また、助成申し込みに対する決定が遅れた場合、応募者のみなさんの調査研究活動にも支障が生じること、さらに、福島原発事故の状況が、予断を許さないことを勘案して、今年度は、公開プレゼンテーションをおこなわずに、理事会として、助成先の最終決定をすることといたしました。
決定した助成先は、4月中旬頃を目処に、高木基金のウェブサイトおよび「高木基金だより」でお知らせする予定です。
ご理解を頂きますよう、なにとぞよろしくお願い申し上げます。