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助成応募の方法

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高木基金の助成選考における「市民科学」の視点


市民科学の課題は、高木仁三郎によれば、「未来への希望に基づいて科学を方向づけ、持続可能な未来を築くための構想を提示し、人々の心に希望の種を播き、組織し、変革への流れを生むこと」です。市民科学は、市民社会が実際に直面する不安や問題から出発し、その成果も市民の評価に委ねられます。

市民科学者という表現には、学術研究を職業とする者だけが科学者なのではなく、市民が科学知識と批判力を自分たちのものにする必要があるという考えが込められています。市民科学は、市民の立場に立ちつつ、市民の知を、専門性を持って市民の側から組織していくことをめざします。科学の暴走をくい止め得るのは、まさにそうした「カウンター・エキスパート」としての市民に他ならないでしょう。

地球市民としての自覚のもと、科学的知識と考察に裏付けられた構想力と想像力を備え、独立した批判を行える人が、市民科学者です。

市民科学者には、次のような役割が期待されます。

1) 現代の科学技術が、人々の生存と地球環境への脅威となっていることを認識し、市民と不安を共有する立場からこれを批判し、対抗的な評価を提起すること。 何が脅威であるかを明らかにし、それを取り除くための調査・研究を進めること。

2) 自ら市民として、常に生活者の感覚や視線でものを見ることに基盤におきながら、科学技術の問題にアプローチすること。

3) 最終的な政策決定者は市民であるという立場から、市民との密接な相互作用を通して、市民の判断材料となる情報を提供し続けること。政府や産業側の科学技術情報を批判的に解読し、その情報がどのような意味や影響を持つのかを、市民に理解可能なかたちで伝えること。

4) 現代における科学技術の選択が、将来の世代にどのような負担をもたらすかを常に吟味し、世代間倫理に基づく問題提起を行うこと。

高木基金が助成する調査研究は、上記の市民科学の実践として、次の要件を満たすことが望まれます。

・市民社会や地球環境の脅威となる科学技術や、それに関わる公共政策の問題点等を批判的に検証するもの。

・専門性に裏付けされた想像力と構想力を持ち、調査研究・研修の方法や実施計画、予算などが合理的であるもの。

・調査研究の成果を、市民社会に還元する方法や、政策転換を求める道筋などを具体的に展望しているもの。

・今回の調査研究のみにとどまらず、将来にわたって、市民科学者を目指して努力していく意志を持っているもの。

なお、限られた財源の中で、市民科学にふさわしい調査研究を重点的に助成するため、次のような申請は助成対象としない場合がありますのでご注意下さい。

・公的な助成金や企業などからの支援が十分得られると思われる内容・水準のもの

・相当の規模や実績を持ち、独自の資金調達で活動ができると思われる団体からのもの

・外部の研究者への委託研究を主体とするもの

・キャンペーン活動、映像等による記録、情報発信等を主とした活動(過去には、助成の対象としていましたが、今回は、具体的な調査研究活動を優先します)

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